オランダで開発されている SolydX と SolydK (合わせて SolydXK)の最新版となる 10 が、2019年9月27日にリリースされたので試してみた。
SolydXKとはどんな OS ?
SolydXK は Linux Mint の Debian エディションに Xfce と KDE を追加した非公式バージョンとして開発が始まったもの。現在では独自のアイデンティティが加わり、独自のプロジェクトとなった。
今回の変更点は?
主な変更点は以下の通り。
ハイライト
- 最新のカーネルバージョン4.19を備えたDebian Buster 10.1リリースに基づいています。
- ライブISOをローカライズサポート付きで起動できるようになりました。
- 新しいGrub2テーマ。
- USB Creatorは、安定性、速度、および保守性を改善するためにゼロから再構築されました。
- 多くのバグが解決され、SolydXK Firefoxの設定をさらに変更して、ユーザーのプライバシーを改善しました。これはfirefox-solydxk-adjustmentsパッケージで行われますが、不要な場合は削除できます。
- システムの安定性と安全性を損なうことなく、厳密に不要なパッケージを削除して、ISOを徹底的にクリーンアップしました。
NordVPN
NordVPNのサービスにより、手軽にVPN(Virtual Private Network: 仮想専用回線)を利用できるようになった。
新しいNordVPNアカウントを作成すると、SolydXKは小さな手数料を受け取ります。この手数料は、SolydXKの改善に役立ちます。
っと、正直に言われるとインストールしたくなる僕です。
VPN については別途詳しく紹介したいと思っている。
SolydX RPi3
今回のリリースでは残念ながら Raspberry Pi 3 のエディションは削除された。
ボク個人としてはアリだったけれども、人気がなかったらしい…。残念。
より詳しい情報は
▶ https://solydxk.com/news/solydxk-10-released-based-on-debian-buster-1
SolydXK の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: KDE, Xfce
- パッケージ管理: dpkg (APT)
- カーネル: 4.19
SolydXK をインストールするのに必要なスペックは?
プロジェクトサイトにシステム要件の記載がなかったので Debian の Xfce ディションの推奨環境を参考にした。またカッコ内は同様に Debian の KDE エディションの推奨環境を参考にした。
- CPU: 1GHz 以上のプロセッサ
- RAM: 1GB 以上 (2GB 以上推奨)
- ストレージ: 20GB 以上 (30GB 以上推奨)
- グラフィック: 1024 x 768 (XGA)
- ブロードバンドインターネット接続
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- マルチメディア: VLC メディアプレイヤー
インストール後に Welcome 画面から追加できるアプリケーション
- NordVPN
- マルチメディアコーデック: Flash, CSS
- ビジネス: Gnucash, PostBooks, ProjectLibre
- ホーム: Gimp, Inkscape, Shotwell, Diglkam, Clementine, Amarok, HandBrake, SoundConverter, Pitivi, Kdenlive, Transmission
- システム: VirtualBox, VileZilla
- ゲーム: Steam, Minetest, O A.D., The Battle for Wesnoth, Sauerbraten, Neverball, Super Tux Kart
- PlayOnLinux
SolydXK についてのより詳しい情報は
▶ https://solydxk.com/
個人的な意見ですが、
SolydXK と LMDE の比較
今では別物になった2つの Linux ディストリビューションだけれども、どれくらい違うかサラッとだが比べてみた。
まず LMDE をご存じない方のために少し解説すると「 Linux Mint Debian Edition 」の略で、もしも Ubuntu がなくなった場合に必要な作業量を確認するために開発されている。
LMDE は、Ubuntu 版の Linux Mint に可能な限り似せて作られているけれども、Ubuntu は完全に使っておらず、パッケージベースは Debian のみで構築されているという Linux ディストリビューション。
LMDE のシステム要求
- 1GB RAM(快適に使用するには 2GB 以上を推奨)
- 15GBのディスク容量( 20GB 以上を推奨)
- 解像度1024 x 768以上のディスプレイ
LMDE 3 “Cindy” Cinnamon についてより詳しい情報は
▶ https://blog.linuxmint.com/?p=3633
まぁ、Mint です。
デスクトップ環境は Cinnamon の Mint です。
コメント欄を見てみると、やっぱり Xfce をインストールしたり KDE をインストールして使っている人がいるようです。
スキルのある人は自由自在なのが Linux ですな。
大きな違いはデスクトップ環境
先程の Mint リリースノートのコメント欄では、自分で Xfce や KDE をインストールして使っているユーザーもいるようですが、基本的に LMDE は Cinnamon 一択。
対する SolydXK は、冒頭でも紹介したとおりそれぞれ Xfce と KDE のエディションが用意されている。
そもそも LMDE の開発理由が Ubuntu がなくなったときのための作業量確認ということなので、ポイントリリースもない。
つまりは「別のベースで開発したら、どんだけ大変かな?」チェックのためのもの。
デスクトップ環境うんぬんは二の次、三の次ということ。
ただし可能な限り現行の Ubuntu 版 Mint に近づけているため、デスクトップOSとして使う場合、定番アプリもしっかり押さえられているので使い勝手は相当よい。
SolydXK もデスクトップOSとして充分の機能は持ち合わせている。
というか、むしろデスクトップ OS として開発されている印象が強く受けるほどに使い勝手がよい。
なにより今回のアップデートからインストール前のライブ環境でも日本語で使うことができるようになった。
ここは LMDE より一歩前にいる感じ。
インストール直後からどちらも日本語入力ができる。
これについては甲乙つけがたい。
ちなみに、どちらも fictx + mozc になっている。
SolydXK の良かった点・悪かった点
良い
- ライブ環境も日本語で使えるようになった!
- インストール直後から日本語入力もできる。
- プリインストールされてるアプリも日本語化完璧。
悪い
- X にしろ K にしろデザインがちょっと野暮ったいかな…。
SolydXK のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
インストールは GUI で操作できる Debian-installer 。インストーラーの指示に従えば簡単にインストールできる。またデスクトップ OS としても充分に使えるアプリがいっぱい!でも日本語での情報が少ないので☆マイナス1。
日本語の環境… ★★★★★
今回のリリースからローカライズが強化され、インストール前のライブ環境でも日本語表示ができるようになった!しかもインストールと同時に日本語環境もしっかり構築されるのですぐに使える。
システム要件… ★★★★☆
SolydX は軽量で高速な Xfce なので古い PC でもサクサク!SolydK は高機能な KDE 。 Linux としては少々高めのスペックがほしいところだけれども、Windows 7 が動いていた PC なら問題なし!
総おすすめ度… ★★★★★☆
ふつうに使える初心者向けな Linux ディストリビューション。Linux を初めて触る人でも、きっと大丈夫!
SolydXK に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
ダウンロードする▶ https://solydxk.com/downloads