日本の学生が開発した Ubuntu ベースの軽量 Linux である SereneLinux を試してみた。
SereneLinux とはどんな OS ?
SereneLinux は日本の学生が Ubuntu (Basix) をベースとし、マテリアルデザインを採用した美しいユーザーインターフェイスが特徴の国産 Linux ディストリビューション。デスクトップ環境は、高機能で高速な Xfce をカスタマイズしたもので、ユーザーインターフェイスにこだわりが見られる。
▼ SereneLinux 公式サイト▼
https://serenelinux.com/
SereneLinux の概要
- ベース: Ubuntu (Basix)
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: Xfce
- パッケージ管理: dpkg (APT)
- パッケージ形式: deb
- カーネル: 4.15.0-74
SereneLinux をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: 1 Core 1 GHz (2 Core 2 GHz) 以上のプロセッサ
- RAM: 1 GB (2 GB) 以上
- Storage: 20 GB (25 GB) 以上の空き領域
主なアプリケーション
- ブラウザ: Chromium
- メール: Gmail
- オフィス: Google ドキュメント
- グラフィック: GIMP
- マルチメディア: VLC メディアプレイヤー
▼ SereneLinux についてのより詳しい情報は▼
SereneLinux forum = https://serenelinux.net/
SereneLinux 個人的な意見ですが、
この SereneLinux は日本の学生が開発をしている軽量 Linux ディストリビューション。
Web サイトで紹介されている開発チームは14名だけれども、一部情報ではおよそ30名程度のメンバーが在籍しているようで、しっかりとしたプロジェクトとしての体を成している。
2020年2月現在で公開されているのは、スタンダードエディション(ベータ7)とカスタマイズ向けのエディションが用意されている。
スタンダードエディションはデスクトップ指向の Linux ディストリビューションになっているため、ブラウザをはじめとしたアプリケーションがプリンストールされているが、メールには Gmail、オフィスには Google ドキュメントと、Google の Web サービスを使う。そのため最低限 Google のアカウントが必要になる。ちなみに Gmail や Google ドキュメントを起動させるのは Ice SSB ではなく、普通にブラウザで起動するブックマーク。
デザイン
見た目には非常にこだわりがあるようで、テーマには NumixBlue というGTK2/3 で開発されている Cinnamon や Xfce 向けのテーマが採用され、アイコンセットはシンプルで幾何学的なデザインの Paper が採用されている。アイコン自体は他のディストリビューションでもよく見かけるものだね。
パネルなどもカスタマイズされており、上部のパネルは左側に「メニュー」「シャットダウン」「サスペンド」「ハイバネート」「再起動」「ユーザーの切り替え」「ログオフ」と電源関連のアイコンが用意されており、右側には「ゴミ箱」「音量」「電源」「通知」「ネットワーク」「日付とカレンダー」が配置されている。特にゴミ箱がパネルに配置されているのは珍しい。
アプリケーションの追加
Serene-Startdash という独自のパッケージマネージャが用意されており、MX パッケージマネージャをイメージさせる。個人的には、このタイプのパッケージ管理が好きなので、現時点では管理されているパッケージは少ないものの今後に期待している。
使い方は非常にシンプルで、日本語入力に必要なパッケージも Serene-Startdash からインストールすることができる。
ちなみに Serene-Startdash では
- クリーンアップ
- アップグレード
- 追加と削除
をするためのソフトウェア。
またSerene-Startdash の他にも、「メニュー」⇒「システム」にある Serene-Setup-Wizard でも必要なパッケージをいっぺんにインストールすることができる。
Serene-Setup-Wizard は以下の処理を一度に行う。
- install Google Chrome … ご存知高速 Web ブラウザ
- uninstall Chromium … Chromium のアンインストール
- install Firefox … ご存知高速 Web ブラウザ
- install FFmpeg … 動画ファイルの変換が行えるソフトウェア
- install Blueman … Bluetooth を扱うためのソフトウェア
- install KDE Connect … スマホアプリと連動するソフトウェア
- install Gyazo … スクリーンショットを撮影するソフトウェア
- install Wine 4.0 … Windows のソフトウェアを使うためのソフトウェア
- install PlayOnLinux … Wine と連動して Windows ソフトウェアを導入するソフトウェア
- install Winetricks … Windows エミュレータ
- run winetricks allfonts … winetricks で使うフォントをインストールする
- install Steam … ゲームのプラットフォーム
- install Visual Studio Code … マイクロソフトが開発したソースコードエディタ
- install Font Manager … フォントを管理するソフトウェア
このウィザード、何の解説もなかったためいつまで続くのかが不安になったが、一つ一つ確認すると上記のパッケージ操作が行われることがわかった。何も知らないと少々不安に感じるが、一覧にしてみてみると、けっこう必要になりそうなパッケージばかり用意されている。
SereneLinux の残念な点と良い点
残念な点
- 軽量にするためかもしれないが、国産であればインストール直後から日本語入力ができればなお良かった。
- Gmail や Google ドキュメントが Ice SSB で動作するならもっと良かった。
- まだ新しいプロジェクトのため、フォーラムなど情報が少ない。これからに期待。
良い点
- デザインがクールでかっこいい!
- ベータ版とはいえ、高速で安定したシステムは魅力的。
- Serene-Startdash は何気に便利。パッケージ数が増えることに期待。
SereneLinux のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★☆☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
Ubuntu 系なので情報はたくさん手に入れることができるが、レイアウトが少し独特だったりするため Linux 初心者だとちょっと「?」となるかもしれない。
日本語の環境… ★★★☆☆
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
専用のパッケージ管理ツールが用意されており、そのツールを使うことで簡単に日本語入力に関連するパッケージをインストールすることができる。
システム要件… ★★★★☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
Xfce デスクトップなので軽量。余計なパッケージもほとんど入っていないのでストレージサイズも少なくて済む。
総おすすめ度… ★★★☆☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
現状ではベータ版のため常用には向かない。しかしながら、意欲的な開発が進められている Linux ディストリビューションなので今後に期待!
SereneLinux に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
▼ダウンロードする▼
https://serenelinux.com/