程度の良い中古 PC を手に入れていたのですが、何ヶ月もの間、ずっと放置していたので、そろそろいじりだそうと思います。

実は先日、 open.Yellow.os freesia beta をひっそりとリリースしていたわけで、今回はこの中古 PC を使って open.Yellow.os freesia beta 紹介をしたいと思います。

で、以前のリリースのときもそうでしたが、コードネームについて、何件かご質問を頂いたので、コードネームについての「こだわり」なども含めて語りたいと思います。

このチャンネルの動画は、毎度チャプター分けをしておりますが、今回はざっくり2部構成にしており、1部に open.Yellow.os のこだわりについて、2部にリリースの特徴について語っておりますので、お好みのところからご覧いただければと存じます。

それでは、いってみましょう。

https://youtu.be/7e5mfnEeakA

open.Yellow.os のコードネーム

まず、open.Yellow.os のコードネームについてです。コードネームの決め方は次のとおり

  • ポジティブな意味の花言葉をもった黄色い花の名前  
  • アルファベット順ではなく春からの開花順
  • 花言葉が開発コンセプト

という感じで決めております。そして今回のコードネームは「freesa」。フリージアは色によって、花言葉が違います。黄色のフリージアの花言葉は「無邪気 (innocent)」です。今回のリリースのコンセプトは無邪気というわけです。

なぜ黄色?

open.Yellow.os freesia BETA | ひっそりとリリースしていた oYo を、ずっと前に買ってた中古 PC にインストールしながら語ります。

そもそもなぜ open.Yellow.os 、なぜ黄色なのかから今回は語ります。

まずは、興味深い記事を紹介いたします。

とてもわかりやすくまとめられていた記事だったので紹介させていただきました。

このように、黄色は実に数奇な運命をたどった色です。しかしながら現在では、黄色は心理効果として、光のイメージが強く、周りを明るく照らす楽しい雰囲気に加えて、エネルギーのある印象を持っているのが特徴とされます。黄色を見ているだけで、その明るさやエネルギーが人間の心理に影響すると言われ、気分が高揚し、自然と朗らかな気分になれることから、目の前にいる相手に対しても、明るく精力的に接することができるようになるとされています。

また、注意を喚起したり、注目させたりといった効果もあるため、注意を促す道路標識や注目させたい看板などにも使われます。そして黄色は、太陽の色とされ、特にギリシャ神話やローマ神話では太陽の神々(アポロなど)を指す色とされ、空の中央で「堂々と自分の光を放出」する太陽のような「解放的」で「独立した」色ということで、「自己の放出(自己主張)」すべき時にサポートしてくれる色ともされます。

さらに「光」は「ひらめき」「知性」「知識」も意味します。黄色はその光をイメージさせることから「知識を探求する」「好奇心を満たす」とされ、「喜び」を生み出す色というわけです。

このことが、関係しているかどうかはわかりませんが、「リベラリズム(自由主義)」のシンボルとして黄色の旗が使われています。

いずれにせよ、黄色には様々な背景があり、コダシマはその黄色に対して並々ならぬ思いがあります。そのため PC-FREEDOM のイメージカラーを黄色にしていたわけで、OS の名前にも、その思いが影響したわけです。

では、なぜコードネームが花の名前?

これもコダシマの思い入れで、コードネームをつけていますが、なぜ「花」なのか疑問に思われる方もおられるかと存じます。これにもコダシマの思いが詰まっています。

まず「花」という文字を見てみると、植物を表す「艹」(草冠)と「変化する」という意味を持つ「化」という漢字で作られています。植物がつぼみをつけ、花が咲き、種を生むという姿を変えていく一連の植物の姿を表現している文字と言われています。「花」は美しく華やかな様子を連想させることから、栄えていることや名誉なこと、価値があることなどの例えとしても使われます。

また「花」は美しく華やかなイメージがありますが、野花のように地味でも強くひたむきに育つ印象があります。どんな時でも強く美しく、気高い花には誰からも愛されることを連想するでしょう。大輪の花を咲かすまでの努力やどんな状況でも強く育つ姿も印象的な文字です。さらに花は散ったとしても種を作る事から、無限の可能性も秘めている象徴ともいえます。

このように大地にしっかり根を張り、葉を伸ばし、大輪の花を咲かせ、実を結び、種を生む様子は、コダシマが目指す姿と言えます。そのため、open.Yellow.os のコードネームは花の名前を選んでいるわけです。

このようなこだわりのもとで、メンバーの皆さんには開発に携わっていただいております。

open.Yellow.os freesia beta の特徴

ここからはリリースについてです。公式サイトのリリースノートも合わせてご覧いただければ幸いです。

推奨するハードウェア要件

推奨するハードウェアは以下のとおりです。

  • 2 GHz デュアルコアプロセッサ以上
  • 4 GB 以上のシステムメモリ
  • 25 GB 以上の HDD または SSD の空き容量
  • 1024×768 ピクセル以上のモニタ解像度
  • DVDドライブまたはUSBポート(インストールメディアとして使用)
  • インターネットアクセス(推奨)

open.Yellow.os のトピックス

今回の open.Yellow.os Freesia のトピックスは

  • Debian12 (bookworm) ベース
  • ファイルシステムを btrfs へ変更
  • TimeShift の追加
  • タブレット PC での使い勝手の向上

です。これらをひとつずつ紹介いたします。

Debian 12 bookworm 

ということで、基本システムは新しいカーネルを採用し、最新のソフトウェアとアプリケーションを提供する Debian 12 になりました。詳しくは Debian 12 のリリースノートも合わせてご覧ください。

btrfs

で、ファイルシステムです。

ざっくりファイルシステムについて説明すると、SSD などの記憶装置に保存されたデータを管理し、操作するために必要な機能です。もちろん Linux でもファイルシステムが使われており、代表的な ext4 をはじめ btrfs や XFS などがあります。この中から、open.Yellow.os では btrfs を採用しました。

Btrfs (B-tree file system) は、Linux 用のコピーオンライト (CoW: Copy-On-Write) ファイルシステムというものです。この、コピーオンライトとは、データをコピーする際に、変更が発生するまで物理的なコピーを行わない手法です。

具体的には、データのコピーが要求された時に、「ポインタ」と呼ばれるそのデータの参照のみをコピーし、元のデータは共有され続けます。変更が行われるときに初めて、データの実際の物理的なコピーが作成されるというものです。変更が少ない場合、データの重複を減らし、リソースを節約できるためとても有用です。

これらのメリットに注目し、耐障害性、修復、管理のしやすさに重点を置き、高度な機能を実装することを目的として btrfs を採用いたしました。

TimeShift

Timeshift は、Linux でシステム全体のバックアップを作成するためのアプリケーションです。

このツールは、システム全体のスナップショットを定期的に作成し、システムが破損または不安定になった場合にこれらのスナップショットを利用して元の状態に復元することができます。Windows の System Restore 機能や Mac OS の Time Machine ツールと似た機能といえば、イメージしやすいでしょうか。

たとえば、アップデート後に不具合が発生した場合などには、復元ポイントまでシステムを戻すことができます。ちなみに、さきほどの btrfs と、この TimeShift とを組み合わせると、短い時間で復元ポイントを作成することができるメリットがあります。

タブレット PC での使用

そしてタブレット PC ですが、対象となるコンピューターは x86_64 (amd64) アーキテクチャのプロセッサを搭載したものに限ります。ARM アーキテクチャは、非対応です。

タブレット PC での使用についても、いくつか調整を行い、使用感の向上に努めました。

open.Yellow.os では、これまで Atom の CPU は非推奨としてきました。特にデスクトップ OS として利用する際に、一部 Intel Atom プロセッサにて、正しく動作しない事象「表示がおかしい」「音が出ない」などの不具合を報告を頂いていたためです。原因の特定に至っていないため、開発リソースの都合もあり Atom CPU を非推奨としていました。ですが、一方で動作確認が取れたデバイスもあるため、お手元に Atom プロセッサを搭載したデバイスや、対象となるタブレット PC をお持ちの方は、ぜひお試しいただければと存じます。

公式サイトの情報も合わせてご確認いただければ幸いです。

ぜひぜひお試しいただいて、不具合を見つけていただければと存じます。

今回のまとめ

今回は、中古 PC の動作チェックと、 open.Yellow.os freesia beta のリリースに伴って、そのこだわりについて語ってみました。Linux を使ったことがないという方も、ぜひ一度お試しいただけたら嬉しいです。

ただし、今回のリリースはベータ版なので、不具合があることが前提です。ぜひ皆さまに使っていただき、開発メンバーが見つけられなかった不具合を見つけていただきたいと存じます。引き続き開発を続けてまいりますので、皆さまもいろいろとアイディアやご意見・不具合やリクエストなどをお聞かせください!!!

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