LineageOS という Android-x86 派生の軽量 OS が PC でも使えるらしいという情報を耳にしたので、早速試してみることにしました。
LineageOS とは?

Android モバイルプラットフォームをベースとして、さまざまなデバイス用に配布されている無料のオペレーティング・システム。
以前に存在した CyanogenMod からの派生となる。
- GitHub▶https://github.com/LineageOS
- Wikipedia▶https://ja.wikipedia.org/wiki/LineageOS
この LineageOS の PC 版が Android-x86 プロジェクトでサポートされるようになっていたので試してみることにしました。
Android-x86 の Web サイトに有るリンクから OSDN のダウンロードページに進むことができます。
- Android-x86▶https://osdn.net/projects/android-x86/
コチラから LineageOS の最新版をダウンロードしました。
先程も少し触れましたが、もともとが CyanogenMod だったためファイル名は “cm” から始まります。
SorceForge でも配布されていますが、最新版は OSDN で配布されているものになります。
ダウンロードしたイメージデータの書き込みには Etcher を使いました。
最新版の Etcher はダウンロードしたファイルだけでなく、URL からの書き込みやドライブの複製もできるようになっています。
Raspberry Pi Imager を意識しているように思うのはボクだけでしょうか?
X86プラットフォーム
- CPU: Intel / AMD(ABI要件: https://developer.android.com/ndk/guides/abis#x86)
- GPU: ほとんどの Intel / AMD / Nvidia チップ
- RAM: 2GB +
- DISK: 4GB +
ABI: Application Binary Interface について一言。
ソフトウェアの互換性をバイナリレベルで保証する仕様、またはインターフェイスのこと。
具体的には、命令体系が同じマイクロプロセッサや OS を搭載したコンピュータ同士で、アプリケーションソフトを書き換えなくても動作させることができるようになる。
Wikipedia ▶https://ja.wikipedia.org/wiki/Application_Binary_Interface
リンク先を見てみると「x86」や「arm」などを含めた、それぞれのアーキテクチャの特性が紹介されています。
開発する側だと意識するのかもしれませんが、使う側だとあんまり意識することがないところですね。
メリット・デメリット

メリット
- LineageOS に限らず Android-x86 は非常に軽量なため古い PC でも導入することができる。
- 次に、モバイル OS である Android を、デスクトップ OS としてマウスとキーボードで操作できる。というのもメリットかと思います。
- そして何より、豊富な Android のアプリを利用できるのがいちばんのメリット。
デメリット
- モバイル OS をマウスとキーボードで操作できるようになったのはいいのですが、もともとデスクトップ OS として開発されているものより、どうしても使い勝手が悪いというのが残念なところです。
- インストール時に表示言語を日本語にできるが、日本語入力については改めて設定が必要といのがちょっと面倒かなー。
- 一部動作しないアプリケーションがある。(ハードウェア環境に依存する?)
比較
Android のエミュレータもありますが OS として機能するものは、源流の Android-x86 と PrimeOS, PhoenixOS くらいかと思います。
Android-x86 と LineageOS はほぼ同じものかな?というほどよく似ています。
比べるのであれば PrimeOS との比較が妥当かな?と思います。

(PhoneixOS はまだ使ったことがないので、また別の機会に…)
PrimeOS は以前に紹介した事があるので、そちらも見てもらうと違いがより分かるかと思いますが、
LineageOS は PrimeOS に比べ、オリジナルの Android により近い印象を受けます。
オリジナルに近い環境を求めるのであれば LineageOS のほうが良いかと思います。
ですが、同じ環境下での比較でないため一概には言えませんが PrimeOS のほうがもっとデスクトップ OS っぽいように感じます。
また PrimeOS は、特にゲームを操作しやすくするためのツールが用意されているので、

ゲームをたくさんプレイする人であれば LineageOS よりも PrimeOS のほうが良いかもしれません。

参考
導入
インストールするマシンは富士通の FMV-C8230 です。
Qosmio は、光学ドライブの調子が悪く、光学ドライブから起動させることができなくなってしまったので Non-PAE のマシンではありませんが代わりの 32bit マシンです。
FMV-C8230
- CPU: Intel Celeron M 410 (1.46GHz)
- RAM: 2GB
- DISK: 80GB HDD

▶https://www.fmworld.net/biz/fmv/product/hard/blb0610/c8230/
で、先日 Twitter でもつぶやいたのですが、古い富士通のノート PC は サウンドデバイスの不具合がよく見られます。
先に言ってしまいますが、今回の LineageOS でも、音声が出ませんでした。
まとめ
という感じで、今回は Android-x86 派生の LineageOS を 32bit マシンにインストールしてみました。
今回のこの LineageOS は非常に軽量なため 32bit の古い PC でも導入することができました。
アプリによってはうまく動作しないものもありましたが、動画も視聴できますしオフィスソフトも使うことができました。
操作については、起動した際に選ぶインターフェイスで使い心地が変わって来ます。
「Taskbar」はデスクトップOSっぽいレイアウトになります。

「Trebuchet」は、オリジナルの Android っぽいレイアウトで操作できるようになります。

いずれにしろマウスとキーボードで操作できます。

日本語環境も、表示自体はすぐに設定できますが、入力については改めて設定が必要といのがちょっと面倒ですね。
しかもキーボード入力の切替もちょっと面倒でした。
あと Android の豊富なアプリ群を使えるのはありがたいですが、一部動作しないアプリケーションがあるのは残念です。
ですがこれはハードウェア環境に依存している可能性があるので仕方ないかもしれませんね。
使いみちとしては、相当軽いOSなので、もうどうにも使いみちがなくなったマシンにインストールして遊ぶくらいかと思います。
が、Google アカウントのリソースを活用できる強みを活かして、予備端末として使ってみるのも良いかもしれませんね。
今回の LineageOS を使って、廃棄寸前のPCをちょっとだけ延命させてみてはいかがでしょうか?