まだまだ、暑い日が続いていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
暑いと言えば、ミニ PC の市場も熱気に包まれています!
皆さま、Intel の NUC(Next Unit of Computing)というものをご存知でしょうか?
2012 年に Intel が発表した、いわゆるミニPCと言われる規格のコンピュータなのですが、実は今年 7 月に Intel が製造・販売の終了を発表したこの NUC。しかし、皮肉にもその互換機とも言える各社の Mini PC は、現在 Amazon などのオンラインショップを始め、PC の市場全体で非常に高い人気を集めています。
実に多種多様なミニ PC が注目を浴びており、2 万円以下の手軽なものから、10 万円を越えるハイスペックなものまで、選択肢は驚くほど豊富です。
しかし、これだけのバリエーションがあると、逆にどれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。特に、性能と価格のバランスを求めるのは容易ではありません。
そんな中、あなたの答えとなるかもしれないミニ PC が、今回紹介する GEEKOM Mini IT11 です。
Intel Core i7-11390H を搭載し、高性能でありながらも手頃な価格で提供されています。GEEKOM という耳馴染みのないメーカーかもしれませんが、その実力で市場に新風を吹き込んでいます。
ではさっそく、届いた GEEKOM Mini IT11 の真価を、一緒に確かめてみましょう。
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GEEKOM Mini IT11 の開封
まず、製品を開封する前にちょっとだけ GEEKOM について調べてみました。
2003 年 9 月、台湾で Kom de Olde 氏によって GEEKOM が設立されました。彼のビジョンは「誰もが情熱を追求すべき会社」を作ることで、そのために志を同じくするプロフェッショナルたちを集めました。現在、GEEKOM はインテルやキングストンなどの有名グローバルブランドとのパートナーシップを結んでいます。
ちなみにブランド名「GEEKOM」は、二つの要素から成り立っています。”GEEK” は技術への情熱と探究心を意味し、”KOM” は創業者である Kom de Olde 氏の名前から取られています。
…コンピュータオタクのコムさんって感じですかね?コダシマにはすごく、すごく刺さる名前です。好きです。
それでは、GEEKOM Mini IT11の開封の儀を始めます!
外箱は、ちょっと前の Intel プロセッサの箱のデザインみたいですね。
今回のモデルはご厚意により最もハイエンドなモデルをご提供いただきました。
技適もOKですね。
箱の裏には「WE LOVE, WE PURSUE」の文字。
なんですかね?愛するものを追求するってことですかね?
まずは、本体のデザイン。
NUC の互換機とも言うべきデザインの Mini PC です。コンパクトながらもしっかりとした作りです。
カードが入ってました。
そして、こちらが付属品のセット。
まず、これは HDMIケーブルですね。
次は電源アダプター用のケーブル。アース付きの三極プラグですね。ここはちょっと注意しないといけません。
んで、電源アダプター。
そして、VESA マウンターとユーザーガイドです。
ユーザーガイドは図解されているので、初めてのミニ PC ユーザーでも、これを見れば簡単にセットアップができるでしょう。
VESA マウンターは Mini PC をモニターの裏に取り付けて、スペースを節約することができますね。
以上が、箱の中身です。
ではさっそく、この Mini PC の実際の性能をテストしてみたいと思います。
GEEKOM Mini IT11 の主な特徴
GEEKOM Mini IT11の真の魅力、それはその圧倒的なパワーにあります。その主な特徴をハイライトしていきましょう。
まず、心臓部とも言えるプロセッサー。搭載されているのは、11世代 の Intel® Core™ i7-11390H。
CPU | 11th Gen Intel® Core™ i7-11390H (4 Cores, 8 Threads, 12M Cache, up to 5.00 GHz) |
ミニ PC のサイズにするため、ノート PC 向けのプロセッサーを採用しています。が、ノート PC 向けのプロセッサーの中では最も高いパフォーマンスを誇る H シリーズです。
これにより、驚異的なスピードと効率性を実現しています。
グラフィックスに関しても、Intel® Iris® Xe を搭載。統合グラフィックスではありますが、高度なビジュアルを提供するため、鮮明で滑らかな映像体験が可能となります。
GPU | Intel® Iris® Xe graphics |
そして、この多機能ポート。USB-3 が前面に1つと背面に2つ、USB-4 が前面と背面に1つずつ、HDMI と、そしてなんと Mini DisplayPort、おまけに SD カードスロットまである豊富さです。あらゆるデバイスとの接続が容易になっています。
インターフェース | 3 x USB 3.2 Gen 2 ports, 2 x USB4 ports, 1 x SD card reader, 1 x 3.5 mm headphone jack, 1 x RJ45 Gigabit Ethernet port, 1 x HDMI 2.0 port, 1 x Mini DisplayPort, 1 x DC jack, 1 x Power button |
OS には、最新の Windows 11 Pro がプリインストールされています。
OS | Windows 11 Pro |
そして、8K UHD ディスプレイ対応。これにより、驚異的な解像度での映像体験が可能となります。
しかも USB-4 が2つと、HDMI、 Mini DisplayPort を全て使えば、最大4画面表示できます。
モデル | GEEKOM Mini IT11 |
サイズ | 117 x 112 x 45.6 mm |
重さ | 564.9 g |
CPU | 11th Gen Intel® Core™ i7-11390H (4 Cores, 8 Threads, 12M Cache, up to 5.00 GHz) |
GPU | Intel® Iris® Xe graphics |
メモリ | 16G Dual-channel DDR4 SODIMM (expandable up to 64GB) |
ストレージ | 1TB 2280 M.2 PCIe SSD (expanded up to 2TB) |
OS | Windows 11 Pro |
ワイヤレス | Intel® Wi-Fi 6, Bluetooth® v5.2 |
電源アダプタ | Automatic Voltage adjustment between 100 and 240V AC, 50/60Hz, 3 pin, 65 Watts (19V/3.42A),1.5 meters in length |
インターフェース | 3 x USB 3.2 Gen 2 ports, 2 x USB4 ports, 1 x SD card reader, 1 x 3.5 mm headphone jack, 1 x RJ45 Gigabit Ethernet port, 1 x HDMI 2.0 port, 1 x Mini DisplayPort, 1 x DC jack, 1 x Power button |
同梱品 | 1 x VESA Mount, 1 x Power Adapter, 1 x Storage Bag, 1 x HDMI Cable, 1 x User Guide, 1 x Thank You Card |
GEEKOM Mini IT11 はパワフルな性能と豊富なインターフェースが、そのコンパクトなボディーにぎっしり搭載されています。
4. 実際の使用感
サクッと初期設定を済ませて、いちばん気になっていたパフォーマンスをチェックします。
と、いきたかったのですが、初期設定の際に HDMI 接続がいまいち反応してくれませんでした。
モニターに原因があるのか、ケーブルの問題があるのか…それとも PC なのか…
原因はイマイチどこにあるかわかりませんが、この Mini IT 11 には他にも映像出力ができる Type-C の USB-4 ポートが2つもあるので、そちらの接続に切り替えました。
ベンチマークテストしてみた
何れにせよ、Geekbench と Cinebench、ドラクエベンチマークテストと FF XV でベンチマークテストをやってみました。
まずは Geekbench (https://browser.geekbench.com/v6/cpu/2236755) でのテスト。
シングルコアで 2068、マルチコアで 5925 と、コダシマ家最高スコア!マルチでもトップクラスのスコアを叩き出しました。
Cinebench では、マルチスコアで 5224、シングルスコアで 1539 と、これまたなかなかのスコア。
マルチコアのスコアは、先日までメインで使っていたデスクトップ PC に積んでいた Core i5-9400F より少し低いくらいのスコアでしたが、やっぱりシングルが強かったですね。
シングルだと今メインで使っている AMD Ryzen 5 5600G よりもスコアが高いです。
これだけのスコアを見せられたのでドラクエベンチマークテストでは、画質を高めて見ました。
iRIS Xe ってなかなかの性能ですね。
FF XV での計測はちょっと渋かったです。もともと FF のは要件高めですからね。
でも画質と解像度を低くすると「普通」になりました。
内蔵 GPU でこれだけって、なかなかですね。そりゃ、同じプロセッサを搭載したノート PC が10万円とかしちゃうのが理解できました。
拡張性もチェックしてみた
さてさて、このミニ PC、パフォーマンス以外にも拡張性の高さも売りの一つです。
説明書では、この裏のビスを緩めると良いらしいのですが…。動画では、天板を外してみたりあれこれやってみてます。
結局は底面を引き出す際に、思ったより力任せなところがあり、ちょっと引っ張り出すのに勇気が入りました。
この、リボンは…、なるほどこれに SATA SSD を増設できるわけですね。
あとは、こちらがメモリと M.2 SSD です。
じゃぁ、これを 以前 Ubuntu 22.04 をインストールしていた別の SSD に差し替えてみます。
ここらへんの取り扱いについては賛否が分かれそうです。
難しすぎるわけじゃないですが、簡単すぎるわけでもないです。
先程外した天板の下を見る限り、もう少しバラせそうな気配がしますが、今回は OS をストレージごと交換するのが目的なので、バラし切るのは気が向いたらやってみます。
いずれにせよ、組み立て直して電源を入れると、すんなり起動しました。
Wi-Fi とかも全く問題ありません。アプリの起動も速いです。Snap のアプリケーションは Flatpak よりも起動がおそいのですが、プロセッサとストレージの恩恵によって、これだけ速いとストレスを感じないです。
では Ubuntu でも Geekbench を走らせてみましょう。
表示が N/A になってしまいましたが、高いスコアが出ました
他の Linux もインストールしてみます。
この PC の BIOS 画面を呼び出すのは Delete キーでした。
USB メモリから起動させて、open.Yellow.os をインストールしてみました。
起動途中で画面が消えてしまったのですが、PC とケーブルとの相性が悪かったんですかね?
でも、解像度が自動認識されませんでした。…バグかな?
ちょっとメモって置きます。
はぁ~、やっぱりこれだけ高いパフォーマンスの PC だとサクサクですねぇ。
ってことで、Steam でゲームしたら良さげかと思い、Steam をインストールしてみました。
ゲームしてみた
Steam 自体は問題なくインストールできましたが、肝心のゲームが起動できません。
そう言えばデスクトップにアイコンも表示できてないし…、アプリ一覧にも姿が見えません。
でも Steam でみてみると、たしかにインストールは終わっています。
もしかして、これも OS 側の不具合かな…
ってことで次は、open.Yellow.os の次期ベースになる Debian 12 bookwarm をインストール。
Steam も無事にインストールでき、とりあえず Street Fighter V をインストールしてプレイ。
ちょっと動くか不安になりましたが、無事に起動しました。
もしかしたら、バックグラウンドでの処理とかで起動しないように見えてたんですかね?
とりあえずその辺の検証は後回しにして、ゲームしてみましょう。
全く問題なくプレイできます。
うん。下手なデスクトップ PC を買うよりも、コンパクトで置き場所に困らない上、これだけのパワーを持っているのであれば、大概の用途で問題はないですね。
「でも 11 世代でしょ」とか言い出す方もおられるかもしれませんが、ハードな 3D アニメーションの作成とか、長編ビデオのエンコードとか、大規模なプログラムのコンパイルとか、いずれにせよメチャクチャな演算とかさせない限り、まだまだじゅうぶん現役なプロセッサです。
しかも、ノート PC 向けプロセッサなので消費エネルギーを示す TDP も 35W と低めなのもありがたいです。
GEEKOM Mini IT11 はコンパクトながらも高いパフォーマンスを持つ優れたミニ PC と言えるでしょう。日常の作業からゲーム、そして専門的なタスクまで、幅広い用途に対応するこのマシンは、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となることでしょう。
市場での比較
ほんと、ミニ PC もどんどん高性能になっていきますね。
まぁ、ミニ PC だけに限らず、PC を選ぶ際に一番大切なのは「性能と価格のバランス」だとコダシマは考えます。
高性能であればあるほど、当然価格も高くなりがちですが、必要な性能を持ちつつ、手頃な価格で提供される PC を見つけるのが鍵です。
実際、比較的最近の技術を搭載しながらも、予算内で購入できるモデルが増えてきています。これによって、ユーザーは自分のニーズに合わせて、最適な PC を選ぶことができるようになりました。
なので、PC 選びは、ただ高性能なものを選ぶのではなく、自分の用途に合った性能と、それに見合った価格のバランスを見極めることが大切だと思うわけです。
今回のこの GEEKOM Mini IT11 は、その絶妙なバランスの PC だと言えます。
特に、ミニ PC の市場で見ると、概ね中堅クラスの価格帯に位置しています。
11世代 Intel® Core™ i7-11390H プロセッサと、Intel® Iris® Xe グラフィックスを搭載しているため、パフォーマンスはトップクラス。少し前の世代のプロセッサですが、逆にそれが比較的セール対象になりやすい製品とも言えます。
多機能ポートや 8K UHD ディスプレイ対応などの汎用性も考慮すると、GEEKOM Mini IT11 は、性能と価格のバランスが非常に良い、コストパフォーマンスが高い1台と言えるでしょう。
GEEKOM Mini IT11 のまとめ
さて、今回の GEEKOM Mini IT11 はいかがでしたでしょうか?
最後に、このミニ PC のメリット、デメリットをまとめていきます。
メリット
- 11 世代 Intel® Core™ i7-11390H プロセッサによる高い性能
- Intel® Iris® Xe グラフィックスによる鮮明な映像体験
- 多機能ポートでの多彩な接続オプション
- 8K UHD ディスプレイ対応
- コストパフォーマンスの高さ
デメリット
- 一部のユーザーにはオーバースペックに感じられる可能性
- コンパクトなサイズのため、カスタマイズが限られる
- アース付きプラグのため、場合によってはアダプタが必要
以上が考えられます。
ご購入を検討されている方への参考として、実際に使ってみると、このミニ PC は特にゲームや動画編集、高解像度の映像体験を求める方におすすめです。オフィスワークや日常のウェブブラウジングだけであれば、もう少し低スペックのモデルでも十分だと思いますが、実売価格7万円前後(セール時には5万円台前半まで割引)のこの価格で、メイン PC としても使用できるパワーを持つ GEEKOM Mini IT11 は非常に魅力的なのは確かです。
動画概要欄に、関連情報のリンクや Amazon リンクを貼っておきますので、PC の買い替えや、手頃なサブ PC をお探しの方は、GEEKOM Mini IT11 を是非チェックしてみてください。