人気の高い定番のディストリビューションで、初心者にも優しい Ubuntu の長期サポート (LTS: Long Term Support) 16.4 の最新版となる 16.04.6 が2018年2月28日にリリースされた。
Ubuntu 16.04 とは?
ご存知のかたも多いだろうが、知らない人のためにざっくり説明すると、Ubuntu では定期的なリリースが行われており、リリースにはサポート期間の違う通常版とLTS 版がある。
通常版のサポート期間はリリースから9ヶ月のため、6~9ヶ月ごとにバージョンアップしなければならないが、新しい機能を望むユーザーに向いている。
一方の LTS 版は、2年間隔でリリースされサポート期間も長いため安定を望むユーザーに向いている。
ちなみに、LTS 版のサポート期間はリリースから5年であったが 18.04 LTS から延長され10年になった。
今回の変更点は?
今回のリリースは一つ前の 16.04 のマイナーアップデートとなる。
Ubuntu 16.04 は2021年まで継続してサポートされる長期サポートリリース。
主にセキュリティを対象としたリリースとなり、最近発見された APT の脆弱性の修正、安定性と互換性の維持、バグ修正に重点が置かれている。
▼より詳しい情報は▼
Website → https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-announce/2019-February/000239.html
ちなみに今回も 18.04.2 のとき同様、以下の公式フレーバーもアップデートされた。
- Kubuntu
- Lubuntu
- Ubuntu MATE
- Ubuntu Kylin
- Xubuntu
Ubuntu の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: x86_64, ARM
- デスクトップ環境: GNOME, Unity
- パッケージ形式: DEB
- パッケージ管理: dpkg
- アップデート: APT
主なソフトウェア
- ブラウザ: Firefox
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- マルチメディア: ビデオ
プリインストールされているソフトウェアは必要最低限しかインストールされていないが、リポジトリ(データの貯蔵庫)には、非常にたくさんのソフトウェアが用意されている。
ソフトウェアを追加する場合には「 Ubuntu ソフトウェア」を使う。
Ubuntu をインストールするのに推奨のスペックは?
- CPU: 2 GHz デュアルコアプロセッサ以上
- RAM: 2 GB 以上
- DISK: 25 GB 以上の空き領域
- モニタ: 1024 × 768 以上の解像度
▼より詳しい情報は▼
Website → https://www.ubuntu.com/
個人的な意見ですが、
Ubuntu 14.04 LTS のサポートが2019年4月で切れてしまう。
Web サイトでもその告知が盛んになっている。
特に 18.04 については、サポート期間が10年に延長されたため、プロジェクトでも 18.04 への移行を勧めている。
その中で 16.04 のマイナーアップデートは、デスクトップユーザーというよりは、開発関係者への恩恵が多いと思われる。
というのも、14.04 のリリースの際にはマルチタッチへの対応や高精細ディスプレイへの対応と、見た目でわかるわかりやすい変化だったのに比べ、この 16.04 では汎用のプログラミング言語である Python (パイソン)3.x への完全移行、パッケージ管理システムの一つである Snappy (スナッピー)の導入と、開発者でなければあまり関わることのできにくい部分での変化だった。
しかしこれにより、使い勝手や環境が大きく変化したのは事実。
そんな経緯からか 16.04 は、まだまだ根強いユーザーが多いバージョンともいえる。
またサーバーなどで使われている場合には、OS のアップデートには多大な時間と費用がかかるため、これもやはり一筋縄ではいかない。
18.04 からサポート期間が10年に延長されたのは、そういった理由も含まれているのかな?
いずれにしろ、Ubuntu は非常に精力的に開発を行っているので人気が高いのもうなづけるディストロだ。
▼より詳しい情報は▼
Website → https://www.ubuntu.com/