ポーランドと聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
2018年に開催されたサッカーW杯で日本が決勝トーナメント進出をかけて戦った対戦国?
ショパンの生まれた国?
僕はそれくらいの知識しかありませんが、今回紹介する SparkyLinux はそのポーランドで開発された Linux ディストリビューションです。
SparkyLinux とは?
SparkyLinux はデスクトップ指向の軽量 Linux ディストリビューション。
Debian ベースで安定版 (Stable) とローリング版 (Rolling) 、開発版 (Development) の3つの異なる開発ブランチと複数のエディションがある。
デフォルトのデスクトップ環境として LXDE が採用されており、ウィンドウシステムに高機能の Enlightenment が使われているほか、各バージョンそれぞれでいろいろなデスクトップ環境が用意されている。
コミュニティ版で KDE を採用してものもあるが、基本的には LXDE をはじめとして Openbox や Xfce などいずれも軽量なデスクトップ環境とウィンドウシステムの組み合わせが用意されている。
安定版は内容が少し古めになるけれども、名前の通りバージョンの中でいちばん安定している。
今回のリリースは、この安定版のもの。
今回のアップデートでは、安定版のカーネルのアップデートのほか、タッチパネル用のツールや通知機能、さらに開発国ポーランドの美しい壁紙が追加された。
というのも今年ポーランドは独立100周年の記念の年。
ポーランドの歴史を知るためのブックマークも多数追加されている。
この機会にポーランドのことを、より詳しく知るのもよいだろう。
ちなみに、ローリングリリース版は Debian の Testing ブランチをベースに開発され、多少安定性は落ちるものの最新の環境を提供しているのがうれしい。
またこのローリングリリース版にはスペシャル・エディションも用意されており、オープンソースのゲームとそれに関わる多数のアプリケーションをパッケージングした GameOver 、グラフィックやオーディオ、ビデオや HTML などの作成・編集をするためのアプリケーションをパッケージングされた Multimedia 、壊れた OS の回復を目的としたアプリケーションをパッケージしたライブ起動専用の Rescue 、さらにグラフィカルなデスクトップ環境を持たない、最高に軽量なコマンドライン専用の CLI (Comand Line Interface) もある。
SparkyLinux の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: i686, x86_64
- デスクトップ環境: KDE Plasma, LXDE, LXQt, MATE, Openbox, Xfce
- パッケージ管理: dpkg (APT)
SparkyLinux をインストールするのに必要なスペックは?
基本的にはプロセッサが i686 か x86_64 (amd64) だけれども、選ぶバージョンによって必要なスペックが少し異なる。
いちばんの低スペックはやっぱり CLI だけれども、僕のような初心者はやっぱりグラフィカルがいい。
グラフィカルなデスクトップ環境をもつバージョンは安定版 LXDE 、ローリング版 LXQt 、Minimal GUI の Openbox と、どれも軽量。
これら GUI 環境を持つバージョンのうちもっとも軽量な Minimal GUI に必要なスペックは以下の通り。
- CPU: i686, x86_64 (amd64) プロセッサ
- RAM: 256 MB
- ストレージ: 10 GB
GameOver や Multimedia も、同等なスペックでも動作するが、ストレージに関して、やっぱりバージョンによって異なる。
スタンダードなホームエディションは 10 GB 、 GameOver や Multimedia は 20 GB が推奨される。
また、各デスクトップ環境ごとに必要な RAM のサイズは以下の通り。
- 512 MB … MATE, Xfce
- 1.0 GB … KDE
メモリに余裕があるのであれば上記のデスクトップ環境を選ぶと良い。
おまけにホントに軽量な CLI は RAM 128 MB 、ストレージ 2 GB という軽量ぶり。
いずれのバージョンでも 512 MB 以上のスワップパーテションが必要とのことだが、今の世の中なら問題はないと思われる。
主なアプリケーション (ホームエディション)
- ブラウザ: Firefox
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- マルチメディア: VLC メディアプレイヤー
各エディションで追加されているアプリが異なる。
スペシャルエディションには関連するアプリが、まさに山のように入っていて驚く。
個人的な意見ですが、
SparkyLinux には右クリックに夢 (?) が詰まっているのだけれども、僕はなかなか使い慣れない。
無印のバージョンは Windows ライクな使い勝手のため、メニューボタンの位置にはメニューボタンがある。
なぜこんな言い方をするかというと、Minimal GUI ・ GameOver ・ Multimedia の3つのバージョンはメニューボタンの位置にはランチャーがあり、全部のアプリケーションが画面いっぱいに表示される。
慣れたら便利な気もするが、使う機会も少ないこともあり一向に慣れる気配もない。
Windows や、それに使い方を寄せているディストロばかりつかっている人間にとっては、慣れが必要だ。
でも、無印であればその必要もないので、どうしても右クリックメニューに馴染めない僕のようなユーザーであれば無印をオススメする。
しかし、いずれにしろ軽量なので古いマシンを再活用するのにちょうど良い。
しかも天下の Debian 系なので、日本語環境を整えるのも最近では表示だけでなく、入力環境を整えるのも自動的にやってくれる。
また今回のバージョンは、他のディストリビューションにはあまり見られない(時々はあるけれどね)開発国の色を前面に出したもの。
このポーランド独立100周年の記念に SparkyLinux 触れ、同時にポーランドについて知ってみるのも面白いと思う。
SparkyLinux → https://sparkylinux.org/