Microsoft Windows にクローンが存在することを、あなたはご存知だろうか?

ReactOS の開発者である Colin Finck は、2018年11月6日バージョン 0.4.10 のリリースを発表した。

ReactOS とは?

ReactOS は Microsoft Windows NT系(2000以降)とアプリケーションおよびドライバにおけるバイナリ互換を目指すオープンソース OS 。

早い話が Windows NT のクローンなのだ。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

Linux とかのフリー OS で Windows のソフトウェアを走らせる Wine プロジェクトとも提携しているが、Linux ベースのシステムではないため、UNIX アーキテクチャは共有していない。

完全に独立したフリー OS と言うことになる。

このプロジェクトは1996年頃から開始した FreeWin95 と言うプロジェクトがもとになっていて、 ReactOS プロジェクトになったのは1998年。

市販の OS である Windows のクローンを作っているために、法的な面とリバースエンジニアリングの面で大規模なソースコード監査が行われているとのこと。

こういったところは「大人の事情」がちらほらする。

Windows のクローン ということもあってか、基本的な操作は GUI 。

見た目も Windows のクラシックスタイルによく似ていて、古い Windows を使ったことのある人であれば、操作に関して困ることはない。

また Windows の基本機能のひとつでもあるデスクトップ環境の Windows Explorer も、ReactOS Explorer として用意されている。

標準で付属するアプリケーションも、メモ帳やワードパッド、ペイントやソリティアといったところまで似せてある。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

一応、インストールの際に日本語を選択すると日本語表示できるが、シフトJISを扱うソフトウェアに対応していなかったり、行の折り返しができないなど細かな不備が多く、実用性にかける面も見受けられる。

そうはいっても Windows のクローンという、しかもフリー OS という何とも興味をそそる OS であるのには間違いない。

ReactOS の究極の開発目標は、これまで慣れ親しんでいたソフトウェアを変更することなく、Windows の代わりに使うことができるようにする、本当の意味での Windows の代替え OS なのだ。

今回のリリースでは、全体的なフロントエンドと安定性の向上が図られた。

 

ReactOS をインストールするのに必要なスペック

  • CPU: Pentium 以上
  • RAM: 96 MB 以上 (256 MB 推奨)
  • ストレージ: 650 MB 以上 (5 GB 推奨)
  • 解像度: 640 × 480 (VGA) 以上

クローン元が Windows 2000 以降の NT 系って、まぁ Windows XP だよね。

スペック的に XP が動作していたパソコンであれば使うことができるようだ。

 

主なアプリケーション

  • ブラウザ: Firefox
  • メール: Thunderbird
  • グラフィック: GIMP, Inkscape
  • オフィス: LibreOffice
  • マルチメディア: VLC

オープンソースの定番が用意されているので、普段使いもできそう。

プロジェクトサイトでは Excel や Photoshop などのアプリケーションの起動テストもしているようだが、どうも古いバージョンしか対応してなさそう。

最近のバージョンについての情報が乏しい。

 

VirtualBox でテストしてみた。

今回のリリースを知る前に、 前のバージョンである 0.4.9 を VirtualBox にインストールして使ってみていた。

ブルースクリーンがコンピュータっぽさを感じる。

基本の言語設定はもちろん英語。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

セットアップ画面で日本語を選ぶこともできる。

日本語は「J」から始まるので結構下に行かないと出てこないが、ちゃんと「Japanese」もある。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

日本語を選択すると「半角カナ」表示になるため、何だかアルファベットの時よりしょぼい印象を受けるのは僕だけかな?

インストール自体に難しく感じる部分はなく、指示通りに進めていけばインストールできる。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

実際の設定は OS が起動してから。

Linux に触れ過ぎて、インストールの時に設定しないのが変な感じになってきた。

とはいっても、OS の設定といえば言語やキーボード、タイムゾーンや管理者やユーザーの設定がほとんどで、デバイスなどの設定は OS 自体がやってくれる。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

ユーザーインターフェイスの ReactOS Explorer (これも Windows Explore のクローン) は、見れば見るほど Windows だね。

古さは感じてしまうが、とてもよくできていると思う。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

よくよく Windows XP に似せてあるのがよくわかる。

スタートメニューやインターフェイスなどは、Windows XP そのままと言って良い。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

またまた登場のフリーセル。

本当によく似せてある。

ReactOS 0.4.10 がリリースされたので、

色々な Windows 専用ソフトが動作するようだけれど、日本語環境などあとはどれだけ実用性があるかだね。

 

個人的な意見ですが、

前のバージョンの話なので少し差異があるかもしれないけれど、日本語でインストールしてみたが、フリーソフトウェアだけであれば現段階でも言うほど不具合を感じなかった。

見た目は古い Windows そのものといった感じだが、パッケージ管理などの使い勝手は Linux などのフリー OS を思わせる。

でもこれは、フリー OS 経験者からの視点であって、Windows だけ使っていたユーザーにはそうは感じないかもしれないレベル。

Google Chrome のインストールを試してみたが、今回は失敗。

原因の特定はしていないけれども、コードとかそんな感じの技術的な難しそうな匂いがしてならない。

やっぱり、他のソフトウェアも最新版は NG なのかな?

とりあえずブラウザに関しては Firefox もあるし Opera もあるので今のところはスルーしておく。

他のソフトウェアやフォントのテストもまだまだなので、本当に Windows XP の代わりになるかどうかわからないものの、色々なドライバや、セキュリティ的なところとかも色々と試してみたいことがたくさんある。

バージョンが0.4.10(2018年11月現在)ということで、まだまだ未熟な部分が多い OS ではありますが、Winodws のクローンという何とも魅力的なポジション。

どんどん開発が進んでいくのが楽しみな OS 。

ReactOS → http://www.reactos.org/