南アフリカで開発されている Linux ディストリビューション(以降、ディストロ)の MakuluLinux が、15 シリーズの最新ビルドを 2019 年 1 月 27 日に発表した。
MakuluLinux とは?
MakuluLinux の発音は Ma-Coo-Loo (マクールー) とサイトにもあり、ズールー語で「権限の図」という意味らしい。
じっくり時間をかけて開発され、開発のタイムラインやロードマップがないためアルファ版やベータ版などのビルドが存在しない。
ふだん使いを目的とし、安定性と見た目の美しさ、使いやすさに重点を置いて開発されたディストロ。
メインリポジトリは MakuluLinux 独自のものが用意されており、セカンダリリポジトリには Debian のテストブランチが用意されている。
馴染みのないディストロだけれども Debian の豊富なソフトウェア群が利用できる。
MakuluLinu には以下の3種類のバージョンが用意されている。
Core
今回、新しいビルドがリリースされたのが、この Core 。
詳細は以下の通り。
- ベース:Makulu 15シリーズDebianベース。
- リリースのサポートをローリング:はい
- デスクトップ環境のXfceからフォークコア。
- カーネル:4.19.xx.
- アーキテクチャ:64 – 。
- ホットコーナーのサポート:はい。
- メニュー選択:デュアル・メニュー、ホットコーナーがトリガされます。
- ドック:デュアルドックに基づきます。
- ジェスチャー:マウスジェスチャーシステムを駆動。
- 3Dサポート:Compizの&エメラルドシステムに内蔵されます。
- ドライバのサポート:箱から出し巨大なドライバーのサポート。
- RAM要件は:1GB以上を推奨します。
- スペース要件:推奨10Gbのストレージ
Flash
- ベース:Makulu 15シリーズDebianベース。
- デスクトップ環境のXfce。
- カーネル:4.18.xx.
- アーキテクチャ:64 –
- ホットコーナーのサポート:はい。
- メニュー選択:トリプルメニュー。
- 壁紙の数:39美しい壁紙
- テーマ数:24のバラエティ色のテーマ。
- アイコンセット:10個のバラエティ色のアイコンセット。
- ドライバのサポート:箱から出し巨大なドライバーのサポート。
- RAM要件は:1GB以上を推奨します。
- スペース要件:推奨10Gbのストレージ
LinDoz
- ベース:Makulu 15シリーズDebianベース
- デスクトップ環境:Cinnamon
- カーネル:4.18.xx
- アーキテクチャ:64 –
- 必要なディスク容量:10GB以上の推奨
- 必要なRAM:2GB以上推奨で
いずれのバージョンも、ライブ環境下でのユーザー名とパスワードが用意されている。
- ユーザ名: makulu
- パスワード: makulu
それぞれのバージョンの違いは、文字の上ではよくわからないが、実際には見た目がずいぶん違う。
機会があれば、動画でも紹介したいと思う。
MakuluLinux の概要(Core)
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: Xfce
- パッケージ管理: APT, dpkg
主なアプリケーション
- ブラウザ: Google Chrome, Opera
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: GIMP, My Paint
- ミュージック: Rythmbox
- マルチメディア: VLC メディアプレイヤー
MakuluLinux をインストールするのに必要なスペックは?
- CPU: x86_64
- RAM: 1 GB 以上
- DISK: 10 GB 以上
Website → http://www.makululinux.com/wp/
個人的な意見ですが、
いつものように VirtualBox へインストールしてチェックしてみた。
安定性と見た目の美しさに重点を置いているディストロということだが、特に見た目が印象的で「なんだか派手だなぁ」というのが第一印象。
というのも、まずマウスポインタが SF 映画を思い出させるようなデザイン。
ライブ環境で起動させると、テーマの設定がいちばんに現れる。
色も変えられる。
たくさんの壁紙が用意されており、起動させるたびにランダムで変わったりする。
今回リリースされた Core では、macOS 風のパネルを再現する Plank が使われていている。
また Ubuntu や MX Linux など、多くのディストロが左側にパネルを配置しているが、この MakuluLinux はパネルを右に配置しているのも特徴的だ。
ライブ環境では、プリインストールされているアプリケーションがだいぶ絞られ、主だったものはブラウザ(しかも Opera )とメディアプレイヤー(定番の VLC )程度で、オフィスやグラフィック関連のアプリはない。
まぁ、ライブ環境のままで使うアプリでないのでなくても問題は感じない。
そのせいもあってか、インストールには結構時間がかかる。
インストール前にミラーサイトの場所を確認されるが、この選択を間違えるとインストールに1時間以上もかかってしまう。
まずは下から2番目に表示されている (reccomended)の文字がある「Set Your Download Server Location」を選択し、ミラーサイトを選択してから改めて環境を選ぶ。
何もせずに「Home Environment」を選んだが、上記の通りインストールに1時間以上かかってしまった。
インストールが始まると Manjaro などで使われている Calamares が起動する。
ちなみにカバは MakuluLinux のマスコットキャラらしい。
南アフリカで開発されてはいるものの、ベースが Debian ということもあり東アジア圏の言語は網羅されており、もちろん日本語にも対応している。
日本語対応のおかげでインストールは Linux 初心者でも簡単にできる。
ここはさすが Debian ベースと言いたいところだけれども、概ね日本語化はされているものの、知りたいところが英語のままだったりするのはチョット残念。
実際に触れてみて、確かにふだん使い用の Linux だと感じた。
Linux なので、もちろんサーバーを立てたりすることもできるが、サーバーには、こんなにたくさんのエフェクトやテーマなんていらないもんね。
Debian + Xfce のディストロなので使い勝手は悪くないので、個人的には初めての Linux として選ぶより、2番目〜3番目くらいに触るとちょうどいいかな?という印象のディストロ。
南アフリカの MakuluLinux 、お試しあれ!
Website → http://www.makululinux.com/wp/