2017年6月5〜9日に開催されたAppleの開発者向けのイベントWWDC 17では、ハードウェアとソフトウェアの両方の発表があったのだが、iOS、macOSともに新しい発表があった。
iOS 11 + iPad Pro の劇的進化
特に目を引いたのが、iOS 11 の進化。
特にiPad Proとの親和性が高くなった印象です。
マップ、コントロールセンター、通知センター、Siriのアップデートとたくさんの改善・改良が進んだようです。でも、いちばん筆者が興味を惹かれたのはiPadに追加された(残念ながらiPhoneにはない追加)新しい「ドック」。
まるでmacOSのドックのようになっているではありませんか!
たとえばドックに複数のアプリを入れて、他のアプリを開きながら別のアプリにもアクセスできたりといった機能が追加されます。
またドックの端には、ユーザーの動きから判断して次に必要になりそうなアプリが表示されます。
iPadのアプリスイッチャーはmacOSのようになっていて、スプリットビューにあるアプリの間でクリップボードの中身や画像、ファイルと言ったものをやりとりできるようになります。
iPad Pro といえば Apple Pencil
また、iPad Pro といえば Apple Pencilですが、今回のアップデートではこのApple PencilをメールやSafari、スクリーンショットやメモといったスタンダードなアプリでも、ちょっとしたメモを書き込むのに使えるようになるのです。
さらにメモアプリでは、機械学習を使って手書きのメモを読み取ってインデックス化し、検索や編集可能な文書としてのコピー&ペーストを可能にしています。
さらにさらに、iPadのカメラを簡易なスキャナとして使うこともできるようになり、キャプチャした文書を自動できれいに変換してくれます。
筆者もiPad Pro(12インチ)とApple Pencilの組み合わせで使っていますが、正直なところiPad Proのポテンシャルを活かし切れた使い方ができているとは思っていませんでした。
しかし、今回のiOSのアップデートをみる限りでは、より自由度が高くなったと言うか、よりmacOSに近づいた感じを受けました。
モバイルOSゆえの歯がゆさがあった今までのiOSでしたが、ドックやマルチタスクなどの慣れ親しんだデスクトップOS並みの自由度を手に入れることにより様々なシーンでのiPad Pro+Apple Pencil の活躍が期待できます。
以前CEOのティム氏が明言していましたが、あくまでもデスクトップOSのmacOSとモバイルOSとしてのiOSと言う立ち位置は変わらないという上でのこのアップデート。
それは決してiPadが簡易のMacになると言うことを意味しているのではなく、モバイルOSとしてのiOSがよりストレスのない形での使用感をもたらすと筆者は感じています。
今回、思いの外盛りだくさんだったWWDCでした。
それでは、もう一度WWDC 2017 のキーノートを見てみましょう。