中国で開発されている Deepin が、2019年1月16日新バージョンとなる Deepin 15.9 をリリースした。
Deepin とは?
Deepin は Debian ベースの中国で開発されている Linux ディストリビューション(以降、ディストロ)。
Deepin Technology Co.、Ltd. WPS Office、Skype、Spotify によってリリースされた。
エレガントで使いやすいオペレーティングシステムとして開発されており、デスクトップ環境をはじめとして Deepin に特化したアプリケーションがプレインストールされている。
今回の変更点は?
タッチスクリーンサポートの改善、電力管理の改善、およびデスクトップのパフォーマンスの向上が行われた。
新機能としてタッチスクリーンで、クリック、ダブルクリック、コンテキストメニューを呼び出す長押し、上下にスライドするなど、複数のジェスチャがサポートされた。
またアップデート設定で、スマートミラースイッチ最速のミラーサイトに自動的に接続するようにスイッチを入れると、ダウンロードとインストールの時間が短縮されるようになった。
Deepin の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: Deepin
- パッケージ管理: APT, dpkg
主なアプリケーション
- ブラウザ:Google Chrome
- メール:Thunderbird
- オフィス:WPS Office (さすが中国!)
Linux としてはなかなか特徴的なラインナップ。
ちょっとクセがあるもののデスクトップ OS としては充実しているのは確か。
これ以外のアプリは App Store からインストールできる。
初期設定では” China “になっており、中国専用のラインナップになっているのでちょっと見慣れない感じ。
“ International ”に変更すると、見慣れたアプリが表示される。
Deepin をインストールするのに必要なスペック
- プロセッサー:Intel Pentium IV 2GHz以上のプロセッサー
- メモリ:2 GB (4GB 推奨)
- ハードディスク:10 GB 以上の空き容量
プロジェクトサイトでは上記のようなスペックだったが、インストールしたのが VirtualBox だったためか、10 GB だとはじかれてしまった。
VirtualBox では 16 GB以上の空き領域が必要で、20 GB 程度を推奨している。
deepin の Wiki を眺めてみたが、どうやらネイティブインストールとバーチャルでは、いろいろ違いがあるようだ。
Website → https://www.deepin.org/
個人的な意見ですが、
僕は中国語をほとんど知らないけれども「深度操作系統」と書かれていると、なんとなくわかった気になるのが不思議。
元々は同じ漢字だったろうけど、今や別々の進化をとげた文字になっている。
単語であればおおよその意味は掴めるものの、文章となると目が回りそうだ。
学生の頃に、ちゃんと古典とか漢文を勉強していればよかった。
話は脇道にそれてしまったが、肝心の Deepin のことといえば、タッチスクリーンの動作確認ができる環境を、残念ながら持っていない。
なので今回の目玉的な変更点のチェックができないのがもどかしい。
どなたか、試してみた方がいればぜひ教えていただきたい。
デスクトップパフォーマンスの向上やアップデート設定については、体感で感じる程度には改善されている。(横着者なので具体的にタイムを測ったりなどしない)
とはいえ、やっぱり RAM が多く必要なヘビー級のディストロだと感じる。
KDE といい、この Deepin といい、Qt で開発されるデスクトップ環境は重たくなるのかな?
ルック&フィールに関していえば、個人的には KDE よりも Deepin の方が好き。
日本語入力ができるようにするには、Fcitx など入力メソッドをインストールする必要があり、手間こそかかるが難易度はそれほど高くない。
前の記事でも書いたが、Linux としてではなく、新しいもう一つのオペレーティングシステムとして触れてみると、なかなか良いものだと思う。
クセはあるけれど、病みつきになりそうな Deepin をぜひお試しあれ。
Website → https://www.deepin.org/