皆さん、屋外で Linuxを使うことってありますよね。
そんなときにぴったりな製品を紹介します。
今回は BLUETTI (ブルーティ) EB3A 268Wh 超小型ポータブル電源の実機レビューです。
ポータブル電源のレビューってやり辛いなーとか思ってましたが、これはちょっと違ってました。
BLUETTI EB3Aは、強力なパンチ力を持つ超小型のポータブル電源です。
最大 600W の出力が出来るだけでもスゴいのですが、BLUETTI 独自の機能で最大 1200W の性能を発揮します。
また、BLUETTI Fast Charging テクノロジー(独自の急速充電)によって、最短40分でバッテリーを空の状態から 70% の容量まで充電することが可能です。
過充電・過放電保護・温度制御などを管理する信頼性の高い BMS を搭載しあらゆるニーズに対応するのが BLUETTI EB3A です。
ポータブル電源の購入を検討されている方は必見です!
それでは詳しく見ていきましょう。
BLUETTI EB3A の特徴。
BLUETTI EB3A は、強力なパンチ力を持つ超小型のポータブル電源ですと言いましたが、それらを詳しく紹介していきます。
最大 600W 出力で9つ全ての出力ポートから同時給電可能
まずは最大 600W の出力で家電製品を動かすことができます。
って普通に言いましたが、詳しい方はおわかりかと思います。
1W (ワット) とは電気が1秒間に消費する電力の量を表すのに対して、1Wh (ワットアワー) は 1W の電力を1時間使った時の電力の量を表します。
なので、通常のポータブル電源の場合、200〜300Wh という容量だと、その出力は概ね 200〜300W になります。
が、この EB3A は 268.8Wh の容量でありながら、最大 600W の出力が出来ます。
なぜ 600W までの出力ができるのか?
一般的な小型ポータブル電源だと、出力ポートが4つしか無いなど数が少ないため、そもそも出力を大きくする必要がありません。
しかし、誰でもいくつものデジタル製品を持つ現在、ポート数が少ないと全てのデバイスへ同時に充電や給電ができなくなります。
BLUETTI EB3A は、AC出力ポート2つ、100W まで対応する USB−C 出力ポート1つ、ワイヤレス充電パッド1つ、USB−A出力ポート2つ、5521 DC 出力ポート2つ、シガーソケット1つと、合計9つのデバイスへ出力する必要があります。
これら9つの出力ポートで同時に充電ができるようにするため、600W まで対応しているというわけです。
普段なら、9つのデバイスへ同時に充電するシーンはなかなかないですが、可能性はゼロではありません。
例えば、大人数でキャンプをしたとしても様々な機器を同時に充電ができます。
これだけでも十分に選ぶ価値があるのですが、加えて瞬間最大 1200W という驚異的なパフォーマンスを実現します。
キッチン家電も使える最大 1200W をサポートする電力リフト機能
瞬間最大 1200W 出力とは言っても、これは独自の「電力リフト機能」によるもので、定格出力 600W 超えの電気製品の動作電圧を下げ、消費電力を定格出力 600W 以下に抑えることで稼働させるという機能です。
この場合、標準電圧で稼働させるよりパワーは弱くなります。
また一部の電気製品は、電圧保護機能があり、電圧が低くなると稼働できない恐れがあります。
っとまぁ、あくまでも擬似的な利用方法にはなりますが、コダシマ的にはいちばん刺さった機能です。
一般的な小型ポータブル電源ではキッチン家電が使えないのが当たり前ですが、EB3A は擬似的な機能とは言えキッチン家電が使えます。
この機能があれば、万が一の災害のときにもお湯を沸かしたり、IHヒーターを使ったりして温かい食事が取れるということ。
とくに寒い季節に起こった災害時、温かい食事は空腹以上のものを満たすことをリアルに経験したので、この機能の威力は絶大です。
防災グッズとしても選ぶ価値は十分にあると思います。
40分で70%までの急速充電に対応
AC コンセントからの充電は最大 430W まで可能で、BLUETTI の高速充電技術により、最短40分で70%まで充電することができます。
- 高速モード:350W MAX;約1時間フル充電(10℃-40℃の場合)
- 標準モード:268W MAX;約2時間フル充電(0℃-40℃の場合)※デフォルトモード
また、ソーラーパネルからの充電は 200W までと、上位機種である EB55 や EB70S と同じレベルです。
ソーラー充電についても、太陽光パネルからの電力を最大限に取り出すための MPPT (Maximum Power Point Tracking) 回路により効率的な充電が可能です。
200W のソーラーパネルを使えば、野外でも簡単に補充充電できます。
MPPT(Maximum Power Point Tracking)とは、太陽電池が発電する時に出力を最大化で きる最適な電流×電圧の値(最大電力点、あるいは最適動作点)を自動で求めることができる制御のことです。
参考:https://www.enetelus.jp/about/advantage01.html
ちなみに、後ほどまた詳しく紹介しますが、BLUETTI のバッテリーには優れた放電サイクルを持つリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されています。
このバッテリーは、100% まで充電するより 70-80% くらいまで充電して継ぎ足ししながら使うのに向いているバッテリーなので、そうやって使うつもりでいても、充電速度がとても速いため、ちょっと目を離すと、すぐに 100% まで充電されていました。
100V の出力電圧で 50Hz/60Hz の切り替えも可能な純正弦波出力
みなさんも御存知の通り、日本では2つの周波数の電気が使われています。
一般的には、静岡県の富士川(ふじかわ)と新潟県の糸魚川(いといがわ)を結ぶ線を境目として、東側は「50Hz」、西側では「60Hz」の周波数が使われています。
周波数が違うと、使えない電気製品があったり、壊れてしまうものもあります。
BLUETTI のポータブル電源はココにも配慮されており、「50Hz」と「60Hz」2つのモードが用意されており、しかも簡単に周波数を変更することができます。
そして、液晶スクリーンでどのモードになっているのかを確認することもできます。
さらに、BLUETTI のポータブル電源の AC 出力は純正弦波です。
純正弦波は家庭用の AC コンセントから流れている電流の波形なので、家電にやさしく安心して使用することができます。
簡易 UPS (無停電電源装置) 機能で停電対策の補助電源としても利用可能
BLUETTI のポータブル電源には簡易UPS (無停電電源装置) 機能が付いているので、 停電などにより電力が止まった場合でも、接続している機器に給電をし続けることができます。
専門的な UPS (無停電電源装置) もありますが、大体が重くて高価です。
数万円程度で手に入る UPS もありますが、給電方法や出力によっては、わずか数分しか持ちません。
ポータブル電源である EB3A にも、簡易 UPS 機能が付いています。
EB3A を家庭用 AC コンセントに接続し、AC 出力ポートを ON にしていると、自動で給電をし続けます。
また EB3A は、100W の出力でおよそ2時間使い続けることが出来ます。
EB3A と同等の価格帯の UPS は 100W の出力で、長くても1時間もたないものがほとんどです。
簡易とは言え EB3A にデスクトップパソコンやゲーム機など、途中で電源が落ちると困る機器を接続しておくと安心できますね。
安全・安心・安定の BMS (バッテリーマネジメントシステム) 完備
これだけ規格外にも思える使い方なので、さぞ劣化も早かろうと思いましたが、BLUETTI はちゃんとそこにも配慮しています。
過充電・過放電保護や温度制御など、安全性の高い内部バッテリーマネージメントシステム(BMS)を搭載しています。
この BMS によって、各セル電圧のばらつき制御を行い、バッテリーを安定的に保ち、ポータブル電源の寿命を伸ばす仕組みです。
BLUETTI ポータブル電源の本体には、共通して
- 高温保護
- 過電圧保護
- 低電圧保護
- 放電低温度保護
- 過電流保護
- 過負荷保護
- ショート保護
- 充電過電圧保護
など、長く安心して使い続けられる設定がされています。
LED ライトとスマホアプリ
一般的なポータブル電源にも搭載されている LED ライトですが、もちろん EB3A にも搭載されています。
LED ライトにも3種類のモードが有り、
- 1回クリック(弱)
- 2回クリック(強)
- 3回クリック(SOS)
という具合です。
ちなみに SOS 救難信号は、言語を問わず世界共通で使用できる救難要請信号です。
これで助けを呼び続けることも出来るわけです。
で、この LED のライトの点灯やモードの変更に加え、電力の入出力管理を行える専用のアプリが iOS と Android で用意されており、 Bluetooth 接続することでポータブル電源を管理することが出来ます。
アプリのレビューを見ると、特に EB3A での利用では評価が低かったのですが、使ってみるとそこそこ便利です。
まぁ、こちらはお好みで…といった感じです。
価格は低いが、安全性は高い
急速充電のところでも少し触れましたが、 BLUETTI のポータブル電源では、リン酸鉄リチウムイオン電池というリチウムイオン電池が使われています。
そして、リン酸鉄リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池の中で、最も耐熱性が良いといわれています。
では、これまでのものと比べて、リン酸鉄リチウムイオン電池は何がいいのか?
従来のリチウムイオン電池に比べ、リン酸鉄リチウムイオン電池は熱安定性が高く、高温下でも発火や爆発のリスクが低くなっています。
例えば、コバルト酸リチウム材料は 220℃ 以上で熱分解を起こし危険性が高いとされています。
対する、リン酸鉄リチウムはリン (P) と酸素 (O) の結合が強く安定しているため 600℃ まで熱分解が起こらないと言われています。
また、リン酸鉄リチウムイオン電池は、充放電時の電圧変化が小さく電力損失が少ないため、高い効率で電力を取り出すことができます。
さらに、充放電回数が多く、寿命が長いことが特徴的です。
従来のリチウムイオン電池では、数千回の充放電サイクルを経ると性能が低下してしまうことが多いですが、リン酸鉄リチウムイオン電池は数万回の充放電サイクルでも性能低下が少ない長寿命のバッテリーです。
素晴らしい。
BLUETTI EB3A のまとめ。
今回は BLUTTI EB3A 超小型ポータブル電源の実機レビューでした。
ポータブル電源と言えば、アウトドアや車中泊といった比較的ポジティブなワードから、停電や災害といったネガティブなワードまで幅広い用途で使えます。
アウトドアや車中泊はあるととても便利、停電や災害時には無くてはならないものになることでしょう。
事実、レビュー中にも少し触れましたが、特に寒い季節に起こった災害時、明かりがあるというだけで安心感が格段に違いますが、加えて、そんな不安で心細い状況で、温かい食事が取れるというのは空腹以上のものを満たします。
実体験ですので、これがいちばんですね。
ただでさえ最大 600W という大出力に加え、1200W までの家電が使える電力リフト機能、とにかくこの機能がいちばん刺さりました。
規格外の出力を実現しながら、安全・安心・安定のしっかりとした BMS (バッテリーマネジメントシステム) での管理。
ここ数年でポータブル電源市場の技術は飛躍的に進歩したように感じます。
その中でも BLUETTI EB3A 、なかなかのオススメです!
一家に一台ポータブル電源!買うか買わないかは、あなた次第です!