今回は、積極的に最新技術を取り込んでいる「Red hat Linux」系統の RPM 系 Linux ディストリビューションについて触れてみる。
Fedora とは?
Fedora とは、Red Hat 社が支援する「 Fedora Project 」によって開発されている RPM 系 Linux ディストリビューション(以降ディストロ)で、最新技術を積極的に取り入れるディストロとして知られている。
現在では Rawhide というローリングリリース版も用意されている。
Fedora が最新技術にこだわる理由には、Red Hat 社が企業向けに有償で提供している「 Red Hat Enterprise Linux 」へのフィードバックというのが大きい。
つまり Fedora は「Red Hat Enterprise Linux」のベータ版としての役割があり、最新技術の「実験場」とも言える。
サポート期間が短かったり、バグが存在したり、最悪の場合にはカーネルパニックを起こして動かなくなったりするリスクもある。
その反面、他のディストロよりもデバイスの対応が早かったりするので、自作 PC などにも向いていたりする。
ちなみに RPM とは RPM Package Manager (以前は RedHat Package Manager )の略で、Red Hat 社が開発したパッケージ管理システムのこと。
RPM パッケージには、ソフトウェアのバイナリイメージ、ソースコード、設定ファイル(依存関係設定やインストール用スクリプト)などを収めた cpio という形式の圧縮ファイルになっている。
おまけ、以前(バージョン6まで)は「 Fedora Core 」という名前でリリースされていた。
Fedora の概要
- ベース: 独立系
- アーキテクチャ: i386, x86_64
- デスクトップ環境: GNOME, (KDE Plasma, Xfce, LXQT, MATE-COMPIZ, Cinnamon, LXDE, SOAS)
- パッケージ管理: RPM
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox
- メール: Evolution
- オフィス: LibreOffice
- ミュージック: Rhythmbox
- マルチメディア: Videos
Fedora をインストールするのに必要なスペックは?
仮想環境のシステム要件しか見つけられなかったので、とりあえずその内容を以下に紹介しておく。
- RAM: 2 GB 以上
- DISK: 6 GB 以上
デフォルトのデスクトップ環境が GNOME だということを考えると、推奨環境は Ubuntu などと同等程度だと推測する。
- CPU: 2 GHz デュアルコアプロセッサ以上
- RAM: 2 GB 以上
- DISK: 20 GB 以上
Website → https://getfedora.org/
個人的な意見ですが、
ずっと以前に、Fedora を使っていたことがある。
スキルも乏しかった(今でも)ため、使いこなせなかった。
何より先進性を求めるあまり、不安定になることもしばしば。
当然、安定版も存在しない。
またサポートも短く、リリースのペースもワリと早いことから、別のディストロに乗り換えた経緯がある。
あの時は、少し背伸びして Web サーバーの構築とかしてたからかな。
…サーバーに不向きなディストロと知らず。
逆に、デスクトップ OS としてなら使いではある。
オープンソースのソフトウェアの中で、 RPM 形式で配布しているものもかなりある。
Fedora ならソフトウェアに困ることはないだろう。
同じ RPM (Red Hat) 系のディストロ CentOS とよく比較される。
このブログでもそのうち、Fedora と CentOS を詳しく比較してみたいと思っているが、違いをざっくりいうと、
- Fedora …最新技術大好き!とにかくイケイケ!Red Hat Enterprise Linux (RHEL)の実験台。
- CentOS …RHEL のソースコードをベースに開発されている、堅実な RHEL クローン。
といったところ。
CentOS のリポジトリに無くて、Fedora にならあるソフトウェアの方が断然多い。
また SPINS として、様々なデスクトップ環境を採用したバージョンも存在する。
初心者でも、デスクトップ用途として配布されている Workstation からチャレンジしてみるのも良いだろう。
Website → https://getfedora.org/