今回は Android タブレットの紹介です。以前、Amazon Fire Max 11 キラーの筆頭として DOOGEE T30 Pro を紹介しましたが、その弟分のタブレット2機種の紹介です。お手頃価格のタブレットをお探しの方はぜひチェックしてみてください。
DOOGEE T10S / T20S の概要
まず DOOGEE をご存知ない方のために、ざっくりと説明しておきます。
2014年2月に中国の深センで設立された主にラゲッジフォン(日本で言うところのタフネススマホ)の開発・販売を行っているブランドです。コダシマは、何度かお世話になっているブランドです。
その DOOGEE が提供する Android タブレットのラインナップは
- ハイエンドの T30 Pro
- ミドルレンジの T20S
- ローエンドの T10S
という感じで、他にもラインナップはありますが、比較的わかり易いです。T30 Pro については以前の記事をご参照ください。
各機種のスペックは以下の通り。
モデル | DOOGEE T30 Pro | DOOGEE T20S | DOOGEE T10S |
CPU | MediaTek Helio G99 (MT8781) Cortex-A76@2.2GHz×2, Cortex-A55@2.0GHz×6 | UNISOC T616 Cortex-A75@2.0GHz×2, Cortex-A55@1.8GHz×6 | UNISOC T606 Cortex-A75@1.6GHz×2, Cortex-A55@1.6GHz×6 |
GPU | Arm Mali-G57 MC2 | Arm Mali-G57 1core @750MHz | Arm Mali-G57 1core @650MHz |
ディスプレイ | 11 インチ IPS (8:5) 16:10, 2560×1600, 374ppi, 60Hz, 350nits, 画面占有率 85%, TÜV SÜDブルーライト認証 | 10.4 インチ IPS 15:9 (5:3), 2000×1200, 220ppi, 60Hz, 画面占有率 84%, TÜV SÜDブルーライト認証 | 10.1 インチ IPS 16:10 (8:5), 1920×1200, 224ppi, 60Hz, 画面占有率 84%, TÜV SÜDブルーライト認証 |
メモリ | 15GB RAM (8GB+拡張 7GB) LPDDR4X | 8GB LPDDR4X (最大 7GB 拡張) | 6GB LPDDR4X (最大 5GB 拡張) |
ストレージ | 256GB UFS 2.2 (最大 2TB 拡張可能) | 128GB UFS 2.1 (最大 1TB TF カード拡張可能) | 128GB UFS 2.1 (最大 1TB TF カード拡張可能) |
カメラ | 背面: 20MP 望遠レンズ + 2MP 広角レンズ フロント: 8MP AIカメラ | 背面: 13.1MP, フロント: 5MP AIカメラ | 背面: Samsung® 8.1MP, フロント: 5MP AIカメラ |
バッテリー | 8580mAh (9V3A), 33W 急速充電器 | 7500mAh | 6600mAh |
オーディオ | 3.5mm headphone jack, High-Resolution | High-Resolution | 3.5mm headphone jack, FM ラジオチューナー搭載 |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz) | 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) | 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 |
Network band | WCDMA: B1/2/4/5/8, TDD: B34/38/39/40/41 FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/17/20/25/26/28A/28B/66 | 2G GSM: B2/3/5/8, 3G WCDMA: B1/3/5/7/8/20 4G FDD: 1/3/5/7/20, TDD: B34/38/39/40/41 | 2G GSM: B2/3/5/8, 3G WCDMA: B1/3/5/7/8/20 4G FDD: 1/3/5/7/20, TDD: B34/38/39/40/41 |
ナビ | GPS+beidou+GLONASS+Galileo+AGPS | GPS+beidou+GLONASS+Galileo+AGPS | GPS+beidou+GLONASS+Galileo+AGPS |
OS | Android 13 +GMS認証 +Widevine L1 Support | Android 13 +GMS認証 +Widevine L1 Support | Android 13 +GMS認証 +Widevine L1 Support |
サイズ | W257×H168×D7.6 (mm) | W245×H154×D7.9 (mm) | W242×H161×D8.9 (mm) |
重さ | 543g | 470g | 563g |
特筆すべきは、全てのモデルが共通して OS はすでに「Android 13」で「GMS 認証」はもちろんのこと、目に優しい「TÜV SÜDブルーライト認証」を取得のうえ、「Widevine セキュリティレベル L1」をサポートしています。
これは、映画好きのコダシマにはたまらない!Prime Video をはじめ Netflix や Hulu といった動画配信サービスも画質の制限を受けることなく、高画質で楽しむことができます。
特に T30 Pro と T20S は「Hi-Res」対応で音声もバッチリです!エンタメ向けには問題ないですね。
あ、言い忘れそうになりましたが、どのモデルも SIM フリーです。通話 SIM を使えば、どれも電話として使うことができます。ただし、これは中華スマホ・タブレットの「あるある」ですが、繋がりやすいとされている、いわゆる「プラチナバンド」帯はソフトバンク系のみとなります。プラチナバンドにこだわらなければ、どのキャリアでも使えますのでご安心ください。
DOOGEE T10S / T20S のデザイン比較
いずれのモデルも、エレガントな「ユニボディデザイン」を採用しています。これは、タブレット全体が一つの素材から作られていることを意味します。これにより、タブレットは非常にスリムで、持ち運びやすく、しかも丈夫です。金属製のボディは高級感も感じられます。
T30 Pro と T20S は、サイズこそ異なりますが、そのデザインはカメラ周りを含めとても良く似ています。
残る T10S ですが、他の2つのモデルに比べてやや丸みを感じるデザインになっています。
DOOGEE T10S / T20S の性能テスト
Antutu v10、Geekbench 6、PerformanceTest にてベンチマークテストを行いました。DOOGEE T20S / T10S の比較として、最上位モデルの T30 Pro と、今年のタブレットの雄 Fire Max 11 も合わせて比較してみました。
AnTuTu は、全ての項目のパフォーマンスを数値化し、それらを累積したスコアになるため、得手不得手を全てひっくるめたスコアになります。ただしその分、トータルのパフォーマンス比較としては最も有用性が高いです。そこで比較してみると、DOOGEE の製品はコンセプトに沿ったスコアになっています。お手本のような並びです。
Geekbench では、それぞれの CPU のスコア、Compute として OpenCL と Vulkan のスコアをピックアップしてスコアを計測します。他のスコアは加算されないため、純粋なプロセッサのスコアといえます。その視点で見ると Helio G99 と UNISOC T616 はほぼ同等の性能を持ったプロセッサです。
PerformanceTest では、AnTuTu の結果とよく似た印象を受けます。 System や CPU、Memory と言った項目はやはり Amazon Fire Max 11 が強いですが、驚いたのはストレージ性能がいずれも Amazon Fire Max 11 を超えていることです。これだけ高速なストレージを使っていれば、なるほど拡張 RAM のアイディアも生まれるのはうなずけます。
DOOGEE のタブレットはラインナップ通りの性能でした。
DOOGEE T10S / T20S のカメラ・音質比較
これまでコダシマは、タブレットのカメラには期待していませんでした。…がしかし、最近はその考えも揺らいできました。これまでのタブレットのカメラは、解像度こそそこそこ高いのですが、画像エンジンやカメラアプリのため、解像度の高さを活かしきれていないものがほとんどでした。ですが、最近では Android タブレット界隈も激戦区になり、差別化を図るためカメラ性能も向上してきました。
また DOOGEE は、スピーカーの性能にもこだわりがあり、T20S は T30 Pro に引き続き Hi-Res 対応です。T10S は価格重視のためか Hi-Res には対応していませんが、その分 T20S で省略された 3.5mm オーディオジャックが残っており、ラジオチューナーも搭載されています。…というか、オーディオジャック+ラジオチューナーのほうが、Hi-Res 対応スピーカーよりも安いことに気が付きました。
DOOGEE T10S / T20S のバッテリー寿命
もちろんバッテリーの持ちは、その利用方法によって異なりますが、Call of Duty や原神などのゲームをプレイすると 1000-1500mA の電力を消費していました。概ね 1250mA が消費電力の平均だとすると、7500mAh のバッテリーでは、6 時間、6600mAh の場合 5.28 時間の連続利用が可能ということになります。
充電に関して言うと、残念ながら USB PD 対応ではないため急速充電器を使っても 9W 以上の電力を供給することができません。また、実際の充電時間はバッテリーの効率、充電途中での消費電力などによって異なりますが、およそ以下の時間かと思われます。
以上のように充電時間はそれなりにかかるので、こまめな充電が良いでしょう。
価格とコストパフォーマンス
コダシマは最近 AnTuTu のスコアを実売価格で割って、そのタブレットの1円あたりのパフォーマンススコアを比較してコストパフォーマンスが高いかどうかを判断しています。
現行で販売されているタブレットの多くは 11 ポイント前後なのですが、 Amazon の Fire Max 11 は 12.02 ポイント。
Amazon のセール特価での指数は
- T20S = 11.7pt
- T10S = 12.9pt
ただし、この指数はあくまでもセール特価でのものなので、もう少しポイントが下がる可能性が高いです。
が、これを見ると特に T10S は投げ売り状態ですね。Fire Max ならともかく、Fire HD シリーズを買うくらいならこちらを選んだほうが幸せになるでしょう。
DOOGEE T10S / T20S のまとめ
今回は、DOOGEE の Android タブレット、T20S、T10S に焦点を当てて紹介しました。T30 Pro についてもだいぶ語りましたけれどね…。
DOOGEE は、主にタフネススマホの開発・販売を行っている中国のブランドで、そのタブレットラインナップは価格帯に応じて3つのモデルがあります。
すべてのモデルは、最新の Android 13 を搭載し、Widevine セキュリティレベル L1 をサポートしているため映画や音楽のエンタメ機能が充実しています。高画質の動画配信サービスをフルに楽しむことができる点が魅力ですね。
デザイン面では、ユニボディデザインを採用しており、高級感がありながらも持ち運びやすいデザインとなっています。また性能テストの結果は、DOOGEE のいずれのタブレットもコストパフォーマンスが高く、特に T10S はセール特価でのコスパが非常に良いことがわかりました。
バッテリーの持ちや充電時間についても触れましたが、残念ながら USB PD 非対応です。9W で充電した場合の充電時間を計算しました。
ということで、このブログを通じて、あなたが DOOGEE の Android タブレットの魅力や特徴を知り、タブレット選びの一助になれば幸いです。興味を持った方は、ぜひ実際に手に取ってその性能やデザインを体感してみてください。