今回は CHUWI の Android タブレット HiPad Max を紹介します。
Max って名前にメーカーの気合が感じられますが、てかこれ、いつもの中華タブレットとは雰囲気が違ったんですよね。
とにかく見てみましょう。
CHUWI HiPad Max
いつも PC-FREEDOM を御覧頂いているみなさんには CHUWI についての説明は不要でしょうが、初めましてのかた向けに、ざっくりと CHUWI を紹介すると、中国深センに本社を置く主にPC、タブレット端末など、電子機器の開発・製造・販売を行っているメーカーです。
CHUWI の箱はシンプルでいいですね。
開封して、まずいちばん最初に気がついたのは、本体の素材。
本体はヘアライン加工された樹脂製で、金属じゃないです。
これまで扱った CHUWI の製品は、どれも金属製の本体だったのでなんか珍しい気がします。
排熱とかも考慮した金属ボディなのだと思い込んでいたのですが、違うんですかね?
まぁ予算的なこともあるでしょう。
個人的には樹脂製の本体も案外好きです。
まぁ、Amazon の Fire タブレットなんかも樹脂製の本体ですし、そんな安っぽさは感じないですからね。
作り込み次第といったところでしょう。
それに、樹脂製の本体だからですかね?
本体重量およそ 440g です。 (実測値 445g )
けっこう軽く感じます。
同梱品は必要最低限です。
最近では価格を抑えるために、電源アダプターやケーブル類も同梱しないものがあるので、コレくらいは普通ですね。
それでは、サクッと初期設定を済ませて、使ってみたいと思います。
Snapdragon 搭載機!
設定していて思ったのですが、なんかこう、いつもの中華タブレットに比べて、動作がなめらかに感じられるんですよ。
この価格帯の中華タブレットに見られる動作のもたつきとか、引っ掛かりみたいな感触 (プチフリーズ?) がないというかなんというか…
リフレッシュレートが高いのかというと、そうではないんです。
なんと表現したら良いのかわからないですが…、「なめらか」という言い方しか思い当たりません。
すんごい、感覚的な言い方なので伝わらないかもしれませんが、いずれにしろ雰囲気が違うんですよ。
おそらくその要因のひとつではないでしょうか。
なんとこの HiPad Max は、中華タブレットでありながら、そのプロセッサは Unisoc や MediaTek ではなく、なんと米国 Qualcomm 社の SoC Snapdragon 680 を搭載しています。
興味のある方のために Snapdragon 680 の仕様を紹介しておくと、プロセス技術は TSMC 6nm、CPU は Kryo™ (クライヨ) 265 (4xCortex-A73 2.4GHz+4xCortex-A53 1.9GHz)、GPU は Adreno™ (アドレノ) 610 @周波数不明、5G非対応、Wi-Fi 5 対応、Bluetooth 5.1 対応、Quick Charge™ 3.0 対応です。
ここで改めて HiPad Max のスペックを確認してみました。
製品名 | HiPad Max |
カラー | ブラック |
OS | Android 12.0 |
ディスプレイ | 10.36 インチ IPS, 2000×1200 ,5:3 |
輝度 | 400nits |
プロセッサ | Qualcomm® Snapdragon™ 680 4xCortex-A73 2.4GHz + 4xCortex-A53 1.9GHz |
グラフィックス | Adreno 610 GPU 1114MHz |
ストレージ | 128GB UFS 2.2 |
メモリ | 8GB LPDDR4X 2133MHz |
スピーカー | 8Ω1W×4 |
カメラ | フロント: 5MP, リア: 8MP |
バッテリー | 3.8V/7000mAh |
アダプタ | 5V/2A |
サイズ | 246.50×156.25×8mm |
重量 | 約 440g (実測値: 445g) |
インターフェース | 1×Type-C ,TFカード, デュアル nano SIM |
ワイヤレス | 2.4G/5G 802.11 a/b/g/n/ac,BT 5.0 |
梱包内容 | 5V/2A アダプタ,PSE, CE, UL, FCC 認証. 取扱説明書, 適合証明書, 品質証明書, 保証カード. |
概ね Qualcomm 社の仕様表と同等のスペックですね。
ただし、SoC 自体は Bluetooth 5.1 に対応のようなのですが、HiPad Max だと 5.0 ですねぇ。
理由はわかりませんが、モジュールの都合だったのでしょうか?
んで、ちょっと話は反れますが、社外品の HiPad Max 専用のケースが Amazon で手に入ったのでそれを使いました。
さすが専用と謳っているだけあり、サイズはピッタリです。
しかも、マグネットによるスリープとウェイクアップもちゃんと機能します。
でも、このマグネットが強いためか、裏に回しても消えてしまうのが難点…。
使い方にコツがいるケースです。
それと、なんだか臭うんですよね。
んーなんていうかスルメを焼いたときみたいな臭いがします。
1週間近く臭い続けていました…。
では、話を HiPad Max に戻しましょう。
仕様表の内容はわかりましたが、この仕様が正確かどうかをハードウェアチェックアプリでチェックしてみます。
ハードウェアチェック。
チェックアプリでハードウェアの仕様が合っているかチェックしてみました。
チェックアプリでも仕様のとおりでした。
やっぱり正直なのがいちばんですね。
それと、この HiPad Max は SIM に対応しているセルラーモデルです。
Snapdragon 680 は 5G 未対応ですが、それでも Wi-Fi しか使えないモデルよりも、行動範囲が広がります。
中華タブレットはこの辺が強いですね。
HiPad Max の対応バンドを調べてみました。
docomo | au | Softbank | 楽天モバイル | ||
Band 1 | 2.0GHz帯 | ○ | ○ | ○ | |
Band 2 | |||||
Band 3 | 1.7GHz帯 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Band 4 | |||||
Band 5 | 850MHz帯 | ||||
Band 7 | 2.6GHz帯 | ||||
Band 8 | 900MHz帯 | ○ | |||
Band 17 | 700MHz帯 | ||||
Band 20 | 800MHz帯 | ||||
Band 38 | 2.6GHz帯 | ||||
Band 40 | 2.3GHz帯 |
大手キャリア全てで利用可能ではありますが、やっぱりと言うべきか、繋がりやすいとされている周波数帯、いわゆるプラチナバンドの対応は Softbank だけです。
多くの海外製品では Band 8 に対応しているのですが、意外と Band 18, 19 が対応しているデバイスって少ないんですよね。
ココらへんも選ぶポイントかも知れません。
プラチナバンドについては、残念ながら HiPad Max では Band 8 のみの対応です。
それでも、普段タブレット用に使っている IIJmio (ドコモ回線) の SIM は APN の設定こそ必要ですが、問題なく使えています。
ってか、 Widevine L1 ですって!
久しぶりに見ました!
Prime Video でチェックしましたが、ちゃんとフル HD 1080p でのストリーミングが出来ました!
個人的には L3 でもそこまで気にしていなかったのですが、ちゃんとフル HD 画質だとやっぱりキレイですね。
音声についても 8Ω1W のスピーカーが4つ搭載されているので、きちんとステレオ感のある音声が出力されます。
ただし、最大音量にすると場合によって音割れすることもあります。
まぁ、本体素材も樹脂製ということを考えると、やむを得ない気がします。
とは言え、全体的な使用感は良いです。
Snapdragon は評判通り良いプロセッサのようで、HiPad Max はその評価を存分に発揮させているように思います。
ではその性能を数値で見たらどうなのでしょうか?
次にベンチスコアを計測してみました。
ベンチスコアチェック。
今回もベンチスコアチェックに使ったのは AnTuTu v9, Geekbench 5, PerformanceTest の3種類のアプリです。
まずは、AnTuTu。
AnTuTu
AnTuTu – https://www.antutu.com/en/index.htm
252,179 となかなかのスコア
これまでの CHUWI の Android タブレットと比較してみました。
Geekbench
次に Geekbench。
Geekbench – https://www.geekbench.com/
- Single-Core Score: 377
- Multi-Core Score: 1497
まずまずのスコアですが、Compute の計測は、何度やっても途中でアプリが落ちてしまい計測できませんでした…。
何かあるのかしら?ちょっと不安です。
とりあえず CPU の比較はコチラ。
PerformanceTest
最後に PerformanceTest です。
PerformanceTest – https://www.passmark.com/products/performancetest/
コチラは System の数値での比較です。
- System: 7481
これも比較してみるとこんな感じです。
たしかにいずれの比較も Max でしたね。
これまでの CHUWI Android タブレットの中で、最も良いスコアでした。
でも、冒頭でも触れた、この何とも言えない滑らかさってなんでしょうね?
数値に表せない何かがありそうです。
ゲームもプレイしてみた。
一息つくためにゲームをプレイしてみました。
コレくらいの性能のタブレットだと、3D グラフィックスバリバリのゲームでも、画質を落とせばそれなりにプレイできます。
また、この HiPad Max だと、スピーカーが4つあるため、スピーカーを手でふさいでしまって音がこもってしまうというのも避けられます。
ガチ勢には物足りないかもしれませんが、ライトユーザーには充分な性能と言えます。
ゲームって、本気だすと結構スペック必要ですからねぇ。
ストレージ容量も余裕の UFS 2.2 128GB なので、いろいろ詰め込めます。
CHUWI HiPad Max のまとめ。
今回は CHUWI の Snapdragon 搭載 Android タブレット、HiPad Max の実機レビューでした。
これイイですね!
Snapdragon というだけで安心感が違います。
と言うか、これまでの CHUWI Android タブレットと比較して Max だったのは間違いありません。
CHUWI の Android タブレットは、いずれも概ね同等の価格帯にある製品です。
純粋に性能面だけで選ぶなら、HiPad Max ですね!
でも、個人的に物理接続できるキーボードがある HiPad Plus も捨てがたいです。
なので願望としては、HiPad Max の性能で、HiPad Plus のような拡張性のある Android タブレットが欲しいです。
なおかつ、価格は上がりそうですが Snapdragon もよりハイエンドなものを搭載されたりしたら…。
ちょっとゾクゾクしますね。
ちなみに 10インチタブレットということで Amazon の Fire HD 10 Plus と比較してみました。
結果はコチラ。
PerformanceTest もあったのですが、バージョンが違いすぎて参考にならないと思い割愛しました。
ネタとして Fire HD 10 を所有しているのですが、これを見ちゃうと、Fire HD ってセールで安く見せてますが、値段なりなんだなぁってホント思います。
ちょっと名前の売れている安価な中華タブレットのほうが使い勝手が良いでしょう。
HiPad Max と比べると明らかに値段の差くらい、性能の差が出ていますね。
ってことで、今回は CHUWI HiPad Max の実機レビューでした。
動画概要欄に Amazon リンクを貼ってありますので、興味を持った方は是非チェックしてみてください!
おまけ
具体的な製品名とか上げませんが、実は日本国内のメーカーで販売している同等の製品とも比較してみました。
製品のスペックこそほぼほぼ同じなのですが、価格が違います。
通常でも HiPad Max は、その国内メーカー製のものと比べると、概ね2/3程度の価格です。
セールとかのタイミングだと半分くらいになります。
これだと、いくら国内メーカーの製品だからといっても、選ばれにくくなりますよね。