おすすめだった“はず”が…

私コダシマは PC 好きが高じて、ハードウェアなんか、そこそこの知識があったため、知人が PC を購入する際などに相談されることも少なくありませんでした。そういった、PC を おすすめするときは、特に縛りがない場合、まずは「デスクトップ PC」をおすすめしていました。コストパフォーマンスや拡張性を考えると、それが最適だと考えていたからです。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

しかし最近は、モバイル向けプロセッサの性能も上がり、ノート PC でも様々な用途で十分に使えるようになってくると、少しずつ考え方が変わってきました。設置の手間も少なく、環境をすぐに整えられる手軽さに魅力を感じるようになってきたのです。

実はそう思い始めたのは、単にノート PC の性能が上がっただけでなく、自分の PC の使い方や選び方に少しずつ変化が出てきたからでした。PC の性能もさることながら、年齢の影響か、小さな文字がだんだん読みづらくなってきたのです。

いわゆる老眼というやつです

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

少し前までは 13 インチのノート PC でも不自由を感じませんでした。というか、むしろノート PC であれば、持ち運びの手軽さからコンパクトなものを好んでいましたが、今ではそれがストレスに感じるようになってきてしました。もちろん画面設定で表示を拡大する方法もありますが、そうすると一度に表示できる情報量が減ってしまいます。結果的にスクロールが増え、作業効率が下がるのです。それもそれでストレスです。

そんな中で、16.1 インチという大画面のノート PC の存在を知りました。

※そういえば Macbook Pro って、けっこう前から 16 インチモデルありましたよね。

そして「このくらいの大きさが、今の自分にとって意外といいかも」と実感するようになったのです。

最近よく見かける“大画面ノート”という選択肢

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

以前は「ノート PC = 持ち歩くもの」として、軽さやコンパクトさが重視されていたように思います。もちろん、今でも基本的にはそのとおりでしょう。

それが、コロナ禍の影響だったりで在宅ワークの普及や作業効率の見直しもあり、据え置きに近い使い方をする人が増えてきたという印象です。つまり「ノート PC = 持ち歩くもの」というイメージだけでなくなっているのが現状でしょう。電源を入れれば「いつでも、どこでも、自分の仕事場」というのが、今のノート PC なのかもしれません。

まぁ、そもそもノート PC はそういう存在だったのかもしれません。法人向けモデルでは 15 インチくらいでテンキーが付いているものも当たり前でした。一概には言えませんが、余計に最近は据え置きに近い使い方が増えたのではないかと感じることが多いです。そう考えると、大きな画面のノート PC にニーズがあったとしても、何も不思議ではありません。その流れか、Amazon などでは、フルサイズに近いキーボードを搭載したノート PC や、大きな画面を搭載したノート PC を見かける機会が増えてきたように感じています。もちろん Macbook 以外で。

そんな感じで、この“ちょっと大きめのノート PC ”というジャンルに、今あらためて注目しているところです。

ACEMAGIC AX16 Pro

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

今回はそんなちょっと大きめのノート PC、ACEMAGIC AX16 Pro を紹介します。ってことで、早速スペックを少し詳しくご紹介します。

  • CPU:Ryzen 7 5700U(8コア16スレッド)
  • メモリ:16GB DDR4(2666MHz)
  • ストレージ:512GB NVMe SSD(M.2スロット換装可能)
  • ディスプレイ:16.1インチ FHD IPS(1920×1080)
  • キーボード:テンキー付き US 配列(バックライトあり)日本語配列のキーボードカバー付属
  • ポート:USB-A×2、USB-C(PD対応)、HDMI、3.5mmジャック、TFカードスロット
  • バッテリー:11.4V/4700mAh
  • 重量:約1.7kg
大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

まず、プロセッサは Ryzen 7 5700U といわゆる型落ちですが、8 コア 16 スレッドの実力は伊達じゃありません。クロック周波数は 1.8GHz から、最大 4.3GHz と非常に高速。グラフィックスは統合型の ​Radeon グラフィクスですが、詳しくは Vega 8 になります。高度な動画編集や 3D ゲームなどではグラフィックス性能が足りず不向きと言わざるを得ませんが、書類作成や画像加工、Web ブラウジングや動画視聴などであればまだまだ現役で使えるモデルです。

メモリは DDR4 2666MHz に対応し、16GB を搭載しています。増設が可能で最大 64GB 3200MHz をサポートします。ストレージは NVMe M.2 512GB を搭載。Ryzen 7 5700U では PCIe 3.0 規格の NVMe をサポートしているので、遅さを感じることはないでしょう。

そして、AX16 Pro の特徴でもある大きな画面は 16.1 インチの、視野角の広い IPS ディスプレイで 1920×1080 の Full-HD 解像度です。昔のデスクトップ PC の画面くらいの大きさがありますね。そして、この大きな画面の恩恵はキーボードにもあります。数値入力にも便利なテンキーが搭載されています。また、バックライトもついているため、暗い場所でも快適に作業することができます。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

キー配列は US 配列ですが、日本語配列のキーボードカバーが付属しているため、US 配列に不慣れな人は、このカバーのお陰で問題なく使うことが出来るでしょう。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

ポート類も充実しています。向かって左側には、電源用の Type-C のほか、フルサイズの HDMI ポート、Type-A USB 3.2 のポート、フル機能の Type-C ポート。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

向かって右側には、3.5mm オーディオジャックと、Type-A USB 3.2 、 USB 2.0 が一つずつ、それと microSD カードスロットが用意されており、拡張性も十分です。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

これだけポートがあるなら3画面表示もできますね。内蔵スピーカーの出力も十分で、動画視聴の際にも困ることはありません。けっこう大きな音を出すことができます。

んで、ノート PC といえば、インカメラが当たり前になっています。AX16 Pro にももちろん搭載されており 1MP 1280×720 の HD 解像度です。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

最後に OS ですが、公式サイトで Windows 11 Home の記載がありましたが、現在では Pro に変更されています。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

こちら、ライセンスも問題ありません。

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このように、スペックを見る限り 3D アニメーションのような重たい作業や 3D グラフィックスバリバリのゲームをプレイするには GPU 性能が足りず非力と言わざるをえません。

一方で、ビジネスや日常用途では十分すぎるほどの性能です。普段の作業──たとえば資料作成やブラウジング、画像の加工などでは非常に快適で、処理待ちのストレスを感じる場面はほとんどありません。

そして何より180度開閉するこの大きな画面が、AX16 Pro のいちばんの売りでしょう。壁やソファーへ寄りかかり、膝の上でノート PC を使う場合には、広く開く画面が何よりありがたいです。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

実用性も高く、仕事向きの PC として、とても良くまとまっています。

画面が大きいため、それに伴って重さはそこそこあります。重量は約 2kg あり、いわゆる軽量モバイルノートというジャンルには程遠い存在です。なので、毎日持ち歩く用途にはあまり向いていません。ですが、家の中やオフィスで作業場所を変えたい方や、たまに出先で使いたいといった“場所を固定しない据え置き用途”にはぴったりです。いちいち配線やモニターを用意する必要がなく、ノート PC ひとつでしっかりした作業環境を構築できるのは、大きな利点です。

まさに「いつでも、どこでも、自分の仕事場」を再現していると言えます。

ベンチマークチェック

そんな AX16 Pro、ベンチマークの数値ではどのように評価されるのでしょうか?

Chinebench R23

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Geekbench 6

CPU

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Compute

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PerformanceTEST 11

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FINAL FANTASY XV ベンチマーク

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STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

という感じで、やはりグラフィックス性能が足りないですが、プロセッサ自体は十分現役性能ということが証明されたかと思います。

中身も見てみた

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

で、今度は物理的な中身も見てみました。一般的にノート PC は、ネジの何処か一つがこのようにシールなどで塞がれています。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

これを剥がしてしまうとサポート対象外になったりしますので、ストレージ交換や RAM の増設などで分解する際は自己責任になります。その点はご注意ください。

で、せっかくなので今回は SSD を差し替えて Linux をインストールしてみます。PC-FREEDOM といえば Linux ですからね。

中身はこんな感じ。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

インストールメディアから、我らが open.Yellow.os を起動させインストールしてみました。結論から言うと、Wi-Fi が認識しませんでした。

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

それ以外のデバイスは問題がなく、むしろ快適ではありましたが、オンラインが当たり前になっている現在で、しかも手軽さが売りのノート PC で Wi-Fi が使えないのはちょっと痛手です。

デバイスを調べてみると Realtek 8852BE

ドライバを探してビルドして、インストールしなきゃいけないタイプです。ちなみにこのドライバを検索すると GitHub のがすぐ出てくるはずです。

ビルドツールとヘッダーをインストールし、GitHub からドライバをクローンしビルド、インストール、起動時に自動ロードする設定と言う流れが必要です。

Linux 環境では Wi-Fi に難があるため、慣れていない方には導入に少し手間がかかるかもしれません。

まぁ、それもそれで Linux いじりの醍醐味とも言えますけれどね。

インストール手順例(Debian)

# 1. ビルドに必要なツールをインストール
$ sudo apt update
$ sudo apt install build-essential git bc dkms

# 2. 現在のカーネルバージョンを確認してヘッダーをインストール
$ uname -r   # 例:6.1.0-13-amd64 のように出る
$ sudo apt install linux-headers-$(uname -r)

# 3. ドライバのクローンとビルド
$ git clone https://github.com/HRex39/rtl8852be.git -b dev
$ cd rtl8852be
$ make -j$(nproc)  # CPUコア数に応じてビルド

# 4. インストール
$ sudo make install
$sudo modprobe 8852be

動作確認
$ ip a   # wlan0などが出ているか確認
$ iwconfig   # 無線LANインターフェースが表示されるか
$ dmesg | grep 8852

自動ロード
$ echo 8852be | sudo tee -a /etc/modules

今回のまとめ

大画面ノートPCって実際どう?AMD Ryzen 7 5700U 搭載 ACEMAGIC AX16 Pro【実機レビュー】

ということで、今回は大きめのノート PC ACEMAGIC AX16 Pro を紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?

少し前のコダシマであれば、「どうせ買うならデスクトップのほうがいい」と言い、ノート PC であれば「コンパクトなもの」を選んでいたに違いありません。ですが今のコダシマは「設置の気楽さ」や「見やすさ」を重視するようになりました。まぁ、モバイル向けプロセッサが高機能になったのもありますが、今のコダシマにとって今回の AX16 Pro は、性能、画面サイズが「ちょうどいい」と感じられる PC でした。

PC の選び方は人それぞれです。

今のコダシマのように、設置が手軽で、大きい画面、そこそこの性能がほしい!という人の選択肢として、ACEMAGIC AX16 Pro はとてもおすすめできます。気になるお値段も、この性能で実売価格6万円以下、プロセッサが Ryzen 7 5825U のモデルでも7万円以下ととてもコスパが高いモデルです。

ちなみに ACEMAGIC では、さらにハイスペックなモデルや 17.3 インチのモデルも扱っています。

といったところで以上となります。

今回も最後までご覧いただき、本当にありがとうございます。

PC 選びに迷っている方にとって、今回のレビューが少しでも参考になればうれしいです。

なんちゃってエンジニアリング PC-FREEDOM のコダシマでした。

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