気兼ねなく Linux を使えるノート PC

気兼ねなく Linux を使えるノート PC をいろいろと知りたくなり、今回も一つ見ていきたいと思います。
ノート PC に Linux をインストールするときって、ドライバまわり…特に Wi-Fi とか、サウンドドライバのあたりでトラブったりします。これは、大手ブランドでもありえます。まぁ、そのトラブルを乗り越えるのも Linux の楽しみの一つではあるのですが、とはいえ、手軽にインストールしたいのもまた事実。
以前に ACEMAGIC AX16 Pro をレビューいたしました。大きな画面で、Ryzen 7 5700U 搭載というモデルでしたが、比較的すんなり Linux が動いてくれました。今回ご紹介するのは、AX16 Pro の「弟分」のような位置づけの N150 搭載モデルです。AX16 Pro のときも、すんなり Linux が動いたので、こちらも行けるんじゃね?と思った次第です。
今回は、この ACEMAGIC の N150 プロセッサ搭載モデル TX15 をレビューしながら、Linux もインストールしていきたいと思います。
ACEMAGIC TX15

まずは、ざっくりこのノートの基本スペックからご紹介します。
- CPU:Intel N150(Twin Lake)
- メモリ:16GB DDR4-2666
- ストレージ:512GB NVMe SSD(
- ディスプレイ:15.6インチ フルHD、最大輝度300nits
- OS:Windows 11 Pro(ライセンス付き)
- Wi-Fi 5 / BT5.0
- USB3.2 Type-C ×3
外見では Ryzen モデルと比べると、画面サイズの違いもあり若干小さい。

電源も Type-C じゃないくらい。

ちなみに反対側はこんな感じ。

なるほど弟分って感じで「軽量・省電力・コスト重視のモデル」という位置づけですね。
同梱品は、19V / 2.1A の電源アダプタ(DC プラグ3.5×1.35mm)

日本語で使用するためのキーボードカバー(シリコン製)も同梱されていました。US 配列に不慣れな方にも安心ですね。

N150の特徴

さて、今回の主役である CPU「Intel N150」と聞くと「エントリー向けか」とまず思うかもしれませんが、実はなかなかやれるヤツです。Alder Lake-Nの後継として登場した「Twin Lake」の N150 は、E コアのみ(電力効率を重視した Efficient コア)を搭載したプロセッサで、軽いタスクやバックグラウンド処理を効率的に行うことで、省電力化に貢献するプロセッサです。
ちなみに Core シリーズには E コアに加え、Performance コア、つまり P コアとの組み合わせで提供されます。やっぱり性能が低そう…と、思われるかもしれませんが、Kaby Lake(ケイビーレイク)世代、つまり2016年〜2018年頃の第7・第8世代 モバイル向け Core i7 とほぼ肩を並べるレベルのパフォーマンスを発揮すると聞くと、見え方が違ってくるかもしれません。
Geekbench に登録されているスコアの平均を出してみました。
結果はこちら

| CPU | シングル | マルチ |
| N150 | 1278 | 3169 |
| i7-8550U | 1309 | 3842 |
マルチだと、スレッド数の差が出ている感じがしますが、シングルはほぼ誤差です。
重い作業は得意ではありませんが、 日常的なブラウジング、文書作成、軽めの開発用途なら、全く問題なし。そして何より──静かで熱くなりにくいのが特徴です。(i7-8550U TDP: 15W, N150 TDP: 6W)
これだけでもアドバンテージです。
PC-FREEDOM TIME

PC-FREEDOM タイムとは、分解したり、Linux をインストールしてみたりする時間です。
今回もいろいろ見てみましょう。
ライセンスチェック

Windows 11 のライセンスをチェックしてみました。
Pro で、認証もアクティブになっています。
コマンドを使ってチェックしてみました。

しっかりとライセンスキーが確認できました。
TX15の分解

ということで、分解して中身を見てみましょう。
TX15 でも、封印シールがありました。このシールがなくなるとサポート対象外になる場合がありますので、分解する際には自己責任でお願いいたします。

RAM スロットはひとつですね。

SSD は M.2 ですが SATA のものが刺さっていました。なので、SATA SSD を使うことにしましょう。
Linux のインストール

では、Linux をインストールしましょう。
今回インストールした Linux は、openSUSE Tumbleweed です。安定性が高くて、GUIも整っていて、初めての方にもオススメなディストリビューションです。が、前回、ちょっとうまくいかなかったのですが、どうやらインストール後にファームウェアで、起動の優先順位を変更しなければいけなかったようです。

この辺、Ubuntu は自動でできていたので、ちょっと残念に感じましたが、とはいえ、それ以外、デスクトップ OS としてはしっかりと作り込まれており、普段遣いに十分なディストリビューションです。
インストールの手順も分かりやすく、インストール完了までおよそ20分。

- Wi-FiとBluetooth → 自動認識で即使えます
- タッチパッド → スムーズでマルチタッチもOK
- 輝度や音量のfnキー → 問題なし
- スリープからの復帰 → 安定
- ファン音 → ほとんど気にならない静音性
動作状況はバッチリでした。正直、「Wi-Fi くらいでトラブルが出るかな…?」と思っていたんですが、いい意味で裏切ってくれました。最近 openSUSE の良さを再認識しているコダシマです。

その理由として、日本語環境がインストール直後から整い、GUI 環境もバッチリ、インストーラーや設定ツールもわかりやすく、必要なアプリも、最初からある程度そろっています。インストール後すぐに使える実用性の高さも魅力です。今回、ファームウェアの調整が必要という罠がありましたが、OS 自体は実は初心者向けだと思っています。
で、あえて聞かれるかもしれません。
「Windowsも動くんでしょ?じゃあなんで Linux を入れるの?」と。
その答えがこちら。
Geekbench でチェックしてみると…

| OS | シングル | マルチ |
| Windows | 781 | 2719 |
| openSUSE | 1320 | 3176 |
はい。Linux のほうが明らかにスコアが高いです!
軽量でバックグラウンドの無駄が少ない Linux 環境では、N150 のような控えめな CPU でも、本来の性能がしっかり発揮されます。つまり「Linuxを入れたら快適になった」っていうのは気のせいではなく、ガチで快適になります。
また、Linux であれば
- アップデートのタイミングは自分で決められる
- 使いたいデスクトップ環境も選べる
- 必要なものだけ入れて、無駄をなくせる
といったメリットもあり、自分のための OS を自分で作れる自由さが、Linux のいちばんの魅力です。
今回のまとめ

というわけで、今回は ACEMAGIC の N150 搭載ノート PC TX15 を紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
スペック的には控えめですが、Linuxマシンにはピッタリの一台でした。価格を抑えつつ、日常的な作業にはしっかり応えてくれるパフォーマンス。

そして、静音性・省電力・もちろん Windows のままで使っても良さげですが、Linuxとの相性の良さがいちばんですね。
- 学習用
- 開発検証用
- 趣味用の2台目
などに、良さそうな PC でした。
気になるお値段も、実売価格4万円以下と非常にリーズナブル。ちなみに、ACEMAGIC では、さらにハイスペックなモデルや 17.3 インチのモデルも扱っています。以下のボタンから、ぜひご自身の目でもチェックしてみてください。
といったところで、今回は以上となります。今回も最後までご覧いただき、本当にありがとうございます。
