Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの特徴。

先日のブログ記事で「PAE非対応PCで動作する32bit Linux」という内容のものを紹介しました。

今回は、もう一歩踏み込んで実際に動作させて見ました。

PAE 非対応パソコン。

PAE 非対応のパソコンで動作する Linux にはいくつか条件があります。

ですがまずその前に、毎度のことですがこのブログでは Linux をデスクトップ OS として使うことを前提としているので GUI 環境で操作できる Linux に限定しています。まずはその縛りででピックアップしたおよそ40種類の 32bit Linux をチェックしてみて、PAE 非対応のパソコンで動作する Linux ディストリビューションの特徴をまとめてみました。

ちなみに用意した PAE 非対応パソコンは、いつもの Qosmio です。

Qosmio のスペック

  • Toshiba Qosmio E10/2KLDEW
  • CPU: Pentium M 725 (1.60GHz)
  • RAM: PC-2700 2GB
  • Storage: SSD 120GB

このパソコンで動作した Linux ディストリビューションには以下の特徴がありました。

PAE 非対応パソコンで動作する Linux ディストリビューション

PAE 非対応パソコンで動作した Linux ディストリビューションの特徴は以下の通り。

  • ブートローダーまたはインストーラーが起動する。
  • ブートメニューに「PAE 強制」メニューがある。
  • ブートメニューオプションの追加・編集ができる。

ひとつずつ、説明していきます。

ブートローダーまたはインストーラーが起動する。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件
まずはブートローダーが起動することが条件。

そもそもブートローダーかインストーラーが起動しない Linux ディストリビューションは、ズバリあきらめてください。

PAE を強制して動作させたくてもブートローダーが起動しない時点で、システム要件を満たしていないため動作させることができません。素直にあきらめましょう。

ブートメニューに「PAE 強制」メニューがある。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件
Linux Mint の起動メニューには PAE を強制させる「Start with PAE forced」が用意されている。

コレは Linux Mint のブートローダーのメニューに見られる「Start with PAE forced」のことを指します。

実際に調べてみると、親切にメニュー一覧に表示されていたのは Linux Mint だけでした。(…見逃している可能性もありますが)ほかの 32bit Linux でも、PAE を強制して起動させるメニューがある場合には、その項目を選ぶと PAE 非対応パソコンでも Linux を起動させることができます。

ブートメニューオプションの追加・編集ができる。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件
起動メニューでオプションを追加・編集するタイプがいちばん多い。

いちばん多いタイプがコレになります。

オプションの追加で動作が確認できた Linux ディストリビューションは以下の通り。

  • Lubuntu
  • MX Linux
  • Peppermint
  • Trisqel GNU/Linux
  • Voyager (Ubuntuベース)

代表的なのは Lubuntu です。Ubuntu のヘルプを参考に作業してみました。

forcepae オプション。

Lubuntu の場合には、ブートメニュー一覧で [F6] キー (Other Options) を押します。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件

追加できるオプションの一覧が表示されますが、PAE についてのオプションがないため一旦 [ESC] キーを押し、追加オプションの一覧を閉じます。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件

すると、画面下部には以下のような起動オプションが表示されます。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件

> /casper/vmlinuz initrd=/casper/initrd file=/cdrom/preseed/lubuntu.seed boot=casper only-ubiquity quiet splash ---

このオプションに直接オプションを追加します。追加するオプションは以下の通り。

forcepae -- forcepae

実際に追加すると以下のようになります。

> /casper/vmlinuz initrd=/casper/initrd file=/cdrom/preseed/lubuntu.seed boot=casper only-ubiquity quiet splash ---forcepae -- forcepae

この起動オプションって、思ったよりもゆるく「~quiet splash」のあとにある「ハイフン×2」を削除しても大丈夫。また上記の例では「forcepae」「スペース」「ハイフン」「ハイフン」「スペース」「forcepae」と入力していますが、「スペース」が無くても起動しました。Ubuntu のヘルプでは以下のように入力されていたので、基本に忠実なのは以下の通りではないかと思います。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件

> /casper/vmlinuz initrd=/casper/initrd file=/cdrom/preseed/lubuntu.seed boot=casper only-ubiquity quiet splash forcepae -- forcepae

※「~quiet splash」「スペース」「forcepae」「スペース」「ハイフン」「ハイフン」「スペース」「forcepae」

forcepae オプションの応用

Peppermint, Trisqel GNU/Linux, Voyager はこの応用になります。Trisqel と Voyager は Lubuntu と同じ操作で問題ないのですが、Peppermint はファンクションキーでのオプション操作についての表示がありませんので、[TAB] キーを押してブートオプションを表示させてから編集します。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件
Peppermint の場合、起動オプションは [TAB] を押して編集する。

起動オプションが表示されたら、同じように「forcepae — forcepae」を追記します。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件
「~quiet splash –」のあとに「forcepae — forcepae」を追記します。

また MX Linux の場合、「Boot Options」の欄がはじめから表示されています。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件
ブートローダーが起動すると、すでに画面には「Boot Options」の文字が確認できる。

Boot Options にそのまま直接「forcepae」と入力すると、PAE 非対応パソコンでも起動させることができます。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件
MX の場合には「forcepae」と追記するだけで起動できる。

いずれの場合も「WARNING: Forcing PAE in CPU flags」と表示されれば、あとは起動を待つだけです。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件

起動にはおよそ5~7分程度かかるので、気長に待ちましょう。

Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。
Plop Boot Manager は2013年で開発が止まっているが、今でも現役でつかうことができる。

以前の動画のリベンジという意味も込めて、Plop Boot Manager を使って USB メモリからの起動にもチャレンジしてみました。

Plop Boot Manager とは USB デバイスからの起動に対応していないパソコンで、USB デバイスからの起動を可能にするプログラムです。(公式サイト▶https://www.plop.at/en/bootmanagers.html

結論から言えば、大成功!

ちゃんと USB メモリから起動させることができました。

Plop Boot Manager

まず肝心の Plop Boot Manager を用意しなければいけません。Plop Boot Manager はコチラからダウンロードしてください

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。
最新版は「5.0.15」。

Zip 形式で配布されているので、ダウンロードしたら展開します。

展開したファイルをよく見ると同じ名前のイメージファイルが2つあります。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。

コレだと区別がつかないので、拡張子を表示させます。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。

するとそのファイルが「.img」と「.iso」であることがわかります。ちなみにこの違いは…

  • .img … フロッピーディスク用
  • .iso … CD-R 用

ということでした。ファイルサイズを見ると納得します。

しかしフロッピーディスクって…。

と言いつつも、ちょっとあさったらいっぱい出てきた。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。
まだまだ出てきたけど、片付けるのがめんどうになるので…。ちなみに「漢字Talk 7.6 」のコピーでした。

話は脇道にそれてしまいましたが、「.img」はデータの読み書きができるメディア用のイメージファイルで、「.iso」は CD-R のように一度書き込むと変更ができないメディア用の拡張子のようですね。

今回(というか Youtube 用で作成したものを流用)は「.iso」で、USB メモリに書き込んだ Lubuntu, Mint, MX を試してみました。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。

Youtube で軽くふれていますが、Plop Boot Manager にはいくつかのオプションがあり、その際には [Shift]+[U] を押して USB 1.1 を強制するオプションを追加しました。Qosmio の USB は 2.0 なのですが、なぜかこのオプションを追加しないと起動してくれませんでした。理由はわかりませんが、起動したので良しとします。

コレで CD や DVD で起動させたときと同様にブートローダーが起動します。もちろんオプションを追加したりもできます。

ただし万が一、何かしらの問題が発生した場合には、時間をあけてから再度試してみるか、USB メモリのチェックや焼き直しをしてみてから再度試してみてください。

コレで無事に起動すればライブ環境も、インストールもすることも当然できます。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。
デスクトップには Plop Boot Manager も認識されてます。

ちなみに起動時間は、いずれも半分くらいの時間になりました。USB 2.0 は最大転送速度 60 MB/s (480 Mbps) なので、物理的な動作がある光学ディスクからの起動よりも速いです。というか Qosmio に搭載されている光学ドライブは DVD スーパーマルチドライブで、 DVD 読み出し最大速度は8倍速、データ転送速度は 11.08 MB/s (88.64 Mbps) になるので、数値的にもその違いが明らかですね。

ですが光学ディスクから起動させている場合と違いとても静かで、画面の動きもないため「フリーズした?」という不安が湧きます。なので USB メモリはアクセスランプがついているものがおすすめです。

まとめ。

Windows XP世代のPAE非対応PCで動作する32bit Linuxの条件Plop Boot Manager を使って USB メモリから起動させる。

PAE 非対応パソコンで動作する Linux ディストリビューションの条件は

  • ブートローダーまたはインストーラーが起動する。
  • ブートメニューに「PAE 強制」メニューがある。
  • ブートメニューオプションの追加・編集ができる。

です。

Plop Boot Manager を使って起動させる場合も条件は同じです。

可能な限り調べてみましたが、まだまだ確認できていない Linux ディストリビューションもあると思います。興味のある方は、まだ見ぬ PAE 非対応パソコンで動作する Linux ディストリビューションを探してみてはいかがでしょうか?