「表計算ソフトで税抜きの計算をするのにはどうしたら良いのですか?」と部下に聞かれたのですが…。
表計算ソフトに税込や税抜きを自動で計算する関数はない
Excelやスプレッドシートをはじめとした表計算ソフトには、計算を自動的にやってくれる便利な関数が多数存在します。ところが「税込」や「税抜き」を計算してくれる関数はどこにも存在しません。
しかし、ご安心ください。簡単な計算で税込価格や税抜き価格の計算ができます。
●A1セルの数値を税込にする場合(税率8%)
「=A1*(1+0.08)」または「=A1*1.08」●A1セルの数値を税抜きにする場合(税率8%)
「=A1/(1+0.08)」または「=A1/1.08」
これで、それぞれ税込・税抜きの計算ができます。
頭に大きな「?」が浮かぶ部下に納得させるには
質問をしてきた部下には、なぜこの「=A1/(1+0.08)」で税抜きの計算ができるのかまるで理解できていないようでした。これでは、また同じ計算をするときに困るのではないかと思い詳しく説明することにしました。
税込とは「本体+税金」です。数式で言うところの「(1+0.08)」の部分になります。中学校の頃の数学を思い出して計算して見ましょう。掛け算や割り算の場合、かっこの外にある数字はかっこの中にある数字にそれぞれ掛けたり割ったりします。
これを噛み砕いて表すと「=(A11)+(A10.08)」と言う数式になります。
実際には簡潔にできる数式は省いて表記するために「=A1(1+0.08)」または「=A11.08」と表記します。多くの人は、あとで数式を見たときに税率がわかりやすいよう「=A1*(1+0.08)」と表記する人が多いです。筆者もその一人です。
なぜ税抜きは割り算?
部下の疑問は「税抜き」を出すのに割り算が使われるかと言うことでした。これもやはり中学校の頃を思い出して計算して見ましょう。方程式の「右辺」と「左辺」の考え方です。
「本体(1)×(本体(1)+税率(0.08))=税込(1.08)」の税率を除くためには両辺に逆数を掛け(同じ数字で割り)ます。
「「本体(1)×(本体(1)+税率(0.08))÷(本体(1)+税率(0.08))=税込(1.08)÷(本体(1)+税率(0.08))」
分数にすると結構わかりやすいかもしれません。
まずは1.08を分数で表す。
税込 ÷ 108/100(分数)=税抜そして、それを掛け算にする。分数の掛け算の場合には分母と分子を反対にするので
税込 × 100/108(分数)=税抜
いかがでしょうか?イメージできました?
税込とは本体100%に対して+8%。つまり108/100という分数で表されます。「108%のうち本体は何%あるか」という数学の計算になります。
っと、偉そうなことを並べましたが、納得してもらえる説明に苦慮しました。そこで役だったのが「中学3年間の数学を8時間でやり直す本」 。
大人になって、改めて中学生時代の数学の大切さが身にしみました。中学生時代は「こんなの知らなくたって絶対に困らない!」なんて思っていたのは大間違いでしたね。うちの子供たちにも言って聞かせているのですが、実際に経験しないとなかなか響かないものです。
ムック本などでも、ちょっとしたヒントをもらえることもあるので1冊くらい手元にあっても良いかもしれませんね。