最近Chromium OSについて少しふれていましたが、Chromium OSの実験にちょうどよいパソコンを見つけました。職場の倉庫に眠っていた、あとは廃棄されるだけのノートパソコンです。

Windowsでは動作が重く、使用が厳しくなってきたのでLinuxをインストールして使っていました。しかもUbuntuでも結構もっさりしてしまうくらいだったので、さらに軽量版のLUbuntuで使用していたパソコン。

そのパソコンは富士通の法人向けノートパソコンFMV- C8250です。

スペックはCeleron M 530(1.73GHz)、RAM:1GB、HDD:40GBとモデルの中でも一番低スペックなものです。

富士通 FMV-C8250(2007年10月発表)

今回、このパソコンをChromiumbookにしてみましょう。

認識されないデバイス

まずは「Chromebookを買う前に」で用意した、インストール用のUSBメモリを使ってChromium OSを起動させました。

chromium OS
Chromium OSの画面はWebブラウザのアイコン以外、ほぼ同じです。

他のパソコンでも経験したのですが、FMV-C8250ではまずトラックパッドが認識されません。マウスがあれば接続して操作できます。また、マウスがなくてもキーボードで操作が可能です。

っとここまでは想定内でしたが、ここで思わぬトラブル。

FMV-C8250には無線LANのユニットが搭載されていなかったため、有線で接続していたのですが、そのLANモジュールが認識されませんでした。そこで、部屋の隅で眠っていたUSB接続できるWi-Fiの子機(BUFFALO WLI-UC-G301N)を接続しました。これはすんなり認識されました。

このように、パソコンによっては内蔵されるデバイスが認識されないことがよくあります。USB接続できるデバイスは意外にすんなり認識されるものが多いので、内蔵のデバイスが認識されない場合には同様の機能を果たすUSB接続のデバイスを試してみるとよいでしょう。

Chromebooksで使用できるファイル形式と外部デバイス

 

Chromium OSのキーボード操作

Chromium OSでキー操作をする場合に、初期設定の画面では主に「TAB」キーと「矢印」キー、「Enter」キーで操作できます。TABキーで項目を移動し、項目内のリストの移動を矢印キーで選択、決定にEnterキーを使います。初期設定が終わりChromium OSを起動させてからは、キーボードショートカットが役に立ちます。非常に多くのキーボードショートカットが存在しますが「Ctrl」+「Alt」+「?」で画面に表示されます。よく使うものから覚えていくと作業効率が上がります。

chromium OS
「Ctrl」+「Alt」+「?」で画面に表示されるChromium OSのキーボードショートカット一覧。

また、Chromebookヘルプページにも掲載されているので、こちらも参考にするとよいでしょう。

Chromebookヘルプ

 

Chromium OSの使い心地

Chromium OSが起動してしまうとUSBメモリからの起動でも、若干の重たさを感じるのは事実ですが思ったよりもよく動きます。先にも述べた通り、トラックパッドが使えないのですが、普段からマウスを使っているならば大きな問題ではありません。何よりこのスペックで、こんなにもストレス無く操作できることに感動を覚えます。

YouTubeも視聴してみました。再生し始めは若干カクカクしますが、きちんとバッファされるとスムーズに再生されます。

ですが、やはりUSBメモリで起動させるには限界があるのでしょう。所々で短いフリーズが起こります。

純正ではないが故に少なからず制約があるのも事実ですが、USBメモリからの起動でも、用途を絞って使えばわりと快適な環境だと思います。またChromium OSも、その機能自体はほぼChrome OSのため擬似 Chromebookを作ることができます。

 

Chromium OSをインストールする

FMV-C8250にChromium OSをインストールしました。基本設定を終えて動作確認をしてみました。やはり驚くべきはその起動の速さです。Googleの発表ではChrome OSの起動時間は15秒程度とのことでしたが、Chromium OSもその起動時間に匹敵するほどです。HDDからの起動ですが、まるでSSDから起動しているのかな?と思うほど早いです。

が、ここで問題発生です。

アプリなどは特に問題なく動作していたのですが、YouTubeを視聴してみようと動画を再生すると、USBメモリで起動させていた時には再生されていた音声が、HDDから起動したChromium OSでは出力することができま せんでした。

USB接続できるスピーカーを用意して、同様にYouTubeを視聴してみました。スピーカーは問題なく認識され音声を聞き取れました。どうやらUSB接続できるデバイスの多く(Windows環境で特別なドライバを必要としないもの)はちゃんと認識されるようです。

なんだか、モバイル向けではない感じになりましたが基本的な動作は非常に軽快でオフィスとかで書類作成する程度であれば十分に活用出来るレベルだと思います。

よってFMV-C8250でChromium OSを使う場合には文書作成などビジネスシーンでの使用が向いていることになります。

まぁ、元々FMV-C8250は法人向けのビジネスモデルなので大きな問題ではないでしょう。