Inkscape (インクスケープ)はオープンソースで開発されている Adobe Illustrator のようなベクトル画像編集ソフトウェア。
タダで使えるクロスプラットフォームのドローソフトというわけ。
機能的には市販のソフトに比べ、いくぶん見劣りするが十分に実用に耐えられる。
バージョンがまだ0.92.1(2018年3月現在)ってのが最新版だから、開発真っ只中。
これからどんどん使いやすくなっていくに違いない。
Inkscape の概要
基本的な機能は、描画・シェイプツール・テキストツール・ビットマップの埋め込み、レイヤー機能やカラーセクター(RGB・HSL・CMYK・カラーホイール・CMS)など、ドローソフトに必要な機能は揃っている。
テキストの扱いもパソコンにインストールされたフォントを使うことができ、右横書きにも対応しており、カーニングや文字間隔、行間隔の調整ができるので市販のドローソフトの代替えとして使える。
日本語にも対応はしているが、残念ながら縦書きはできない。
ここは注意しないと。
公式サイトには、わりと丁寧なチュートリアルがある。
ドローソフトの扱いに慣れている人であれば、基本的な使い方はわかると思うが「あれ?」と思った時に目を通すとよいかもしれない。
公式サイト:Inkscape https://inkscape.org/ja/
扱えるファイル形式
扱えるファイル形式は以下の通り。
- SVG 形式に完全に準拠したファイル作成と編集
- XML エディターにおけるドキュメントツリーのライブ表示および編集
- PNG
- OpenDocument 図形描画
- DXF
- sk1
- EPS
- PostScript 形式へのエクスポート
- エクスポートおよび変換のためのコマンドラインオプション
個人的な意見です。
図形描画のフリーソフトウェアといったら LibreOffice Draw なんかも含まれるが、どうもオフィス系のドローソフトは苦手だ。
というか使えないわけではないが、専用ソフトに比べ相当手間がかかる印象を持っている。
以前、仕事でA4サイズのチラシを作ることがあった。
デザイナー志望だった私は Adobe Illustrator が使いたかったが、その時の職場には存在せず、代わりにオフィス系のドローソフトを使った。
あなたもよく知るアレだ。
とにかく私が使いたい表現を実現するのに Illustrator であればものの数分ですむところを、あれこれやって1時間ほどかけてしまった。
使い慣れていないという言い訳もあるが、オフィス系のドローソフトは簡易的な図形やシンプルな抽象画を描くのにはちょうどよいが、チラシやポスターなどの作り込みには向いていないと強く感じた。
町内会のチラシや社内報、学校新聞程度のものであれば十分だろうが、より見栄えを気にするような印刷物などには不向きだと思う。
芸術性を求める作品には余計向かない。
あえて挑戦するのは別として。
そんな経験を踏まえて使って見た。
いちばん使い込んだのはバージョン0.4xころだったと思う。
Illustrator のない職場に、Illustrator のデータを送りつけてくる本社。
信じられん。
理不尽さを感じながらも、簡易の編集用として Inkscape を使っていた。
今となってはよい勉強だったと思える。
バージョンも0.92.1と進んだものの、いまだ力不足が否めないドローソフトではあるが、代替えとしては十分だと思う。
いや潜在的なポテンシャルはもっと高い。
その証拠に公式サイトのギャラリーに並んでいる力作を見てみるとわかる。
腕自慢の変態たち(褒め言葉です)による作品が並んでいるのだけれど「圧巻」の一言です。
これが全部 Inkscape だけで描かれたものだと思うとため息しか出ません。
「うわぁ〜。変態だぁ〜。」ってなりますよ。きっと。
見て!このサンドラ・ブロック。
写真かと思ったら、100% Inkscape で描いたものだって!
出典:Luiz Rezende https://luizrezende.deviantart.com/
いやぁ、ホント信じられない。
他にもスゴイとしか言いようのない作品が並んでいるので、ぜひあなたものぞいて見てください。
一見の価値あり。
Inkscape 公式サイト:ギャラリー https://inkscape.org/ja/gallery/
GIMP もそうだったようにバージョンが2とかになる頃、どんだけ高機能になるのだろう?
ワクワクしますね。