Ardour (アルドール)は DAW (デジタル・オーディオ・ワークステーション)および、マルチチャンネルの HDR (ハードディスクレコーダ)ソフト。
そもそも「 DAW ってナニ?」ていう人のためにざっくり説明すると、デジタル・オーディオ・ワークステーションの名前の通り、パソコンと楽器を接続して、演奏したり音楽を作ったりする時の中心となるソフトウェア。
デジタルで音声の録音や編集、ミキシングなど一連の作業ができるように構成されたシステムのことをいう。
Ardourはフリーソフトウェアながらプロ志向の DAW のため、複雑なオーディオ環境の制御や記録、編集に利用できる。
DTM 界隈で有名な Cubase や Pro Tools みたいなことを、タダでできるっていうから興味がわく。
Ardour の概要
録音能力は使うハードウェアによって制限されるが、ソフト側での制限は設けられていない。
ソフトのポテンシャルを活かすなら、ハイスペックなハードウェアが必要になる。
編集の特徴としてサンプル単位で自由に切り貼りすることができ、録音範囲のレイヤー化も可能。
曲と曲を違和感なく繋げるためのいろいろなクロスフェード編集ツールや、ビート検出ツールもある。
やり直し( Undoと Redo )は無制限にでき、あとから参照できるように現在のセッションをスナップショットとして保存する機能まである。
マスタリングでは CD などのメディアにおいて、記録した内容を書き込む TOC ファイルや、曲順や曲の長さを保存する CUE ファイルもエクスポートでき流ので、音楽 CD 制作も可能。
プラグインフォーマットはAU、Linux VST、LV2をサポートしている。
しかしVSTプラグインの大本であるスタインバーグ系のプラグインはデフォルトでは使えず、自分でArdourをコンパイルするか、コンパイルされたパッケージを探す必要がある。
主要なファイル形式
インポート
30種類以上にも及ぶ音声ファイルをオーディオクリップとしてインポートし、セッションに加えることができる。
エクスポート
セッション全体やセッションの一部を以下のフォーマットでエクスポートできる。
- WAV
- AIFF
- CAF
- BWF
- FLAC
- Ogg / Vorbisなど
個人的な意見です。
これまた専門用語が飛び交うソフトとなる。
DTM 界隈についてはあまり詳しくないので、いろいろとぼんやりした感じにはなるけれど、 Linux での DTM であればまずはこれをオススメしたい。
発表当時から評価が高く、機能もさることながら見た目も非常に高級感があり、市販のソフトウェアと遜色がない。
フリーソフトウェアといえどプロ志向の DAW なので、パッと見だと有償のソフトウェアに見えてしまう。
見た目だけで機能を判断することはできないが、インターフェイスのデザインも重要な機能のひとつ。
使い勝手に通じるところがあるので見逃せない。
どんなに高機能なソフトウェアでも、使いにくいインターフェイスだと敬遠しがちだ。( GIMP のコトを言っているわけではありません)
せっかくの高機能もインターフェイスのせいで使いこなせないのは、実に悲しい。(繰り返しますが、 GIMP のコトを言っているわけではありません)
この DAW には Cubase にあるコードアシスタントやコードパッドと言った便利な機能はないものの、Linux 環境においてはかなり守備範囲が広くパワフルだ。
クロスプラットフォームなので Windows や macOS でも使うことができる。
正直なところ他のプラットフォームで使うメリットはあまりないが、コスト面や Linux 環境という条件で DAW を使うなら最有力候補と言える。
お金のないアマチュアミュージシャンや教育機関ではそのキャラクターを発揮できるに違いない。
Linux でも十分に「コンピュータ・ミュージック」環境を整えられるコトを証明しているソフトウェアだ。
より詳しく知りたい人は
プロジェクト公式サイト:http://www.ardour.org/