Alldocube iPlay 70 mini Ultra

以前に ALLDOCUBE iPlay 60 mini Turbo をレビューいたしましたが、Snapdragon 6 Gen1 搭載の 8.4 インチタブレットってだけで、だいぶ満足度が高かったです。ただ、3D グラフィックスばりばりの重量級ゲームとかになると、どうしても重たさを感じていました。
ですが、今回紹介する iPlay 70 mini Ultra はさらにさらに満足度の高いデバイスになっていました。
「8.8インチの野生を解き放て!」という、なかなか力強いコピーで販売中の iPlay 70 mini Ultra は 2025年4月10日に世界同時発表された後、破格のセールで品切れが続出するほど人気です。
まぁ、セールとしてもインパクトのあるものだったこともあったのでしょうが、8 インチクラスでは破格の性能に注目するユーザーも少なかったはず。いずれにせよ、今回はこの ALLDOCUBE iPlay 70 mini Ultra と、iPlay 60 mini Turo を比較しながら見ていきましょう。
購入を迷われている方の参考になれば幸いです。
SoC について

まずは、Alldocube が PR に最も力を入れている SoC について語らせてください。
SoC に Qualcomm 社の Snapdragon 搭載というのがまずは目を引くところです。Qualcomm 社は ARM プロセッサの世界を牽引していると言って過言ではないでしょう。そして Qualcomm 社の開発する Snapdragon といえば、その性能と安定性の高さは、みなさんもご存知のことと思います。
もう Snapdragon 搭載というだけで、安心感がありますよね。
ですが「8インチクラス」というサイズは、意外とプロセッサの選択肢が少ないカテゴリです。たとえばこのクラスには Apple の iPad mini がありますが、プロセッサで言えば旧世代のもの。8インチというカテゴリーはサブ機としてのイメージが強いせいか、フラグシップのプロセッサーが搭載されることは、まずありません。

とはいえパフォーマンスの高さで言えばなかなかのものです。8インチクラスで言えばハイエンドといえる性能です。そこに来て Android では、これに本気で張り合える機種って、ほぼ見かけません。ちなみに iPad mini の価格は 78,800 円から。
Lenovo が Snapdragon 8 Gen 3 を積んだハイエンド機を出していますが、性能もさることながら価格も iPad mini 並み。

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近年、8インチクラスのタブレットの種類も増えつつありますが、どちらかというと性能は抑え気味で、価格に注力したようなデバイスが少なくありません。つまり、ミドルクラスやハイエンドクラスの領域で勝負するのは難しいというのが、Android メーカーの本音かもしれません。
一方の、安価なタブレット市場では、MediaTek や UNISOC を積んだ端末が溢れています。これらのプロセッサも高性能になってきましたが、ここ数年で、かつてミドルレンジだった SoC が、今では“エントリー向け”に分類されるようになってきました。性能の基準が、確実に上がってきているのです。
そこで注目されるのが、Snapdragon 7 クラス。Snapdragon 8 ほど高価でもなく、かといって廉価版 SoC のようなもたつきも少ない、いわゆる真のミドルレンジ。このちょうどいいバランスが、今の Android タブレット市場にとっては意外な“空白地帯”を埋める存在になっているわけです。
今回のこの iPlay 70 mini Ultra は、そんなミドルレンジのプロセッサを搭載した上に、高リフレッシュレートのディスプレイを搭載しているため、その性能は確実に体感出来るほど向上しています。
つまり、
- 「ストレスの少ない快適さ」
- 「持ち運びやすいサイズ感」
- 「必要十分な処理性能」
その3つが、しっかり揃っているデバイスと言えます。
ということで、改めて iPlay 70 mini Ultra の仕様を見ていきましょう。
スペックについて

iPlay 70 mini Ultra に搭載されている SoC は Snapdragon 7+ Gen 3。iPlay 60 mini Turbo の Snapdragon 6 Gen 1 と比較すると、シリーズも世代も上。これだけでも性能の高さが伺えます。
OS は Android 14 ベースにカスタマイズされた独自 OS の ALLDOCUBE OS 3.0L。ゲームモードや、仮想メモリ機能などが追加されています。ちなみにゲームモードでは、アプリを最高のパフォーマンスで動作させる機能とのことですが、そのぶん電力消費が増える可能性があります。ってか、増えますね。
ココらへんのパフォーマンスについては、後ほどベンチマークチェックで紹介いたしますが、笑みがこぼれました!
そして、メモリは 12GB LPDDR5X を搭載し、仮想メモリ最大 8GB を追加することができます。ストレージは 256GB UFS 3.1 で、最大 1TB micro SD を拡張可能。残念ながら SIM は非対応です。

ディスプレイは 8.8 インチと、サイズアップ。だけじゃない、解像度も 2560×1600 WQXGA (Wide Quad-XGA) アスペクト比 8:5 の 343ppi 解像度、最大輝度 500nit と性能アップし、リフレッシュレートも 60Hz、90Hz、120Hz、144Hz と4段階で設定できます。ただし、シーンによってリフレッシュレートが変化するわけではなく、常時設定になるため、設定によってはバッテリーの減りは早くなります。

120Hz でも十分ヌルヌル感を味わえるので、個人的には 120Hz で使うのがおすすめです。
iPlay 60 mini Turbo のディスプレイ 1920×1200 WUXGA (Wide Ultra-XGA) 270ppi 解像度で、最大輝度 350nit と比べると、目に見えて性能アップしています。

Bluetooth も 5.4 になり、さらに、サウンド機能も DTS デジタルサラウンドに対応。
4K ビデオコードと DP 出力をサポート、さらにさらに Widevine L1 対応なので、ゲームも動画もエンターテイメントにはバッチリのスペックです。

バッテリーも 5500mAh から 7300mAh に容量アップしたので、長時間の使用にも耐えられます。
カメラについては、デザイン以外、目立った変更はありません。デザインが二眼っぽくなりましたが、一方はライトになっています。

3.5mm オーディオジャックは、やっぱりありませんが、まぁなんとかなるでしょう。
ベンチマークチェック

カタログスペックを見ただけでも、そのパフォーマンスの高さがわかりますが、ベンチマークチェックアプリでは、どう評価されるのでしょうか?AnTuTu、Geekbench、PerformanceTEST、3DMark にて、素の状態と、ゲームモードを有効+RAM 拡張、そして iPlay 60 mini Turbo とを比較しました。
AnTuTu

Geekbench (CPU)

Geekbench (Compute)

PerformanceTEST

3DMark

いずれの結果を見ても iPlay 60 mini Turbo を圧倒しているのは間違いありません。
で、ゲームモードについてですが、AnTuTu と PerformanceTEST では、スコアが下がっていましたが Geekbench の CPU と 3DMark では少しスコアが上がっています。でも正直、誤差程度というくらいです。詳細な数値を見てみると、グラフィックス性能を向上させるというよりも CPU のパフォーマンスを効率化させる感じ。
通常、CPU は、高性能のコアと、パフォーマンスを抑えた電力効率のよいコアの組み合わせですが、おそらく高性能コアをメインで使うようにするモードなんじゃないかなぁと思います。詳しくはわかりませんが。
ちなみに、コアの構成はコチラ。
Snapdragon 7+ Gen 3 のコア構成
- 1 × Cortex-X4, 2.8GHz
- 4 × Cortex-A720, 2.57GHz
- 3 × Cortex-A55, 1.8GHz
この構成だけでも、性能が高そうに見えます。いずれにしろ、AnTuTu 100万点超えのデバイスは久しぶり!なるほど、野生が解き放たれているわけですね。なんか、打って出た感じがヒシヒシと伝わってきます。
実際に使ってみた

で、実際に使ってみたわけですが、動画視聴はもちろんですが、やっぱりゲーム性能は見逃せません。
正直、最高設定は少々キビシイですが、中程度の設定であれば、プロセッサの性能とリフレッシュレートでヌルヌル動いてくれていました。ただ、バッテリーが 5500mAh から 7300mAh にアップした理由も頷けます。このパフォーマンスを維持するために必要だったのでしょう。
体感では iPlay 60 mini Turbo と同じくらいの使用時間に思えました。実際に時間の計測はしませんでしたが、通常のホーム画面でも450〜600mA 程度の消費電力。Call of Duty をプレイしていた際には 750mA〜1500mA の間で電力が消費されていました。
仮にフルの 1500mA で使い続けたとしたら、およそ 5 時間(約4時間52分)使える計算です。ちなみに、最も電力を使わない状態で、平均して 500mA 程度の電力消費だと仮定すると、およそ 14.6 時間(14時間36分)使えます。
性能を一定時間維持するために必要だったのでしょうが、使い方によっては、余裕のあるバッテリー容量とも言えますね。
あとスペックのところで Wi-Fi についてお伝えし忘れていましたが、もちろん 2.4GHz と 5GHz のデュアルバンド Wi-Fi です。SIM 非対応のモデルなので、利用範囲が限られるのが残念です。これほど高性能で明るい画面のタブレットを屋外でも、安心して使えたならと思うと、SIM 対応していないのが残念です。
って、そんな方に向けた iPlay 70 mini Pro も登場しています。ただしコチラは Ultra ほどのスペックはありません。スペックを取るか、利便性を取るかで、選ぶモデルが決まるでしょう。
今回のまとめ

ということで、今回は ALLDOCUBE iPlay 70 mini Ultra をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
Snapdragon 7+ Gen 3 搭載で、ちょうどいい“高性能”と価格のバランスを実現したモデルでした。従来の iPlay 60 mini Turbo から、性能も画面も大きく進化しつつ、それでもなお「手の届く価格帯」に収まっているのがポイントです。リフレッシュレートは最大 144Hz まで対応していて、設定次第ではバッテリー消費も変わりますが、そこは用途に合わせて選べる柔軟さが魅力ですね。

そして何より、動画視聴や SNS、軽めのゲームだけでなく、中〜重量級のゲームまで快適に楽しめる点は、従来の8インチタブレットにはなかった体験かもしれません。
🔽こんな人におすすめです
- 小型で高性能な Android タブレットを探している人
- iPad mini は高すぎる…と感じる人
- iPlay 60 mini Turbo の後継として、もう一段階上の使い心地が欲しい人
先程も一瞬話しましたが、同じ iPlay 70 mini シリーズで SIM 対応モデルの「Pro」も発売されましたが、性能重視ならこの Ultra がベストかもしれません。ぜひご自身の目でもしっかりとご確認いただければと思います。
といったところで、今回は以上となります。今回も最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
なんちゃってエンジニアリング PC-FREEDOM のコダシマでした。