Slack Ware 系と聞くと小難しそうな印象を受けてしまう私ですが、それはサーバー利用(というか、CUI環境というか…)での話であって、デスクトップ OS として使うとなるとむしろ OS として熟成されていて使いやすい。

そんな代表が openSUSE かな?

どんな OS ?

openSUSE Geeko

画面のあちこちにカメレンがいる Linux といえば「あぁっ!」ってなる人もいるかと思う。

このカメレオンの名前は Geeko(ギーコ)。

コンピュータおたくを意味する ”Geek” と、ヤモリを意味する “Geko” を掛け合わせたのが名前の由来。

いささか皮肉っぽさを感じてしまうが、センスはいいな。

ディストリビューションとしての歴史はそこそこ古く、初のリリースは1994年3月とかなりかなり早い段階からリリースされている。

そのためあってか日本語にもバッチリ対応している。

openSUSE

またインストールも Ubuntu 系をはじめてとした一般的な Linux と大差ないため、初心者にもとっつきやすい。

openSUSE

アプリケーションも LibreOffice や Firefox など、名の知れたものがパッケージされているためすぐに使い始めることができる。

openSUSE

ただしマルチメディア関連については初期段階で入っていないので、別途追加しなければいけない。

表面的な見た目だけに止まらず、OS 自体は安定性の評価がべらぼうに高い Slackware 系の Linux 。

これからプログラミングを始めたい人や、サーバーなどのエンジニアリングについて学びたい人には特にオススメしたい。

日本では影の薄い感じの openSUSE だけれども、実は定番中の定番。

屈指の実力を持ったディストリビューション。

openSUSE の特徴

最新版では 64bit 版だけ配布されている。

openSUSE ダウンロード

しかし非公式ではあるものの 32bit 版や PPC 版も存在している。

またざまざまなデスクトップ環境を選ぶことができるようになっているため、ア

カウントごとにデスクトップ環境を変えるなんてことも出来る。

ちなみに初期設定でのデスクトップ環境は KDE が一般的。

というか個人的には openSUSE = KDE というイメージだが、GNOMEやXfceなど様々なディスクトップ環境を選べる。

MATE で openSUSE
MATE 版の openSUSE

ソフトウェアの管理や更新には YaST を使い、パッケージ形式には Red Hat 系と同じ RPM が採用されている。

新しくソフトウェアを追加する場合に YaST を使うわけだが、macOS や Ubuntu 系などで見られるストア的なものではない。

一応GUIでの操作が可能だが、いろいろと手間がかかるため初心者向けとは言い難い。

YaST

しかし慣れてくると、必要なパッケージだけをインストールできたり、依存関係を自動的に補ってくれたりと痒いところに手が届くツールと言える。

システム要件

公式には 64bit 版だけのリリースではあるものの、 Slackware 系はそもそもが軽量なため、openSUSE も軽量になっている。

最小システム要件

  • Pentium4 1.6GHz以上で amd64に対応するプロセッサ
  • 1GB 以上のシステムメモリ(RAM)
  • 5GB 以上のストレージ(CUI環境の場合は3GB)
  • インターネット接続
  • インストール用の DVD ドライブまたは USB ポート

推奨システム要件

  • 2GHz 以上のデュアルコアプロセッサ
  • 2GB 以上のシステムメモリ(RAM)
  • 40GB 以上のストレージ
  • インターネット接続
  • インストール用の DVD ドライブまたは USB ポート

主なアプリケーション

  • LibreOffice
  • GIMP
  • Firefox
  • Kmail(メーラー)

などここら辺は Linux らしいラインナップ。

個人的な意見です。

いちばんに伝えたいのが日本語環境について。

ほかの外国産ディストリビューションの場合、日本語でインストールできても日本語の入力環境はインストール後に整えなければいけないのが多い。

そこにきて openSUSE は日本語の入力環境までインストールの作業だけで完結してしまう。

だから使い始めるまでは、ほかのディストリビューションよりも格段に早い。

ただ以前 openSUSE を使った時に、認識しないデバイスがあるなど苦労した経験があり、どちらかといえば今まで敬遠していたが、最近のバージョンでそんなことは見かけなくなった。

現在は日本語環境といい随分とユーザーフレンドリーになっている。

中身の頑強さは以前から玄人連中の折り紙つきだったが、外身もだいぶ初心者に優しくなった。

特別手の込んだことをやる必要がなければ、これだけで十分だ。

また slackware 系では、パッケージ化されたアプリケーション群もほとんどいじられておらず、素に近い状態から設定できるため、Linux の勉強にはもってこい。

さらにプログラムの開発環境も整えやすいといえば、職人気質のユーザーでも納得のディストリビューションとも言える。

羊の皮を被ったオオカミというべきディストリビューションだと感じる。

まとめ

良い点

  • インストールが簡単なうえ日本語環境の整えやすさはダントツ。GUIは初心者向けかも。
  • いろいろなデスクトップ環境を取っ替え引っ替えできる。
  • 中身は質実剛健な Slackware 系 Linux なので、プログラミングやエンジニアリングの勉強にはもってこい!

悪い点

  • インストール直後はマルチメディア系のソフトウェアが入っていない。
  • またあえて言えば、いろいろなデスクトップ環境を切り替えて使えるのはいいが、そのデスクトップ環境ごとのアクセサリが一覧で表示されるのが気になる。

システム要件

  • 2GHz 以上のデュアルコアプロセッサ
  • 2GB 以上のシステムメモリ(RAM)
  • 25GB 以上のストレージ
  • インターネット接続
  • インストール用の DVD ドライブまたは USB ポート

インストール

インストール自体は、ほかの Ubuntu 系と大差ないので、 Ubuntu 系のディストリビューションをインストールしたことがある人であれば問題はない。

追記:

本文でも書いた通り以前にも openSUSE にチャレンジしたことがある。

その時はなぜかネットワーク系の設定がうまく行かず、Wi-Fi を使うことができなかった。

ほかのデバイスにも不具合があってうまく動作しないところもあったが、いちばん印象に残っているのはネットワーク系のトラブル。

なぜなら本来ネットワーク管理に向いているディストロだったにも関わらず、 openSUSE を悪者扱いしてしまった。

今となっては、そもそもの Wi-Fi 機器の問題もあったのだと理解しているが、当時の私はそれがわからなかった若気の至り。

時は流れ、私は openSUSE が研ぎ澄まさされ熟成した、安心の OS となっていることを理解できる大人になりました。

サーバー構築やら開発環境やらを勉強したい人なら、絶対オススメのディストリビューション。

openSUSE ⇒ https://www.opensuse.org/