じゃない方の Android: カスタム ROM いろいろ。
Android といえばスマートフォンやタブレット向けのモバイル OS ですが、実は「カスタム ROM」と呼ばれるさまざまな派生の OS があります。
今回はそんな「じゃない方の Android」気になるおすすめカスタム ROM 6種類を紹介します。
はじめに。
正直なところ、カスタム ROM について色々調べるまでは「Linux などの PC 向けの OS とは違って、SoC (System-on-a-Chip) で構成されるデバイスでは、なかなか汎用的な OS って難しんじゃないかな?」とか、「Linux であればサーバーとかビジネス的な面でも活用できるけど、モバイルデバイスの OS ってビジネス的な使い方ってどうなの?」とかいう偏見があったため、それほど数は存在しないのではないかと思っていました。
が、コレが大間違い。
探せば探すほど、出てくる出てくるカスタム ROM 。
大小さまざまなプロジェクトで開発されているたくさんのカスタム ROM がありました。
その中で、コダシマが特に気になった6種類のカスタム ROM を紹介します。
そもそもカスタム ROM って?
それぞれのカスタム ROM を紹介する前に、そもそもカスタム ROM とは何か?
カスタム ROM をご存じない方のために少し説明しておきます。
まず Andoroid は Google の AOSP (Android Open Source Project) が開発した、モバイルデバイス向けのオペレーティング・システムで、その名前の通り、オープンソースなのでソースコードは誰でも入手することができます。
スマートフォンやタブレットなどの各メーカーは、このソースコードに各端末で動作するよう手を加えインストールして販売しています。
そのソースコードを利用して、世界中の有志が開発した OS が「カスタム ROM」と呼ばれます。
このカスタム ROM を導入すると、どんなメリットとデメリットがあるのかをお話していきます。
メリット
- 最新の OS を試すことができる。(セキュリティアップデート切れの OS にサヨナラできます)
- 日本語未対応の機種でも日本語化できる。(選ぶカスタム ROM によっては、より多くのデバイスに対応しています)
- OS を変えることができる。(Android ベースがほとんどですが、それ以外にもいくつかあります)
ココらへんがカスタム ROM を導入するメリットであり理由でもあります。
デメリット(というかリスク)
- メーカー公式のアップデートや公式の保証が無くなる。(中古品であれば今更かも)
- 失敗すると文鎮化する。(はじめのうちは Google 公式デバイス Nexus シリーズとかで肩慣らし)
- アンロックするのでセキュリティが低下する。(あとでちゃんとロックしておきましょう)
個人的にはこれらのデメリットよりも、古いデバイスでも最新の環境が使えるというメリットのほうが大きいように思います。
でなければコレほどたくさんのカスタム ROM は存在しないと思います。
今回はカスタム ROM の紹介を目的としているので、インストールしたデバイスが、ちゃんと SIM カードを認識して電話として機能するか、お財布ケータイやワンセグなどの機能は一切チェックしていません。
まぁ、そういった機種も現時点で持ってないですし…。
ここらへんは機会があれば深堀りしていきたいと思います。
それでは気になる「じゃない方の Android」を紹介していきます。
LineageOS (LOS ROM)
LineageOS は、以前に存在したカスタム ROM 「CyanogenMod」の後継として、2016年12月24日から GitHub にてソースコードが公開された、最も有名なカスタム ROM のひとつです。
LineageOS は、操作感覚やデバイスの安定性、セキュリティ、速度を OEM レベルで提供することを目的としています。
カスタム ROM に興味を持った方であれば、一度は名前を聞いたことがあるかと思います。
LineageOS で公式にサポートしているデバイスは、Nightly および Manthly のアップデートも提供しています。
ですが、サーバーの都合で、古いデバイスのサポートを順次打ち切っているようです。
削除された中にはかつて Google 公式デバイスだった Nexus5 や Nexus5X も含まれており、現在では公式サイトからダウンロードできません。
が、さすがは Nexus シリーズ。
特に Nexus5 は Sorceforeg にて「hammerhead-lineageos」として、非公式ながら開発が続けられており、最新バージョンの Android をインストールできます。
Nexus5の場合には、パーティションを変更したりする作業もあるので、他より余計に手間がかかったりもしますが、古いデバイスでも最新の環境を扱うことができる喜びを味わうことができます。
ROM とデバイスの両方のソースコードは完全なオープンソースによるものなので、多くのカスタム ROMの開発のベースとしても LineageOS は使われており、実際にたくさんの派生が生まれています。
crDroid Android (crDroid ROM)
そんな LineageOS の派生のひとつが crDroid Android です。
crDroidは、パフォーマンスと信頼性を高めるように設計されています。
が、それより何よりコダシマが気になったのが、ホルスの目を象ったロゴマーク。
はじめは「なんで?」とか思ったのですが、ホルスの目の意味を思い出すと「なるほど」となりました。
ホルスの目をご存じない方のために簡単に説明すると、
ホルスの目は古代エジプトのシンボルで、左目を「ウアジェト(ウジャト)の目」と呼ばれ、月の象徴となっています。ウアジェトは下エジプトの守護女神の名前です。
右目は「ラーの目」と呼ばれ、太陽の象徴となっています。ラーはエジプト神話の太陽神の名前です。
でウアジェトの目は「すべてを見通す目」「癒やし・修復・再生」の象徴ともされています。
つまりは、このウアジェトの目の意味を当てはめると、古いデバイスを「癒やし・修復・再生」するということなのでしょう。
実際にとても軽量で、古いデバイスでも最新の Android が比較的軽快に動作してくれます。
非公式版ではありますが Nexus7 にインストールして Kindle や Prime Video などの視聴用デバイス「 Fire タブレットもどき」として使っています。
/e/
/e/ も LineageOS をベースとして開発されていますが、ちょっと風変わりなカスタム ROM として知られています。
機能やパフォーマンス、バッテリーの持ちなどを重視して開発される Android カスタム ROM が多い中で、この「/e/」は、プライバシーを重視した「脱 Google」 と言われるカスタム ROM です。
Google に関わるアプリをすべて除外しているのが特徴です。
そうなると気になるのがアプリについて。
多くのカスタム ROM の場合、OpenGApps などの Google アプリをインストールしますが、
/e/ は脱 Google ということでどんな感じなのかな?とちょっと心配しました。
ですが /e/ では microG という Google サービスの代替えを行うことができるオープンソースのライブラリが用意されており、その他も該当する適切なアプリケーションに置き換えられています。
検索すれば Google のアプリはもちろん Amazon の各種アプリや Twitter などの SNS アプリも普通にインストールできます。
また UI は iOS にも似た使い心地の Bliss Launcher が採用されており、他のカスタム ROM とひと味もふた味も違ったものになっています。
対応は主にスマホ中心。タブレットは少ない。
OmniRom
こちらも有名なカスタム ROM のひとつ。
ルーツはやはり CyanogenMod にありますが、ベースは LineageOS ではなく素の AOSP をベースとしています。
CyanogenMod の開発を行っていたメンバー数名が集結してコミュニティを立ち上げ、カスタム ROM の開発をはじめました。
たくさんの機能を追加するよりも安定性を優先して開発されています。
OmniROM も多くのカスタム ROM プロジェクトのベースとしても使用されます。
豊富なアプリや、豊富な機能、安定性、セキュリティが優れ、人気の高いカスタム ROM となっています。
また、カスタムリカバリーとして有名な TWRP (Team Win Recovery Project) は、OmniROM の GitHub 組織にもあり、ソースコードもここから手に入れる事ができます。
AOSP Extended (AEX ROM)
ここからは開発者向けのコミュニティサイト XDA Developers で人気の高いカスタム ROM を紹介します。
AOSP Extended は、XDA 認定コントリビューター(寄稿者)の ishubhamsingh 氏によって開発された Android カスタム ROM です。
名前の通り AOSP をベースとして、安定性を重視しつつ、LineageOS や OmniROM などのさまざまなカスタム ROM から優れた機能を選び追加して提供しています。
また AOSP Extended は、設定の中に拡張設定が追加されており、ステータスバーや通知パネル、ナビゲーションやアプリ履歴になどに至るまで、細かな設定を行うことができます。
使ってみてとても安定感があり、比較的多くのデバイスに対応しているため試して見る価値ありです。
pixelexperience
pixelexperience も XDA 認定コントリビューター(寄稿者)の jhenrique09 氏によって開発された Android カスタム ROM です。
Pixel 以外のデバイスでも Pixel 同様の機能を体験できるようにすることを目的として開発されています。
そのため Pixel Experience では Pixel 固有の機能である、Pixel Exclusive Sounds や Wallpapers、Now Playing on thelock 画面などを利用できます。
安定性とセキュリティの維持を目指しながら、比較的多くのデバイスをサポートしています。
まとめ。
ということで、今回のまとめです。
今回は「じゃない方の Android」として、コダシマが個人的に気になるカスタム ROM
以上の6種類を紹介しました。
他にも、実にたくさんのカスタム ROM が開発されています。
いろいろいじってみてまた第2弾とかやってみたいと思います。
おまけ。
ここ最近はカスタム ROM にどっぷりハマり、色々試してみましたが、はじめのうちは Nexus シリーズがおすすめです。
というのも、Google 公式ということで発売された Nexus シリーズはグローバルモデルなので出荷台数がとても多く、中古も手に入りやすいうえ、対応するカスタム ROM やその情報もとても多いです。
そして何より、万が一しくじって、どうしようもなくなったときは出荷状態に戻すことができる「Factory Image」が手に入ります。
物理的な破損で文鎮化したわけでなければ、だいたいコレでなんとかなります。
ということで、もしもカスタムに興味を持ってはじめて見ようと考えている方は Nexus シリーズがおすすめです。
やらかしても、授業料として諦めがつく金額かな?とも思いますしね。
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