今さら聞けないOSの32bit版と64bit版の違いとは?

2019年7月31日

新しい OS(特に Windows )が発表されるたびに OS の「 32bit 版」と「 64b it版」の2種類あることに気がつくと思います。32bit 版と 64bit 版の違いと言われても「 64bit 版の方が数字が大きいから性能が良い」くらいにしか思っていないと思いますが…。

実際に家電量販店などで店員さんに 32bit 版と 64bit 版の違いを聞いてみても「 64bit 版の方が性能が良い」と答えてくれます。

でも、実際に 32bit 版とくらべ 64bit 版がどう性能が良いのか、具体的には何が違うのか以外と知りません。そこで、今回は 32bit 版と 64bit 版にはどのような違いがあるか確かめてみましょう。

bit(ビット)について

まず、bit(ビット)について復習しておきましょう。

bit(ビット)とはコンピュータが扱う情報の最小単位のことです。

コンピュータが扱う情報とは「0」と「1」、つまり電気が ON か OFF か、回路に電気が流れているか流れていないかの二択です。これを「二進数」と呼び、「2のn乗」というのがキリの良い数字になります。

例えば、現在使用されているアルファベット26文字に、数字と記号を加えたもの全てを二進数で表すには8bit(=256通り)あれば十分に足りるため、8bit=1Byte(B)というのがひとつの基準になりました。

参考:PC-FREEDOM MBとかGBとか何なの?

32bit版と64bit版の違い

大きく分けて以下の4つの違いがあります。

  • CPU が扱える情報量が違う
  • 扱えるプログラムが違う
  • 扱えるメモリの容量が違う
  • 扱えるストレージの容量が違う

それぞれについて解説します。

参考:Microsoft 32 ビットと 64 ビットの Windows: よく寄せられる質問

CPUが扱える情報量が違う

先ほど復習したbitから考えるとわかりますが、

32bit 版OSの場合

32bit 版 OS の場合、CPU の扱えるデータの幅も 32bit で制御するので 2の32乗 の情報、つまり「4,294,967,296個」の情報を一気に計算できます。

64bit版OSの場合

64bit 版 OS の場合、CPU の扱えるデータの幅を 64bit で制御できるので 2の64乗 の情報、つまり「18,446,744,073,709,551,616個」の情報を一気に計算できます。

以上のように、CPU が 64bit に対応していなければ 64bit の OS を起動させることはできません。

最近の PC に搭載されている CPU であれば問題はないと思いますが、一応 32bit に対応している CPU は「Pentium M」「Celeron M」「Duron」などで、64bit に対応している CPU は「Core i3 / i5 / i7」「Celeron Dual-Core」「Atom」などです。

よほど古い PC でなければ、この問題にあたることはないと思いますが、もしも該当する PC であれば、そろそろ買い替えを検討された方が良いです。

扱えるプログラムが違う

CPU が扱える情報量が異なるため、64bit 版に対応した CPU をフルに使うためにはプログラムも 64bit 用に設計する必要があります。 64bit 用に設計されたソフトウェアを 64bit 版の OS で使用すれば 32bit 版の OS よりも高速で処理を行うことができます。ソフトウェアが 64bit に未対応だった場合でも、変換して処理を行うため 100% のパフォーマンスを発揮することはできません。また、たまに動かないソフトウェアもあるので注意が必要です。

ちなみに、64bit 版のソフトウェアは 32bit 版の OSで 動かないことの方が多いです。

扱えるメモリの容量が違う

特に目立つ違いがここです。よく言われる違いでもあるので、しっかり覚えておきましょう。

32bit 版 OS の場合

32bit 版 OS の場合、最大で約 4GB までのメモリしか扱うことができません。

CPU の違いでも触れた通り、32bit 値のサイズがこれ以上受け付けないことが原因です。

2の32乗 = 4,294,967,295個のアドレスが利用可能
4,294,967,295B / 1024 × 1024 × 1024 ≒ 4GB

CPU がメモリを扱うために、メモリに「アドレス(番地のようなもの)」を作ります。上記の計算の通り 32bit 版の OSで は 4,294,967,295 個のアドレスを管理することができます。そして、1つのアドレスに対して 1B を割り振っているので、結果 4GB しか扱えないことになります。

そして、この 4GB とは OS が扱うことができる最大値で、実際の OS ではシステムの必須機能に数百 MB 程度のメモリを使用するため、実際にわたしたちが使えるメモリの容量は最大 3〜3.5GB 程度になります。

また、最大容量を超えたメモリを搭載しても、アドレスは OS が扱える 4GB 分しか割り振らないため余った領域は使うことができず無駄になります。

64bit 版 OS の場合

64bit 版 OS の場合、32bit 版にくらべ大幅に最大容量が増えます。

同じように計算してみましょう。

2の64乗 = 18,446,744,073,709,551,615個のアドレスが利用可能
4,294,967,295Byte / 1024 × 1024 × 1024 = 17,179,869,184 GB  = 16,777,216TB ≒ 16EB
※1EB(エクサバイト) = 2の60乗

っという具合に、約 171 億 GB = 160 万 TB =1 6EB という途方もなく大きな数になります。

とは言っても、現在はここまで扱うことはできません。あくまでも理論値になります。ある程度、制限をかけないとハードウェア側が扱いきれなくなります。使用可能なメモリの上限は OS のエディションごとに異なりますので必要な場合は確認してみてください。

参考:Microsoft Memory Limits for Windows and Windows Serfer Release

扱えるHDDの容量が違う

HDD もメモリと同様に扱える容量が異なります。

32bit 版 OS の場合

32bit 版 OS の場合、最大で2TBの容量を持つ HDD を扱うことができます。

HDD などの記憶装置の最少記録単位を「セクタ」といい、メモリの時と同様に HDD の各セクタに対してアドレスを割り当てます。

現在主流になっているセクタサイズは 512B となっているので、512B で計算してみましょう。

2の32乗 = 4,294,967,295個のアドレスが利用可能
4,294,967,295 × 512B / 1024 × 1024 × 1024 × 1024 ≒ 2TB

64bit 版 OS の場合

64bit 版 OS の場合もメモリと同様に理論値では1 6EB まで扱うことができますが、これだけの容量を扱える記憶装置は今のところありません。

また、記憶装置の場合には OS だけの問題ではなくなります。例えば、ディスクパーティションの管理方法や起動ドライブとしての使用、マザーボードの対応など、難しい専門用語の世界に入っていきます。

最近では 2TB の容量を持つ HDD がたくさん販売される世の中になり、いずれ 32bit の制限を超える大容量の HDD が当たり前に流通するようになると思われますが、今のところはそこまで心配しなくても良いでしょう。

まとめ

今回はだいぶ長くなりましたが、32bit 版 OS と 64bit 版 OS の違い(主にWindows)を解説しました。

64bit 版 OS もだいぶ普及してきましたが、まだまだ世の中では 32bit 時代のリソースを利用しているところも少なくないため、32bit 版 OS も必要不可欠です。2つの違いを知ることで、自分の環境だとどちらを選べば良いかを知ることができるようになります。

OS の購入や PC の購入のときに、ぜひ役立ててください。

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