少し PC に詳しくなってくると、HDD や SSD も容量だけでなくスペックも気になってくるもの。
実際に HDD / SSD のレビューなどでは、フリーソフトウェアの CrystalDiskMark (以降CDM)などを使いスペックを表示していることがよくある。
僕なんか、なんとなく「数字が大きければ高性能」みたいな感じで、ボンヤリと数字を見ていた。
また HDD と SSD の違いについても、「HDD は物理的な動作を伴い、SSD は電気信号だけだから SSD の方が早い」程度しか知らない。
もう一歩踏み込んで、今回は CDM に表示される数値の意味を知っていこうと思う。
CrystalDiskMark の使い方
ストレージのベンチマーク測定といえばいちばんに名前が挙がる定番中の定番。
CDM の使い方はいたってシンプル。
いくつか設定項目があるが、基本的にデフォルトのままでOK。
画面上部、左側からテスト回数、テスト容量を何GiB使うか、ストレージ選択の順。
テスト回数はデフォルトで5回。
5回計測して一番良いスコアが最後に残る。
テスト容量は1GiB。
ちなみに1GiBは1024KBのこと。
単位については重要な注意点として公式サイトに挙げられているので確認しておくとよい。
ストレージ選択は計測したいものを選ぶ。
実質の変更すべき設定はここだけでだろう。
計測したいストレージが決まれば、あとは「All」をクリックするだけ。
計測にはしばらく時間がかかるので、お茶でも飲んでゆっくりしておこう。
画面構成
実際に計測された数値と一緒に画面の構成を見ていこう。

まず僕が気になったのは「Q32T1」の意味。
そもそも「Q」と「T」ってなんだ???
「Q」と「T」はざっくり以下のような意味。
- Q = Queue (キュー):順番待ちのデータ構造。
- T = Thread (スレッド): CPU の利用単位。
なので、例えば一行目の「 Seq Q32T1」であれば
データの順番待ちが32あって、CPU の利用は1という意味になる。
うむ。
頭の中のモザイクが若干薄くなった感じだな。
でもまだよくわからん。
各項目をもう少し詳しく調べてみる。
Sea Q32T1
- シーケンシャルアクセス マルチキュー&マルチスレッド(デフォルトは32キュー、1スレッド)
- ブロックサイズ512 KB
4 KiB Q8T8
- ランダムアクセス マルチキュー&マルチスレッド(デフォルトは8キュー、8スレッド)
- ブロックサイズ 4 KiB
4 KiB Q32T1
- ランダムアクセス マルチキュー&マルチスレッド(デフォルトは32キュー、1スレッド)
- ブロックサイズ 4 KiB
4 KiB Q1T1
- ランダムアクセス シングルキュー&シングルスレッド
- ブロックサイズ 4 KiB
「シーケンシャルアクセス」と「ランダムアクセス」
またしても、「シーケンシャルアクセス」とか「ランダムアクセス」とか出てきた。
これらももう一歩踏み込んでみよう。
シーケンシャルアクセス
シーケンシャルとは規則正しく並んでいるということをいう。
すなわちシーケンシャルアクセスとは、規則正しく順に並んでいるデータにアクセス流ことをいう。
別名:順次アクセス
ランダムアクセス
順番にアクセスするシーケンシャルアクセスに対して、なんらかのアドレス付による番号などで、データの並び順に関係なく目的のデータに直接アクセスすることをいう。
別名:直接アクセス
ふむ。
シーケンシャルは順番にアクセスして、ランダムはデータのあるところに直接アクセスするってことか。
なるほど、だからランダムか。
「マルチキュー」と「マルチスレッド」
それで「マルチキュー」と「マルチスレッド」は?
マルチキュー
ネイティブコマンドキューイング(NCQ)という技術に対応している場合に、複数のコマンドキュー(命令の待ち行列)が入っても処理できる。
って、ネイティブコマンドキューイングって?
ネイティブコマンドキューイング(NCQ)
ハードディスクは回転しているため、データの読み書きをするときには必要な場所へのヘッド移動時間(シーク時間)だけでなく、ディスクの回転待ち時間がどうしても必要になる。
この待ち時間は、RAM などと比較すれば非常に長い時間であり、ディスク高速化への障害の一つであった。
そこで発案されたのが、Command Queuing(コマンドキューイング)という方法。
これは最初に複数のコマンドを受けてキューに溜め込み、それをプログラムに記述された順序を無視(out of order)し、ヘッドの移動が最小限に済むような順序で処理する。
これによりシーク速度と回転待ち時間を減らし、高速化を実現した。
マルチスレッド
複数の処理の流れを並行して進めることができる。
マルチキューは NCQ ってのに対応していないとダメなんだな。
んで、マルチスレッドってのはいっぺんに処理をするってことか。
なるほど、これではじめの項目を噛み砕いてみる。
Sea Q32T1
512 KB のサイズの 32 の順番待ちのデータに対して、CPUの利用を 1 として順番にアクセスする。
わかったような、わからないような…。
次の項目は、
4 KiB Q8T8
4 KiB のサイズの 8 のデータに対して、CPU の利用を 8 としてそれぞれのデータに直接アクセスする。
まだ微妙だな…。
さらに次の項目。
4 KiB Q32T1
4 KiB のサイズの 32 のデータに対して、CPU の利用を 1 としてそれぞれのデータに直接アクセスする。
この項目は NCQ 対応ディスク対象の項目らしい。
ふむふむ。
最後の項目は、
4 KiB Q1T1
4 KiB のサイズの 1 のデータに対して、CPU の利用を 1 としてそれぞれのデータに直接アクセスする。
うむ。
とりあえずわかったのは、一定のデータのブロックをいくつかのパターンでディスクに読み書きさせて、その速度を測っているってことだ。
サンプルデータで、比較してみるとわかりやすいかも。
【Amazon.co.jp 限定】Crucial SSD 120GB BX500 内蔵2.5インチ
その名の通り、 Amazon で買った Crucial の SSD 。
Amazon で見てみる→
https://amzn.to/2CnNapF
この記事で使っていたスクリーンショットは、すべてこの SSD のもの。
さすがはメジャーブラドの SSD といった結果。
Patriotバースト2.5″ 120 GB SATA III内蔵ソリッドステートドライブ(SSD)
こちらは、RAM などで見かけるメーカーのもの。
同じく Amazon でかったものだが、Crucial のものよりも 1,000 円近く安い普及版の SSD 。
Amazon で見てみる→ https://amzn.to/2Bx9ifw
こちらも、価格の割に素晴らしい結果が出た。
しかし!実はこの SSD にはチョットした出来事があったので、別の記事で詳しく紹介したい。
▶【激安SSD】Patriot Burst 2.5″ 120 GB を買ってみた。
DREVO X1 SSD 120GB 2.5インチ TLC採用 SATA3 6Gb/s 3年保証 内蔵SSD
これもまた Amazon で買ったもので、値段は Patriot の SSD と同等。
ゲーミングキーボードを販売している中国メーカーの普及版 SSD 。
Amazon で見てみる→ https://amzn.to/2A5mY1G
シーケンシャルアクセスは他のものとそれほど差はみられなかったが、ランダムアクセスの数値が急激に悪くなっているのがわかる。
同程度の容量をもつ SSD でも、価格に幅があるのはブランド力のほかにも性能の差があることを理解して選ばなければいけない。
ちなみに
WD ゲーミング / クリエイティブ HDD 内蔵ハードディスク 3.5インチ 1TB WD Black
だいぶ古くなってしまったが、SSD との比較で計測してみた。
3.5インチではあるものの、数値的に 2.5インチ程度しか速度がでていない。
古くても SATA-300 なんだけどなぁ。
というよりも、明らかに SSD よりも低い数値なのがわかる。
あれ?NCQオフになってるのかな?
後で確認してみよう。
個人的な意見ですが、
古いノートパソコン用に、まるで高いクジ引きでもしている気分で、安価な SSD を何種類か使ってみた。
メジャーブランドのものは Amazon のレビューなどにも CDM で計測した数値が挙げられているが、マイナーなものについては情報が少ない。
たとえハズレても、先に述べた通り古いノートパソコンであればそこそこ使えるだろうと思い決意した。
今回はわりと当たりだった気がする。
この記事が、あなたの SSD や HDD の購入の際に役立てばうれしい。
今回少し詳しく数値を見られるようになったので、それぞれの SSD について別記事にてもう少し詳しくレビューしてみたいと思う。