Chromebookはスペックの低いパソコンでもサクサク動くので人気が高まっています。そして、そのChromebookと同等の環境を作ることができるChromium OSです。

「スペックの低いパソコン」と言っても、実際どれくらいのものが使えるのかという情報が乏しいのが事実です。「Chromium OSを利用するのに最低限必要なスペックは?」「どれくらい低いスペックでも大丈夫なの?」ということでまずは販売されているChromebookから見てみます。

Chromebookのスペック

Samsung Chromebookいちばん最初に発売されたChromebookは2011年6月に発売されたSamsung Series 5 XE500C21です。

このパソコンの構成がChrome OSが問題なく動作する、基本的な必要スペックだと思われます。

このパソコンのスペックは以下の通りです。

CPU:Intel Atom N570 1.66GHz(2コア4スレッド64bit対応)
RAM:DDR3 2GB
ストレージ:eMMC 16GB

ですが、実際にはこのパソコンよりも低スペックなパソコンでもChromium OSは動作しました。

Chromium OSが動作する最低限のスペックは?

DELL Mini 9Samsung Series 5 XE500C21よりも低スペックなパソコンということで、ウチにあったDELL Inspiron Mini 9にChromium OSをインストールしてみました。DELL Inspiron Mini 9はいわゆるネットブックです。

このネットブックにもちゃんとChromium OSをインストールすることができ、動作も確認できました。しかも思いのほかちゃんと動きました。

DELL Inspiron Mini 9の基本スペックは以下の通りです。

CPU:Intel Atom N270 1.66GHz(1コア2スレッド32bit)
RAM:DDR2 512MB
ストレージ:SSD 4GB

当時、DELL Inspiron Mini 9はBTOで販売され、さらに自分でカスタマイズもしていたので実際にウチにあったDELL Inspiron Mini 9のスペックは以下の通りになります。

CPU:Intel Atom N270 1.66GHz(1コア2スレッド32bit)
RAM:DDR2 2GB
ストレージ:SSD 16GB

この環境でもChromium OSを動作させることができました。

Intel Atom N270はPentium IIIの廉価版Celeron 900MHz程度のスペックです。Chromebookよりも低スペックで動作するので、もう少し詳しくChromium OSの動作環境を調べてみることにしました。

Chromium OSの必須条件

調べてみると、Chromiu OSの動作にはCPUのPAEとSSEの機能が必要です。

PAE(Physical Address Extension)物理アドレス拡張の略
…Intel社のプロセッサPentium Pro(1995年11月発売)以降に搭載されている。

SSE(Streaming SIMD Extensions)マルチメディア拡張命令セット
…Intel社のプロセッサPentium III(1999年2月発売)以降に搭載されている。

一部 Pentium M、Celeron MプロセッサでPAEをサポートしないものがありますが、Coreシリーズでは全てサポートされています。

ここから読み解くと最低限Pentium III以上のCPUが必要だと思われます。

インターネット上の情報では

・PAEやSSE3の機能を持ったPentium4以降のプロセッサ
・512MB以上のメモリ
・3GB以上のストレージ

Intel Atom N270とありました。ここに「SSE3」とあるのでPentium 4以降のプロセッサが必要ということでしょう。

確かにAtom N270はPentium IIIとPentium 4の間くらいに発表されたCPUなので、動作するのも何となくうなずけます。ちなみにAtom N270はSamsung Series 5 XE500C21に搭載されていたAtom N570の1世代前のプロセッサです。

さらに、Google Chromeのシステム要件を調べたところ

・Intel Pentium 4以降のプロセッサ(SSE2対応)
・350MB以上の空き容量
・512MB以上のRAM

ということで、OSのベースがブラウザなので少なくともGoogle Chromeが動作する環境以上のスペックが必要なのはこれで判明しました。

参照:Google Chromeのダウンロードとインストール

最低限のスペックが判明しましたが、Chromium OSのインストールに使うイメージデータのサイズはおよそ2.5GBあるので、流通している最小限のストレージ容量を選ぶとすれば4GBになります。

さらに、現行のChromebookではRAMが2GB以上なので、快適に使うのであれば、CPUのほかRAMやストレージは現行のChromebook程度のものが良いでしょう。

現行のChromebookのスペック

ちなみに、現行のChromebook(2015年11月現在)のスペックは

CPU:Intel Celeron N2830またはIntel Celeron 2955U
RAM:2GB〜4GB
ストレージ:eMMC 16GBまたはSSD16GB

これらが一般的です。

今、販売されているChromebookに搭載されているプロセッサはいずれも2コア以上のプロセッサです。Celeronブランドではありますが第3世代Atomプロセッサや、Haswellマイクロアーキテクチャ(第4世代Intel Coreプロセッサと同じ世代)のCeleronプロセッサです。

低スペックとは言えそれなりのスペックはあります。

Intel系以外にもARM系のプロセッサを搭載しているChromebookもあります。使われているのはExynos 5 Dual(Exynos 5250)やRockchip RK3288Cなど。

イメージとすればiPad Airくらいのスペックというところです。

まとめ

Chromium OSを動作させるために最低限必要とされるスペックは

CPU:Pentium 4
RAM:512MB
ストレージ:4GB

ということになります。

これ以上のスペックを持ったパソコンをお持ちであれば、一度試してみるのもいいかもしれません。

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