数回にわたって紹介してきた CloudReady をいよいよインストールしてみた。
さすが企業が提供するオペレーティングシステム。
起動するかどうか不安があったが、無事に起動した。
その軌跡を今回は紹介したい。
CloudReady をインストールする
さて今回は、前回作っインストール用 USB スティックを使い、CloudReady をインストールしてみる。
CloudReady をインストールするのに必要なスペックは以下の通り。
- CPU: 2008年以降のプロセッサ
- RAM: 2GB 以上
- DISK: 16GB 以上
そして今回テストに使うパソコンは、富士通の FMV C-8250 改。
スペックは以下の通り。
- CPU:Intel Core 2 Duo T5500 1.66GHz
- RAM:4GB
- HDD:80GB
ちなみに、FMV の改造の様子は以下の動画でご覧ください。
充分に必要なシステム条件を満たしているので、この FMV にインストールしてみることにした。
ただしストレージは SSD ではなく HDD に戻してある。
CloudReady のインストールで必要なものは、スペックのほかにネットワーク環境が必要になる。
ネットワークにつながず、スタンドアローンで使おうとしても、インストールすることもできない。
Web ブラウザベースのオペレーティングシステムだからと言ってしまえば身もフタもないが、今の世の中で何かしらのネットワークにつながずにいる方が難しい。
とにかく、インストールするパソコンには何かしらでネットワークにつながなければいけない。
今回のテストマシンには Wi-Fi アダプタが内蔵されていないため、有線接続か USB 接続できる Wi-Fi アダプタのいずれかになる。
用意したのは Buffalo の Wi-Fi アダプタ WLI-UC-G301N 。
BIOS の設定を確認し、パソコンを起動。
当たり前だがロゴは “ cloudready “ となっている。
表示言語の設定
初期設定は英語になっているので、まずは表示言語とキーボードの設定を変更する。
言語の設定にはもちろん日本語もあるので、日本語を選択する。
言語の設定をすると、それに伴ったキーボードの一覧が用意されるので、その中から選ぶ。
ユーザー補助機能の設定
音声でのフィードバックや、大きいマウスカーソルなどの機能のオンオフができる。
ちなみに画面中ほどに書かれている “ Enable debugging features “ はデバック機能を有効にする項目。
この機能を有効にするには一定の作業が必要になるので、このタイミングで「続行」ボタンをクリックしてもエラーになってしまう。
ネットワークへの接続
接続できるネットワークの一覧が表示される。
この中からインターネットへ接続するネットワークを選ぶ。
今回は Wi-Fi アダプタを使いワイヤレスでネットワークにアクセスしたので、もちろんパスワードの入力が必要になった。
有線 LAN でネットワークに接続する場合には、この手順は省かれる。
匿名データの収集について
“ Anonymous Data Collection “ には匿名データの収集についてのプライバシーポリシーが記載されている。
問題がなければ [ CONTINUE ] をクリックし先に進める。
「Chromebook」へログイン
Google アカウントを入力し先に進む。
Google アカウントのパスワードが求められるので、入力し先に進める。
プロフィール画像の設定
一覧のなかから好きな画像を選ぶことができる。
もちろん普段自分がアイコンで使っている画像も含まれている。
以上の設定が終わると、いよいよ CloudReady が起動する。
通常の Chromium OS をディスクへのインストールする場合、[ Ctrl ] + [ Alt ] + [ T ] でターミナルを開き、インストールコマンド( install/dev/sda )を入力してインストールする。
現在installコマンドは使えないみたいです。
しかしこの CloudReady には “ Install OS “ というボタンがあり、これをクリックするだけでインストールが始まる。
ClooudReady Installer
インストーラーでは2つの確認がされる。
ClooudReady インストーラー
開始する前に、データの最新のバックアップがあることを確認してください。 CloudReady をインストールすると、ハードドライブ上のすべてのデータが上書きされます。
Neverware isa はデータ損失の責任を負わず、CloudReady が未認証モデルで期待どおりに動作することを保証しません。
続行する準備ができている場合は、[Install CloudReady …]をクリックして、簡単な手順でインストールを進めます。コンピュータを変更する前に、もう一度確認する機会があります。
CloudReady をインストールする準備ができました
最後の1つのリマインダー。インストールはハードドライブ全体を消去します。バックアップしたいデータがあることを確認してください。
インストールが開始されると、取り消すことはできません。
と、脅しのような確認がされるが、問題がなければウィンドウ右下の [Erase Hard Drive & Install CloudReady] をクリックするとインストールが始まる。
CloudReady インストールの進行中
インストールが進行中です。機械の電源を切らないでください。インストールには20分以上かかることはありません。インストール後に自動的にシャットダウンします。
上記の通り、インストールにおよそ20分かかる。
またインストールが終了すると、いつの間にかひっそりとシャットダウンしている。
起動させれば CloudReady が立ち上がり、FMV も疑似 Chromebook になった。
インターネットへのアクセスは、さすがというべきか非常に快適。
Youtube ももちろん視聴できる。
がしかし、スペックの都合かは定かでないが、解像度の制限がかけられるようだ。
また僕は Amazon Prime に登録しているのだけれど、Amazon Video も Music も Flash Player を必要とするため、インストール直後は利用できない。
Amazon Video や Music を利用する場合には、設定画面を開き「 Media Plugins 」から「 Adobe Flash 」と「 Proprietary Media Components 」をインストールし再起動することで、使うことができるようになる。
個人的な意見ですが、
今回は、余っている HDD にインストールしてみた。
SSD 搭載マシンほどとはいかないが、HDD のマシンにしてはそこそこ動いてくれる。
しかしスマートフォンやタブレット PC ばかり使っていると、立ち上がりの弱さを感じざるを得ない。
Youtube などの動画再生だと、余計に重たさを感じる。
まぁ、スペックのせいもあるだろうけれど。
てか最近のデバイスはハンパないね。
それでも、Google ドキュメントの使い心地はそれほど悪くはなかった。
やっぱりドキュメントやスライドなどを立ち上げた際も、レスポンスの悪さを感じるものの、いったん立ち上がりのアクセスが落ち着けば、普通に使えるようになる。
何しろ、この記事の下書きは CloudReady をインストールした FMV で行ったのだから間違いない。
今回のようなケースの場合、僕的に「使っているマシンが低スペックだから」という意識が働き、他のアプリをあまり立ち上げずに用途を絞って使おうとする。
そのため、作業に集中できるという好循環が生まれる。
Chrome OS には、ほかのオペレーティングシステムにはない、なんとも言えない魅力がある。
「何でもあり」というわけではなけれども、「コレしかできない」をとことんまで突き詰めたオペレーティングシステムだと思う。
その結果 Web 端末としてはもちろん、デスクトップ OS としても十分な機能を持ち、パソコンのリソースを最大限に活かせるものとなった。
Windows 7 がサポート切れとなった 2017年を機に、価格の安い Chromebook を導入する企業が増えており、Chrome OS が日本でも徐々に普及しつつある。
書類が作れて、コミュニケーションが取れるならば Chrome OS でも十分。
Android との微妙な関係がずっと続いているものの、まだしばらく Chrome OS は存在し続けるものだと思う。
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