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【人気 Linux】System76 の Pop!_OS 21.04 をインストールしてみた。気になる COSMIC ってどんな感じ?

【人気 Linux】System76 の Pop!_OS 21.04 をインストールしてみた。気になる COSMIC ってどんな感じ?

【人気 Linux】System76 の Pop!_OS 21.04 をインストールしてみた。気になる COSMIC ってどんな感じ?

Pop!_OS はココ最近とても注目されており、人気も高まってきている Linux ディストリビューションです。

Linux 関連でトップクラスの情報量を誇る DistroWatch.com のアクセスランキングで、ここ最近は必ずトップ5に入っています。

その人気は本家の Ubuntu を凌ぎます。(最近では EndeoverOS の勢いもすごいですね!)

Pop!_OS とは?

https://pop.system76.com/

Pop!_OS は米国の Linux コンピュータメーカー System76 によって開発されている Ubuntu をベースとした Linux ディストリビューションです。

ちなみに表記する際には Pop の後の ! (エクスクラメーションマーク) と_ (アンダーバー) を入れる必要があるようです。(毎回言ってます。)

デスクトップ環境にはカスタマイズされた GNOME が採用されており、基本的には System76 によって構築されたコンピュータにバンドルされていますが、System76 の公式サイトから Pop!_OS をダウンロードすることができます。

インストール。

今回も Pop!_OS をインストールするマシンは、中華製 PC Jumper Ezbook X3 です。

Jumper Ezbook X3

以前紹介したあと、Pop!_OS 関連の情報を眺めていたら 20.04 のときに日本語でのインストールすると、インストールが正常に完了しないという事象があったようです。

幸いなことにコダシマは遭遇しませんでしたが、そのような場合には英語のままインストールし、インストール後に日本語環境を設定するというのが推奨されていたようです。

知りませんでした。

なので、コダシマは今回も普通に日本語でインストールしました。

Pop!_OS の新機能。

新機能というかいちばんのトピックスは、なんと言っても新しいデスクトップ環境でしょう。

「COSMIC」と名付けられた GNOME ベースのデスクトップには「カスタムドック」と「ショートカットコントロール」が追加されました。

ちなみに COSMIC は「Computer Operating System Main Interface Components」の略らしいです。

2021年のはじめに Pop!_OS のデスクトップ環境について予想しました。

以前の記事▶どうなる?2021年の気になるLinux【8選】勝手に大予想!

コダシマは KDE Plasma エディションとかが来るかなーと思ったのですが、ブレずに GNOME にこだわったという感じですかね。

というか、そもそもディストリビューションだけを開発しているプロジェクトというわけではないので、ひとつの環境を徹底的に作り込んで、より完成度を高めるという方が健全かもしれませんね。

で、GNOME の名前を出すと「ノーム」なのか「グノーム」なのかという読み方についての議論が起こっていましたが、最近の Wikipedia では読み方の表記に「グノーム」と表記されるようになりました。

特に英語圏の方は「ノーム」と読みたいようです。

ぶっちゃけどちらでも良いようなのですが、個人的にはプロジェクトに敬意を払い「グノーム」と読んでいます。

それはそうと、ベースとなった GNOME は 3.38.4 と決して新しいものというわけではありません。

また、インストールしてみると先日紹介した Ubuntu Web にも似たドックパネルのあるレイアウトです。

以前の記事▶【対ChromeBook !?】Ubuntu Web をインストールしてみた~ Ubuntu + Firefox という新しい挑戦!~

初期設定の段階でカスタマイズしますが、あとからでも変更することができます。

というか、設定方法やデスクトップ環境との統合具合を見ると、どうも Ubuntu Web と同じく Dash to Panel っぽいですね。

Linux のドックアプリといえば Plank や Cairo-Dock などが知られます。

単体で使用するぶんには何も問題はありませんが、これらはデスクトップ環境との統合にあまり向いていないようです。

一方の Dash to Panel は、そもそもが GNOME の拡張機能のひとつなので、特に GNOME デスクトップ環境との統合に向いています。

https://extensions.gnome.org/extension/1160/dash-to-panel/

登場したてのころの GNOME Shell は、使いにくいだの拡張性に乏しいだのと散々言われ、ユーザーもだいぶ離れたと聞きます。

その件があったせいなのかは定かではありませんが、現在の GNOME は様々な拡張機能により、とても柔軟なデスクトップ環境になっています。

この Dash to Panel もその一つで、GNOME Shell のレイアウトに馴染めないユーザーのための拡張機能です。

Dash to Panel を実装することで Windows ライクな見た目を実現します。

このレイアウトって Chrome OS にも似てるし、先日発表された Windows 11 にも似てますね。

見た目こそ Windows 11 のものと似ていますが、使い心地は Windows というより macOS のほうが近いかもしれません。

てか、Windows 11 のインターフェイスって、知っている人は知っていると思うのですが、中国の Linux Deepin に酷似していると思いました。

ボクだけですかね?

いずれにしろ、この機能を実装するために、あえて最新の GNOME ではなかったのでしょう。

ドックが画面下中央にあるのって macOS が初めだと記憶していますが、インターフェイスとしてはこのほうが使いやすいのだと思われます。

コダシマはドックパネル大好きです。

ドックパネルを実装した Linux  (例えば Voyager とか) だったり macOS っぽくカスタマイズして使ったりしました。

以前の記事▶最新の Manjaro Linux を最新の macOS 風にカスタマイズしてみた。

それに、以前はあまり好きではなかった画面左に並ぶパネル、例えば Ubuntu のとか MX Linux のとかのパネルも使い慣れると病みつきです。

つまりコダシマの場合、画面のどこかにドックパネルがあれば良いことがわかりました。

なので、ドックパネルのない素のままの GNOME はあまり好きではなく、Ubuntu Dock などのようにドックパネルがある GNOME が好きということを最近になってようやく気が付きました。

Pop!_OS の COSMIC は、そんなドックパネル好きユーザーのためのデスクトップ環境になったのではないでしょうか?

Pop!_OS を使ってみる。

以前に Pop!_OS を紹介した際にも話したのですが、設定画面の項目は Ubuntu や Fedora, openSUSE の GNOME より設定できる項目が多くなっています。

日本語翻訳されていない項目も少なくありませんが、それほど難易度の高い英語ではないので、より細かく自分好みにカスタマイズするには良いでしょう。

さらに Pop!_OS の特徴と言えるべき機能、タイル表示のスタッキングです。

Pop!_OS は GNOME デスクトップでありながら、デフォルトでタイル表示させる機能が含まれています。

イロイロとキーボードショートカットを覚える必要がありますが、覚えてしまうとマウス操作より相当速く操作ができるようになります。

コダシマの場合、調べ物をしながらメモを取ったりするときに、このスタッキングが重宝します。

なんて感じで浮かれているところ問題発生。

なんと、日本語入力ができません。

日本語入力できるまで。

インストールは問題なかったので油断していました。

一応、日本語対応しているとはいえ、そもそも System76 は日本で展開されていないため、どうしても対応が遅いのかもしれません。

なので、自力でなんとかしましょう。

インストールのときに KKC (Kana Kanji Conversion) をインストールしていたので、てっきりインストール直後から日本語入力できるものだと信じておりました。

ですが、結論から言うと改めて iBus-Mozc をインストールします。

手順自体は面倒ではありますが難しくありません。

…が、ちょっと苦戦しました。

手順をまとめたので参考になれば幸いです。

  1. 「設定」⇒「地域と言語」⇒「インストールされている言語の管理」
  2. 「言語サポート」⇒「不足しているパッケージのインストール」
    ここで必要な ibus と mozc がインストールされます。
  3. パッケージのインストールが終わったら再起動 or 再ログイン。※再起動推奨。
  4. 「設定」⇒「Keyboard」⇒「入力ソース」⇒「+」
  5. 「入力ソース」⇒「日本語」⇒「日本語 (Mozc)」⇒「追加」
  6. 再起動 or 再ログイン。※再起動推奨。
  7. 必要に応じてキーボードレイアウトや入力切替の調整をする。

合間に再起動とかを挟まないと、うまく設定が反映されないため、それに気づかないうちは苦戦してました。

デスクトップ環境に統合されているせいなのでしょうか?

ということで日本語環境の設定をしましたが、結局 KKC は何だったのでしょうか?

気が向いたら調べてみます。

Flatpak 対応。

もう一つ注目すべき点は Flatpak の対応。

ベースとなっている Ubuntu は、パッケージ管理として Snap を採用していますが、Pop!_OS の場合にはそれとはまた違う Flatpak を採用しています。

いずれもディストリビューションに依存しないパッケージなのですが、先日ツイートしたとおり Snap と Flatpak の違いがわかりません。

知ってることで言えば、Snap は 2014年に Canonical が Ubuntu 向けに開発した、ディストリビューションに依存しないパッケージ形式で、Arch や Gentoo、Fedora などでサポートされています。

一方の Flatpak は、独立したオープンソースプロジェクトが2015年に開発したパッケージ形式で、主なコントリビューター(寄稿者)は Fedora です。

Snap が Canonical 社によってひとつのリポジトリで管理されているのに対し、Flatpak は複数のリポジトリを使って Flatpak パッケージをインストールしたり更新したり出来ます。

Flatpak のほうが自由度が高い感じがしますね。

知ってるのはそれくらいです。

まとめ。

という感じで Pop!_OS についてまとめていきたいと思います。

以前紹介した 20.10 の動画も合わせて見ていただくと、より Pop!_OS のことがわかるかと思います。

以前は「見た目が違う Ubuntu 」という印象を持っていましたが、最近では Pop!_OS と Ubuntu にだいぶ違いが出てきたように思います。

まずは、

2つのバージョン。

Pop!_OS には搭載されているグラフィックボードに対応する Intel / AMD と NVIDIA のバージョンがあります。後から NVIDIA のドライバを追加することもできますが、どちらか迷う場合には NVIDIA を選ぶと良いかと思います。

インストーラー。

 はとてもシンプルで、ユーザー設定などはインストールの後に行うようになっています。

プライバシーと暗号化。

これもインストールのときに設定できます。暗号化も自由に設定できるので、お好みで設定してみてください。

スタッキング機能。

コンポジット型の GNOME でありながら、タイル型のデスクトップにすることも出来きます。

COSMIC デスクトップ。

さらに今回のリリースで登場した GNOME ベースの COSMIC デスクトップ。明確な情報はありませんが、おそらく Dash to Panel を GNOME に統合させ、さらにカスタムしたデスクトップ環境です。

Windows と macOS のインターフェイスのいいとこ取りみたいな感じがします。

ただし、日本語入力環境については改めて手直しが必要なため、今後の改善に期待するところですが、Linux の良さは自分で調整できるところです。腕試しに自分好みの日本語入力環境を構築してみるのも面白いでしょう。

Flatpak 対応。

パッケージ管理では、より自由度の高い Flatpak が採用され、たくさんのパッケージを手軽に利用することができるようになりました。

他にも、通知をオフにするサイレントモードやゲーム関連の機能、独自で用意しているドライバなどなど他にもたくさんの魅力があります。

以前に「 Ubuntu の焼き増し」と思っていた自分が恥ずかしくなってきました。

同じ Ubuntu 派生の Linux Mint ともまた違った進化を続ける Pop!_OS に興味を持った方は、是非チェックしてみてください。

Pop!_OS をチェックしてみる!▶https://pop.system76.com/

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