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【32ビットPC復活!】安心の USB メモリ起動: Plop Boot Manager & RawWrite for Windows ガイド

【32ビットPC復活!】安心の USB メモリ起動: Plop Boot Manager with RawWrite for Windows ガイド

【32ビットPC復活!】安心の USB メモリ起動: Plop Boot Manager with RawWrite for Windows ガイド

フロッピーディスクドライブしかないパソコンだったり、USB メモリから起動できない古いパソコンだったりで、Linux のインストールができないって方おられませんか?

安心してください!ありますよ!

そんな古いパソコンでも USB メモリから起動させる方法がございます!

先日の 32 ビットパソコンの動画にコメントをいただいたこともあり、今回もまた 32 ビットパソコンの復活方法として、本来なら USB メモリから起動できないパソコンで、USB メモリから OS を起動させる方法をご紹介いたします。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

USB メモリから起動できない?

最近のパソコンでは BIOS や UEFI の設定さえしていれば、USB メモリから起動できないなんてまず考えられません。

しかし、だいぶ古いパソコンだと USB メモリのインストールメディアが起動できなかったりします。

コダシマと同世代のパソコンユーザーであれば、おわかりになるのではないでしょうか?

それもそのはずです。

日本で USB メモリが初めて発売されたのが 2000 年 6 月から。

今では 32GB や 64GB と言った容量が当たり前ですが、当時はわずか 32MB とか 64MB という、ほんの僅かな容量でございました。

2000 年ころは CD-R や DVD-R など光学ディスクが主力で、CD-R の容量が 650MB – 700MB 、DVD-R が片面 1 層で 4.7GB 、片面 2 層のもので 8.5GB という容量だったため、当時の USB メモリはフロッピーディスクの次くらいの外部記憶装置程度に思われていたように記憶しております。

出始めたばかりの媒体だったためか、USB 接続でも CD ドライブ や DVD ドライブが認識できたとしても、USB メモリは対象外だったパソコンが多くございました。

当時の USB メモリは、 OS のインストールに使うには、まだまだ程遠く、USB メモリから起動させるという発想はまだ無かったのかもしれません。

この Qosmio も、そんな USB 端子はあれど USB メモリから起動できないという一台でございます。

なおかつ最近、使っている DVD ドライブの調子が悪いです。

どうも読み込みが悪くなったのでございます。

同じ型の部品取りを手に入れようとも思ったのですが、流通している数と、何よりお財布の中身がございません。

そこで思い立ったのが、本来なら起動できない USB メモリから起動を可能にするソフトウェアを使って USB メモリからのインストールをしてみようという試み。

使うソフトウェアは Plop Boot Manager でございます!

Plop Boot Manager とは?

https://www.plop.at/en/bootmanager/download.html

Plop Boot Manager とは、もう説明してしまいましたが、本来であれば USB メモリから起動できないパソコンでも、このソフトウェアを使えば USB メモリから起動できるようになるというものです。

もちろん USB 端子があることが前提でございます。

この Plop Boot Manager は、とてもコンパクトなプログラムで、なんと 2HD フロッピーディスク 1 枚 (1,440KB) に収まるサイズです。

こちらのサイトからダウンロードできますが、2013 年 4 月 15 日に公開された Plop Boot Manager 5.0.15 を最後に更新されていません。

もう、新しいリリースはないんでしょうかね?

いずれにせよ、こちらをダウンロードして利用いたします。

Zip 形式で配布されているので、ダウンロードしたら展開。

展開したファイルをよく見ると同じ名前のイメージファイルが2つあります。

拡張子が表示されていないと区別がつかないので、拡張子を表示させます。

するとそのファイルが「.img」と「.iso」であることがわかります。ちなみにこの違いは…

とされています。

コダシマは、内容の変更を保存できるのが .img で、内容の変更が保存できないのが .iso と解釈しています。

いずれにせよ、Plop Boot Manager をフロッピーディスクドライブで!と思ったのですが、なんとこの Qosmio にはフロッピーディスクドライブがありません

なのでこれまで Linux のインストールなどには、先程お伝えした調子の悪い DVD を使っていた次第でございます。

ってことで、送料込みで500円。

ヤフオクで USB 接続のフロッピーディスクドライブを入手いたしました。

とりあえず USB 接続でも、これなら動作するはずです。(今なら DVD ドライブも安かったよね)

これでフロッピーディスクに Plop Boot Manager を書き込んで、Plop Boot Manager から USB メモリの OS を起動させてみます。

ということで、今度はこの Plop Boot Manager をフロッピーディスクに書き込むソフトウェアを紹介します。

RawWrite for Windows とは?

http://www.chrysocome.net/rawwrite

今ではもう使うことがなくなってしまったフロッピーディスク。

Linux の生みの親であるトーバルズ氏も Linux でのフロッピーディクスでライバーは「面倒を見る人がいなくなった」と発言しております。

Linux ではもうフロッピーディスクが使えない…?

関連記事

https://japan.zdnet.com/article/35140578/
https://gigazine.net/news/20190801-linux-floppy-end/
https://github.com/torvalds/linux/commit/47d6a7607443ea43dbc4d0f371bf773540a8f8f4

んー。

できれば Linux でフロッピーディスクに書き込み!とも思ったのですが、素直に Windows での手順をご紹介いたします。

使うのは RawWrite for Windows という古いソフトウェアです。

RawWrite for Windows は、DOS の起動ディスクを作成したり、フロッピーディスクのイメージファイルを作成するためのツールです。

調べてみると、GitHub でも公開されており、最終メンテナンスは 2021 年 8 月 12 日と比較的最近です。

https://github.com/emeric-martineau/rawwritewin

使うならこちらのほうが良いのかもしれませんが、実際に使ってみると起動時に警告が出たり、文字化けがひどくてちょっと不安になります。

旧バージョンでも、ちゃんと動作するのでお好みで使って大丈夫だと思います。

また、RawWrite for Windows を紹介しているサイトで「互換モード」などの設定に触れているものもございましたが、コダシマの環境では、Windows 10 でも、互換モードなどの設定なしですんなり起動してくれました。動作しないときに、互換モードの設定チェックするくらいで良いかと存じます。

RawWrite for Windows の使い方

Rufus などのライティングソフトを使ったことがある皆さんであれば、RawWrite for Windows のインターフェースをご覧いただければ何をすべきか一目瞭然だと存じます。

イメージファイルをフロッピーディスクに書き込む場合には「Write」タブを使います。

「Read」タブがご覧いただけるように、書き込みだけでなくフロッピーディスクに入っているデータをイメージファイルとして読み込むこともできます。

昔のデータのバックアップにもお使いいただけることでしょう。

ちなみにフロッピーディスクドライブの無い状態で起動すると、警告メッセージが出ます。

フロッピーディスクドライブの無い PC の場合は、ImDisk Virtual Disk Driver などで仮想 FDD を作成し、このツールを起動させる事も可能でございますので、興味のある方はお試しください。

イメージの書き込みは至ってシンプル。

  1. 「Image file」に Plop Boot Manager を選択。
  2. 「Write」ボタンをクリック。
  3. 待つ。

以上です。

Plop Boot Manager を使って Linux をインストール

準備が整いましたので早速 OS のインストールをやってみましょう。

今回 Qosmio にインストールする Linux は Raspberry Pi OS でございます。

理由は特にございません。

https://www.raspberrypi.com/software/raspberry-pi-desktop/

ちなみに、インストールメディアの作成にも、同じく Raspberry Pi 財団の提供する Raspberry Pi Imager を使って書き込みました。

https://www.raspberrypi.com/software/

Raspberry Pi サマサマです。

で、Qosmio に電源・フロッピーディスクドライブ・USB メモリを全部接続して起動させます。

ちなみに動作しているのがわかるように LED ランプのある USB メモリを使い、目の届くところの端子に接続してます。

フロッピーディスクドライブからブートさせます。

この機種は起動時に [F12] を押すことでブートドライブの変更を行うことができます。

Plop Boot Manager が起動すると、とても SF 感のあるインターフェースが表示されます。

Plop Boot Manager にはいくつかのオプションがあり、オプションやショートカットについてダウンロードページの「次のページ」に詳しく紹介されております。

https://www.plop.at/en/bootmanager/thebootmanager.html

今回必要と思われる [Shift]+[U] を押して起動させました。

このショートカットは USB 1.1 を強制するオプションを追加するものでございます。

Qosmio の USB は 2.0 なはずなのですが、なぜかこのオプションを追加しないと起動してくれませんでした。

理由はわかりませんが、起動したので良しといたします。

無事に起動しました。

いちばん上の「Run with persistence」は、パソコンにインストールせずに使うモードのようです。

Raspberry Pi をご存じの方は、おわかりかと思いますが、Raspberry Pi OS は、SD カードに書き込んで、そこから起動させる OS でございます。

なので USB メモリからライブで起動させるのはお手の物です。

しかしながら、この環境だと動作が相当厳しいです。

動画の撮影の際に、ちょっとテストしてみましたが、やたら時間がかかります。

というのも、Plop Boot Manager は、起動させたら終わりというものではなく、USB メモリにアクセスするたびに Plop Boot Manager が何かしらを中継して動作する仕組みのようで、なにかのアクションのたびにフロッピーディスクドライブが動作していました。

ということで、さっさとインストールです。

GUI インストーラーが利用できるので、こちらでインストールいたします。

Raspberry Pi OS は Debian ベースの OS なので、PC 版のインストーラーも Debian インストーラーです。(今回、インストールの手順は割愛します)

通常よりも時間がかかったようにも思いますが、無事にインストールすることができました!

しかし、実は古いパソコンにはまだ問題が…

それは PAE 問題!

近日公開(するかも?)

今回のまとめ

今回は USB メモリから起動できない古いパソコンでも USB メモリから起動できるようにする方法を紹介しました。

Plop Boot Manager を使えば古いパソコンでも USB メモリから起動させることができるようになります。

また、合わせて RawWrite for Windows を使うことで、フロッピーディスクにイメージファイルを書き込むことができます。

といった需要の少ない情報かと思いますが、どなたかの資料になれたのであれば幸いです。

ってか、何年かぶりに実際にフロッピーディスクを使いました。

パソコンを触り始めた頃にはすでに 3.5 インチのフロッピーディスクが出回っていた世代なので、3.5 インチのフロッピーディスクに触れると当時のワクワクが思い出されます。

もはや実用性よりもノスタルジー重視となりますが、まだ、もうちょっと古い技術を楽しみたいコダシマでございました。

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