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【対ChromeBook !?】Ubuntu Web をインストールしてみた~ Ubuntu + Firefox という新しい挑戦!~

【対ChromeBook !?】Ubuntu Web をインストールしてみた~ Ubuntu + Firefox という新しい挑戦!~

【対ChromeBook !?】Ubuntu Web をインストールしてみた~ Ubuntu + Firefox という新しい挑戦!~

Ubuntu Web という Ubuntu と Firefox の機能を組み合わせたオープンソースの Web ベース OS をインストールしてみました。

が、正直なトコロ、思ってたのとちょっと違いました。

起動してすぐにアップデートが入ったので、もちろんインストールしたのですが、そこで真実を知ることとなります。

ということで、最後までご覧いただけたら幸いです。

Ubuntu Web とは?

Ubuntu Web の新しいリリースを知り、

試しにインストールしてみました。

ツイートが思いのほか反応が良かったので、Ubuntu Web のレビューをすることに決めました。

Ubuntu Web ですが、この OS は Ubuntu 20.04.1 LTS をベースに、Google の Chrome OS の代替となるよう設計された OS との事。

合わせて ChromiumOS プロジェクトの代替となることも目指しているようです。

最初にリリースされたのは 2020年11月6日。

https://discourse.ubuntu.com/t/ubuntu-web-remix/19394

この時も複数の海外メディアが「Ubuntu Web」について報じており、その開発コンセプトへの関心の高さがうかがえました。

Ubuntu と Firefox を組み合わせて、Chrome OS のような OS の開発と言われたら、Linux 好きでなくても興味をそそられますよね。

開発者はインドのデリーに住む学生さんのようで、名前は Rudra Saraswat さん。

https://twitter.com/RudraSaraswat1

調べてみると、この人が Ubuntu Unity のメインデベロッパーっぽいです。

インドの若い才能ですね!

Ubuntu Web は、Chrome OS の代替ということなので、Web ブラウザには Google Chrome や Chromium を使用するのではなく、Mozilla の Firefox を使用します。

基本的には、Web アプリとデスクトップアプリの両方をサポートするとのこと。

Web アプリは、Ubuntu Web 用に構築されたアプリストア「Open Web Store」からダウンロードするようです。

Chrome OS や Chromium OS の場合には Google ドライブや Gmail を始めとした Google の Web サービスを中心に利用します。

Ubuntu Web は Google のサービスに依存しないことも目標としており、それらを使わない Ubuntu Web はどうなるのでしょうか?

/e/ アカウント。

答えは /e/ アカウント

Android 派生の OS である /e/ を開発する /e/ foundation が、独自で提供するサービス「ecloud」を利用するためのアカウントです。

※ページによって「Ecloud」だったり「eCloud」だったりと、表記がバラバラ…。

なので読み方も「エクラウド」なのか「イー・クラウド」なのか、ちょっとわかりませんが、財団の名前が「イー」なので、おそらく「イー・クラウド」ではないかと思います。

About – E
Ecloud

/e/ アカウントについては、以前アップした「じゃない方の Android」で紹介したときに、/e/ をダウンロードする際に合わせて登録していました。

じゃない方の Android: 気になるおすすめカスタム ROM 6選。

詳しい登録手順も紹介されているので、アカウントの登録についてはココでは割愛します。

/e/アカウント登録ページ

https://e.foundation/e-email-invite/

すべての ecloud アカウントには、1GB の無料ストレージスペースが提供されるとのことですが、実際にログインしてみると 5GB のスペースがあります。

うれしい。

そうこうしているうちに、インストールできました。

てか、思ったよりもインストールに時間がかかりました。

今回は20分くらいです。

ファースト・インプレッション

起動してすぐに /e/ アカウントへのログインが促されます。

てか、アップデートがあるようなので、インストールしておきましょう。

…これが後にトラブルんですが。

画面は Dash to Panel という GNOME Shell のアイコンタスクバーが利用されています。

GNOME Shell でありながら Windows ライクな見た目になっています。

https://extensions.gnome.org/extension/1160/dash-to-panel/

初期画面は「ファイル」になっています。

ecloud で提供されているサービスは、「ファイル」要はストレージのほか、「メール」「連絡先」「カレンダー」「画像」「ノート」「タスク」というモバイル OS ではよくみられるサービスが並び、どのサービスを使ったかわかる「アクティビティ」も含まれています。

さすがモバイル OS を開発しているだけありますね。

今回はバックグラウンドで更新プログラムのダウンロードが行われているので、ちょっとモッサリ感が否めません。

ほかもチョット見てみます。

Ubuntu ベースということもあって、日本語入力環境もすでに設定済みです。

入力メソッドは「Mozc」です。

でコレが、Ubuntu Web 用に構築されたアプリストア「Open Web Store」です。

実験的なもののため、数はまだ少ないですね。

Youtube のような動画プラットフォーム DTube 。

設定画面では、言語の設定や夜間モードなどの設定が行なえます。

DTube でも動画配信してみようかな?

ファイルとメールは、さきほどの ecloud です。

ブラウザは、もちろん Firefox ですね。

フル機能の Firefox なので、使っているアカウントを同期できます。

アップデートのダウンロードとインストールが終わり、再起動します。

再起動後。

あれ?

なんということでしょう。

レイアウトが普通の Ubuntu (というかデフォルトの GNOME) だ…。

Dash to Panel はいずこへ???

レイアウトをもとに戻せるか調べてみましたが、外観の設定とか Tweak とかが見当たりません。

どうやら、軽量化のためにパッケージの調整が行われているようで、普段使っている Ubuntu に含まれるはずのライブラリなどが削られているようですね。

試しに neofetch をインストールしてみると、インストールされるパッケージが通常の Ubuntu の時と比べ多いように感じます。

ちなみに、neofetch でみると普通の Ubuntu です。

…ふむ。

つまりは「GNOME デスクトップの最低限の GUI 環境を残した軽量 Ubuntu で Firefox の Web アプリ使ってる」という感じの OS のようです。

Peppermint の ICE みたいなやつ…?かな?

と思って調べてみると、どうも ICE の SSB (Site Specific Browser: サイト固有のブラウザ) では無いとの事。

そのためか、ファイルとメールなどのように、ecloud サービを2つ以上同時に起動させようとしてもエラーが帰ってきます。

ちなみに ICE というアプリケーションをご存じない方のために簡単に説明すると、Peppermint OS という Ubuntu ベースの軽量 Linux に実装されているソフトウェアで、Web アプリケーションをシステムメニューに簡単に統合し、SSB (Site Specific Browser: サイト固有のブラウザ) という仕組みを介して Web アプリをローカルにインストールされたものと同じように使える環境を構築するソフトウェアです。

Home

ただ、この SSB については Firefox では実験段階のため、基本的には Chromium ベースのほうが向いています。

開発者のこだわりで Chromium は選択したくないとのこと。

どうしてもという場合には Brave が候補になるようです。

話はそれてしまいましたが「Dash to Panel」を復活させるには、パッケージを完全削除して

改めてインストールし直す必要があるみたいです。

$ sudo apt purge dash-to-panel
$ sudo apt install gnome-shell-extension-dash-to-panel

アプリケーションについて。

アプリケーションはデフォルトで

などの Web アプリがインストールされているほか、

などがインストールされています。

ですが、Anbox は最近の Linux カーネルの更新により破損したようで、起動させてもちゃんと動作してくれません。

ちょっと残念。

基本的には Ubuntu なので、Ubuntu で配布されているソフトウェアはインストールすることができます。

ただ、コマンドでいくつかインストールしてみたのですが、デスクトップ自体が調整されているためか、場合によっては正しく動作しないものも見られました。

んー。なるほど。

Ubuntu Web がどんなものか大体わかってきました。

まとめ。

ということで、今回は Ubuntu Web という Ubuntu と Firefox の機能を組み合わせたオープンソースの Web ベース OS をインストールしてみました。

結論としては、Ubuntu の必要最低限の GUI 環境に、Firefox をベースとした Web アプリを動作させている OS といった感じ。

Chrome OS も Gentoo Linux をベースに Chrome の機能を組み合わせた OS なのですが、デスクトップとの統合具合が自然に感じられ、Gentoo くささがあまり感じられないように思います。

「そもそも Gentoo Linux をあまり知らないという話もありますが…」

それに対して Ubuntu Web は、現状ではどうしても Ubuntu で Firefox を走らせているという印象が強いように感じます。

Ubuntu の環境をベースとしているので仕方のないことなのかもしれませんが、気持ち的には「Firefox で Ubuntu が走っている」と感じられるようなものを期待していた自分がいるので、ちょっと思ってたのと違う印象を受けてしまいました。

でも一方で、GNOME デスクトップでありながら起動はとても速く、低スペックマシンでもそこそこ快適に動作してくれます。

フォーラムの中で「GNOME ではなく LXQt や Xfce デスクトップのほうが軽量になるのでは?」という意見もありましたが、テストの結果で GNOME をカスタマイズするのが望ましいという結論に至ったようです。

Ubuntu は何でもできる Linux というイメージを持っているので、Ubuntu Web は Ubuntu アプリストアがなかったり、多くの機能が削られて少し不便な気もしますが、用途を絞った Ubuntu というのも面白い発想ですね。

現状では物足りなさを感じてしまうものの、Rudra さんは Ubuntu Unity も並行して開発しており、2021年5月には Raspberry Pi 版もリリースしています。

なかなか忙しそうではありますが、世界中からたくさんの注目を集めるアイディアの持ち主なので今後の開発がとても楽しみです。

実用的かどうかは別として、Google のサービスに依存せず、Ubuntu と Firefox の組み合わせというなかなか興味深いディストリビューションなので、興味のある方は是非チェックしてみてください。

Ubuntu Web ▶ https://ubuntu-web.org/
/e/アカウント登録ページ ▶ https://e.foundation/e-email-invite/

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