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【日本初上陸!?】JingPad A1 実機ガチレビュー!世界初の Linux タブレットとは?

【日本初上陸!?】JingPad A1 実機ガチレビュー!世界初の Linux タブレットとは?

【日本初上陸!?】JingPad A1 実機ガチレビュー!世界初の Linux タブレットとは?

ブログや Youtube で何度か紹介している JingOS と JingPad ですが、日本での実機レビューがありません。

いくら探しても見つけられません。

おそらくクラウドファンディングで出資した方もいたはずですが、実機レビューをしている方は日本では見られませんでした。

なので「日本初上陸!?」と銘打って JingPad A1 の実機レビューをしていきます。

JingPad の良いところ・悪いところを率直に伝えていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

JingPad A1

https://en.jingos.com/

本当はもっと早くに紹介したかったのですが、ある程度予想はしていたものの、けっこうなお値段だったために躊躇して最安値を逃してしまったのに加え、他の案件に時間を割いてしまい紹介が遅くなりました。

このブログの常連さんには説明不要かと思いますが、はじめましての方に向けて簡単に JingPad について説明しておきます。

JingPad は北京とカリフォルニアに拠点を置く JingLing Tech の製品です。

ちなみに Jing は中国語でクジラを、Ling はウグイを意味し、JingLing のロゴは2匹をあわせたもので、小さな生態系を意味しているとのことです。

そして JingPad は、この JingLing Tech が開発した Linux ベースのモバイル向けオペレーティング・システム JingOS を実装した、世界初の Linux タブレットです。

コダシマは JingPad にとても注目しており、JingOS を知ったときからずっとチェックしておりました。

「世界初のコンシューマ向け ARM ベースの Linux タブレット」という謳い文句は、なかなか興味深いのですが、ちょっと言葉足らずだと思います。

というのも、ちょっと知ったかの方たちは「Android も Linux ベースじゃん!」とか、「Chrome OS も Linux じゃね?」とか無粋なことを言い出す人が出てくるからです。

でもそんな人達には、まず macOS をどれだけの人が UNIX と呼んでいるかを思い起こしてほしいと思います。

カーネルは一緒でも、ファイルシステムもパーティショニングも、いろいろ違いすぎて逆に同じところを探すのが難しいんじゃないかと思います。

デスクトップ OS として紹介される Linux ディストリビューションと Android では、それくらいのけっこうな違いはあると思いますが、いかがでしょう?

また、ARM ベースのデバイスについて言うと、デバイス自体はさほど珍しいものでないのは実情です。

というか ARM ベースのタブレットは世の中に溢れかえっています

が OS とデバイスを一緒に開発するスタイルとして見れば、コダシマの記憶が正しければ、実に Apple 以来だと思っています。

今でこそ Microsoft や Google もデバイスを開発するようになりましたが、いずれも OS ファーストです。

ARM ベースのデバイスと一緒に Linux ベースの OS の開発という面では、間違いなく世界初と言えるでしょう。

少なくともコダシマは同様の企業やプロジェクトを見つけることができませんでした。

そんな JingPad A1 ですが、現在のモデルの完成度は及第点かと思います。

JingPad A1 が及第点という理由を踏まえて、まずはスペックから紹介していきます。

JingPad A1 の外観。

「クラス最高のデザイン」と謳う外観は相当良いです。

クライドファンディングのアーリーアダプターでも、けっこうなお値段だった理由がわかります。

いろいろなデバイスのレビューもするようになって、品質の違いもわかるようになってきたのですが、質感はずば抜けて高いです。

金属とガラスを贅沢に使っており、背面はコーニング製のゴリラガラスによって覆われ、見た目はとても美しく高級感があります。

コダシマ的には iPhone 4 の質感をタブレットにした感じを受けました。

また、ケースもレザー調で縫製もしっかりしており、こちらも重厚な手帳のような趣です。

工芸品と言うか芸術品とも呼びたくなるような、本当に美しい仕上がりになってます。

これだけのケースが付いているので、裸で持ち歩くことはそうそうないとは思いますが、とにかく指紋が目立ちます。

ディスプレイ部分の他に背面にも指紋がつくのって、ネガティブな印象を受ける人が多いような気がしてなりません。

スマホ画面とかのクリーニンググッズがたくさん販売されているのがその理由ではないでしょうか?

かくいうコダシマも指紋が気になるタイプです。

てか高級感ありすぎて、もったいなくて使えなくなるタイプの貧乏人です。

金属製のサンドブラスト加工とかでもけっこうな高級感が出せると思うのですが、いかがなもんでしょう?

とりあえずボタン類とかは

上:スピーカー、電源ボタン(指紋認証)

左:ボリューム、マイクロフォン

右:Nano-SIM スロット

この JingPad は SIM が使えるタイプです。

下:スピーカー、Type-C、マイクロフォン

横にした場合には左右にスピーカーが有る感じですね。

ちなみに、ケースやキーボードなどは、マグネットでの接続です。

本体とアクセサリ両方にマグネットがあるので、かなりしっかりホールドされます。

計測してみると 491g でした。

画面を見ていきましょう。

と、なかなか贅沢な仕様

最近のモバイルデバイスだと 4:3 が人気ですね。

ビジネスの現場でも 4:3 のアスペクト比は支持率高いです。

画面の占有率が高いです。

とても明るいですね。屋外でも耐えられる明るさ。

超のつく高コントラストで、色域も NTSC 109%と広いので、

ディスプレイとしては相当高性能です。

外観からかなりの気合を感じます。

JingPad A1 の仕様。

それでは JingPad A1 のスペックを見ていきましょう。

Chip

が搭載されています。

Geekbench や AnTuTu のデータをチェックしていくと UNISOC T7510 は現行の T740 とほぼ同等の性能で、ざっくりいうと 5G に対応した T710 というイメージのスコア。

Qualcomm で言うところの Snapdragon 660 程度の性能です。

当初ウワサされていた Helio P90 よりも高性能ではあります。

が、Apple のと比べてしまうと見劣りしてしまいます。

正直ハイエンドとは呼びにくいです。

プロセッサはミドルレンジくらいですかね。

RAM & Capacity

ストレージの uMCP というのがよくわからなかったので調べてみると、サムスンが開発した、ミドルレンジ・スペックのスマートフォンの性能を向上させる LPDDR4X または LPDDR5 と UFS ベースのマルチ・チップ・パッケージとのこと。

現行のものだと最速の LPDDR5 DRAM と最新の UFS 3.1 NAND フラッシュを統合したもののようですが、JingPad にはLPDDR4X のものか、LPDDR5 のもののどちらが搭載されてるんですかね?

メーカーに聞けばよかった。 

でも RAM が LPDDR4 なので旧世代のやつかも…。

いずれにしろ省電力で高速なストレージです。

Camera

解像度だけで言えば iPad にも勝る性能ですがアプリの完成度が低いため、ハードウェアのパフォーマンスを活かしきれていないように感じます。

※実際に撮影した画像。
※デジタルズームで撮影した画像。
※実際に撮影した動画。

Wireless & Connectivity

ワイヤレス接続では

それと MIMO という技術が採用されています。

MIMO とは Multi Input Multi Output の略で、複数のアンテナを使って効率的に通信を行う技術です。

例えば、自動車が走る道路において、1車線よりも2車線の方が一定時間で通行できる自動車の台数は多くなるイメージです。

そんな感じでデータの転送を効率的に行う仕組みが採用されています。

それと、

物理接続では

充電のほか、OTG 対応で

大容量記憶装置、マウス、キーボード、イーサネットアダプタをポート。

んー。

映像出力とかができないと、完璧な「コンバージェンス」とは呼びにくいです。

USB 3.1 対応に期待ですね。

Sensors

今のところ、センサーが使いきれてない印象を受けます。

ここも OS やアプリケーションに期待です。

Power and Battery

本体重量のわりにバッテリー容量が多めです。

連続使用で最大9~10時間程度、充電は 18W の急速充電器でおよそ3時間で完全充電とのことでしたが、実際に 2% から完全充電まで4時間以上かかりました。

現行のモデルだと USB 2.0 なので USB PD (Power Delivery) 非対応です。

そのため、 USB PD 対応のアダプタだと余計に時間がかかるようです。

ここもやっぱり USB の改善に期待ですね。

アクセサリ。

次は JingPad A1 に用意されているアクセサリーを見ていきましょう。

JingPad Pencil

基本パッケージにはスタイラスペンがついています。

軽量でシンプルな見た目のペンなのですが、

Windows 10 でも使えます。(確認済)

実は、これだけで4,000~5,000円くらいのやつと同等の性能を持つスタイラスペンです。

ですが、現状の環境だと遅延がスゴすぎて使いみちに困ります。

JingPad Keyboard

さらに別途、専用のキーボードが用意されています。

こちらもなかなかの品質です。

ファンクションキーまで用意されているキーボードです。

ここは好みが分かれるかもしれません。

でも見た目としてはかっこいいですね。

タイピングの感じは特別良いというわけではありませんが、嫌いじゃないです。

コダシマの中では中の上くらいの使い心地。

もったいぶらずに使い倒せる感じです。

いいですね。

でもちょっとサイズ的に仕方ないですが、打ちづらいキーあるかな。

98.5mm × 45.0mm の横長の大型トラックパッドが搭載されており、JingOS でマルチタッチジェスチャーをサポートします。

ポインタは iOS とかみたいに丸いポインタです。

現状の OS だと押し込まなとクリックとみなされないので、タップでもクリックできようになると、もっといいですね。

コダシマはタップ派です。

ここも OS のアップグレードに期待です。

何れにせよ、アクセサリーも手抜きはありませんね。

素晴らしい。

JingOS 

現行の JingOS は Ubuntu LTS をベースに、カスタマイズした KDE デスクトップで構築されたディストリビューションで、タブレット OS としてだけでなくデスクトップ OS としても使える OS を目指して開発が続けられています。

とはいえ、基本的にはモバイルファーストの JingPad 向けタブレット OS として設計されています。

JingOS は JingPad 用の ARM 版のほか、通常の PC でも利用できる x86 版も提供されています。

画面構成やデザインは Android というより iOS に近く、使い勝手も iOS 寄りです。

やっぱりまだまだ未完成な感じはありますが、操作性もそこまで悪くはありません。

ですがアニメーションとかが、若干引っかかるようなときがあります。

リフレッシュレートというよりは、プロセッサや OS の力不足という感じがします。

アプリケーション。

それとアプリケーション。

Linux アプリと Android アプリの両方を実行できるという触れ込みでしたが、Android のサポートは JingPad 用のみで、しかも現在はベータ版のみ。

安定版は 2022年3月の発表が予定されていますが、ちょっと対応に苦戦している感じを受けます。

Android アプリについては Google 側との問題もあるかと思うので、単に技術的な問題では済まされない気がしますが … どうなるでしょうね?

対応するアプリケーションも、現状ではまだまだ少ないです。

今のところカテゴリーは用意されていても、アプリがなかったりしています。

リリースされているアプリもデスクトップのものがほぼそのままという感じで、だいたいの操作がタッチだけで完結させることはできますが、アプリによってはアイコンが小さかったりしてタッチだけでは操作しにくいものもあります。

ここの改善も今後に期待です。

見た目や雰囲気的には iOS ですが、アプリを使ってみたりすると Linux くささがけっこう残ってます。

設定画面。

設定画面いつてもちょっと触れておきます。

デスクトップ環境はカスタマイズされた KDE Plasma なのですが、設定画面は GNOME のものを思わせるレイアウトと使い勝手です。

そんな設定画面も現状では設定できる項目は少ないです。

また特に気になったのは、言語の対応について。

現時点で英語もしくは中国語のみですが、日時の表記や様々な単位のフォーマットなどは日本向けに変更することができます。

ちょっと日本語入力環境の設定を試してみたのですが、環境変数とかの設定を自力で行わなければいけないみたいです。

現状で日本語入力環境の設定とかは、すべてコマンド操作で行わなければいけないのでけっこう大変です。

コダシマは途中で断念しました。

言語の対応は順次行われていくと思われますが、翻訳作業とか大変なので時間がかかりそうな気がしてなりません。

JingOS は ARM 版の 1.1.1 がリリースされていますが、まだまだ改善の余地は残されているように思います。

個人的には x86 版の 1.0 が待ち遠しいのですが…。

JingPad A1 のまとめ。

今回は日本初上陸として日本ではまだ誰も実機レビューしていない JingPad A1 を紹介しました。

気に入った点

気になる点

未完成だということは重々承知のうえで、いちユーザーからのフィードバックとしてメーカーには聞いてもらいたいです。

高級感とオリジナリティを追い求めた一つの答えだとは思いますが、指紋がつくのを嫌うユーザーって結構いると思います。

サンドブラスト加工とかヘアライン加工とかの金属製など、指紋の目立ちにくい他の方法でも高級感とオリジナリティを出すことが出来ると思うのでもう一度チャレンジしてもらいたいです。

悪くはないのですが、値段を見るとどうしても性能の高いハイエンドプロセッサをイメージしてしまいます。

実機が溢れていて、すぐに手にとって見れるのであれば価格にも納得するでしょうが、多くのユーザーは現物をみないでカタログスペックだけで判断する傾向にあるため、値段とスペックのバランスが悪いと判断されてしまいます。

これはとても残念。

マーケットの状況に合わせた性能と価格というのも必要だと思います。

それと

現状のハードウェアの性能すらも使い切れていないように思います。

実機に触れてみるとより具体的に JingPad というか、モバイル向けの Linux OS の使い方がイメージできたので余計に現状の物足りなさを感じて仕方ないです。

タブレットのフットワークの軽さと Linux 由来のパワフルな環境は、仕事やクリエイティブの現場でも充分活躍できるものだと思います。

スタートしたばかりなので、まだまだ開発の途中だとは思いますが、大きな可能性がリアルにイメージできる素晴らしいタブレットです。

ということで、つまりは外観は非常に高級感があり完成度も高いですが、JingLing Tech 自らが言う通り機能面や OS については、まだまだ未完成の部分が多いです。

Apple の製品にくらべるとまだまだ比較にならないと思う方もいるでしょうが、初代 iPhone も当時は自社限定のアプリケーションだけで、機能はそれほど多くありませんでした。

2007年に初代が発表されてから長い年月をかけて今の完璧とも言えるデバイスと OS に成長しました。

それに比べると JingPad と JingOS は、現時点で及第点とは思うもののわずか数年でここまで仕上げてきたスピード感には驚きです。

クラウドファンディングでたくさんの資金を得られたのは、それだけ世界がそのアイディアに注目しているということの現れだと思います。

ただ今後のことを思うと、デバイスにしろ OS にしろ、ある程度の普及が必要ではないかと思います。

そうなると、やはり価格と性能を抑えたローエンドモデルが必要かもしれません。

が、一方で今回の外観のクオリティに加え、さらにハイスペックなプロセッサを搭載した Apple で言うところの「Pro」モデルのような存在もファンには嬉しいかもしれませんね。

高級感がありすぎて、貧乏人には使うのがもったいなくなってしまうやつ。

そうやって、いろいろ妄想すると、余計に早いこと、このデバイスを使い倒せるだけの環境が整うことを願うばかりです。

これ持って、街でドヤりたいね~。

JingPad A1 のお値段。

んで、最後にお値段についてです。

技適がないので日本国内での使用はできませんが、参考までに紹介しておきます。

2022年は JingOS と JingPad のアップデートに注目です!

https://en.jingos.com/
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