サイトアイコン PC-FREEDOM

Q4OS Centaurus: ドイツ発 Debian ベースの軽量 Linux を試してみた。

Q4OS Centaurus: ドイツ発 Debian ベースの軽量 Linux を試してみた。

Q4OS はドイツで開発されている軽量で Windows XP っぽい Linux ディストリビューション。Debian 10 Buster をベースとした最新版の Q4OS 3.9 Centaurus r1 (安定版は3.8) が 2019年12月3日にリリースされていたので試してみた。

Q4OS とはどんな OS ?

https://www.q4os.org/index.html

Q4OS は古いマシン(もちろん最新のマシン)でも、高いセキュリティと信頼性、安定性などに重点を置いた Linux ディストリビューション。

システムは最新のものと旧来のものは区別されており、特に古いマシンで起動させる場合には非常に低いハードウェア要件で動作できるよう開発されている。

また Q4OS は、古典的な Windows XP スタイルの生産性の高いユーザーインターフェイスを提供している。

より詳しい情報は
https://q4os.org/documents.html

Q4OS の概要

Q4OS をインストールできる最小スペックは?(Plasma)

Q4OS をインストールできる最小スペックは?(Trinity)

主なアプリケーション

個人的な意見ですが、

Windows 7 のサポート終了

2020年1月14日に Windows 7 のサポートが終了しますね。

https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-7-end-of-life-support-information

使い勝手も安定性もよく、Windows の中でも人気の高いバージョンだったことは間違いありません。

Windows XP や Vista の延長サポートが終了するときにも、話題となるのが Linux の存在。

Linux 界隈では Windows からの乗り換えの話題で湧き上がる。そのタイミングで Linux を知るという人も少なくないだろう。

今回紹介した Q4OS も、そんなタイミングで紹介されてきた Linux ディストリビューションのひとつでもある。

基本となるデスクトップ環境は KDE Plasma だが、低スペック用に調整された Trinity バージョン(以降 TDE)も用意されている。というか TDE のほうが、より Windows XP や Vista のような見た目をしている。また Plasma は 64bit 版のみだが、TDE では 32bit 版も提供している。どうやらフラグシップは Plasma かもしれないが、 Q4OS のデフォルトは TDE のようだ。

TDE

Trinity Desktop Environment(Trinity デスクトップ環境)は、KDE 3.5 の派生(フォーク)で、Debian や Fedora、Ubuntu などのさまざまな Linux ディストリビューションのためのパッケージが用意されている。

参照 ▶ https://wiki.trinitydesktop.org/Category:Documentation

しかしながら、日本語での情報がほとんどないため、気になるところはいろいろと自力で調べなければいけないのがツライ。

いちばん気になるところといえば「どれくらい軽量?」ということ。オペレーティング・システムの重さの具合はシステム RAM の使用量で量られる。特に待機中(アイドル状態)でどれくらい RAM を使用しているかで、そのデスクトップ環境の RAM の消費量が推測できるというわけだ。

Q4OS と ReactOS との比較

Windows に似ている OS と知られる(というかバイナリー互換の OS )ReactOS と、ちょっとだけ比較してみた。ちょっとだけというのは、一方は Linux ディストリビューションで、一方はフルスクラッチのバイナリー互換 OS という、もともとの立ち位置がちがうため同様の比較ができないと思ったから。

ReactOS のスクリーンショット。

日本語対応

まず日本人にとっていちばん重要なのは日本語対応だろう。どちらも日本語表示において、一部翻訳されない部分はあるものの、おおむね問題ない。が、問題なのは入力環境のほう。Q4OS はもともとが Debian なので、入力メソッドや入力システムは用意されているので設定こそ必要だけれども、最終的には日本語入力ができる。

一方 ReactOS では入力メソッドが見当たらない。遠回りだが Web ブラウザをインストールして、そこから Google 日本語入力のインストールをも試した見た。しかし残念なことにセキュリティで引っかかってしまいインストールできず。コントロールパネルにて設定を変更しようとしたが、コチラもできなかった。(管理者権限でログインしてるはずなのにナゼ?)

セキュリティが引っかかりエラーとなる。

ちなみに ReactOS へ Google Chrome のインストールも試みたが、Windows XP, Vista と認識されてしまう上、コチラもセキュリティのためインストールができなかった。

スタンドアローンで使うなら、もともとの Windows でいい気がしてきた…。

ソフトウェア

Debian ベースという豊富な資源に恵まれた Q4OS の方に分がある。大体のことはできてしまう。また Wine を使えば、一部ではあるものの Windows のソフトウェアも使うことができる。

一方の ReactOS も、現時点では「コントロールパネル」⇒「プログラムの追加/削除」⇒「ReactOS アプリケーションマネージャ」から追加できるソフトウェアを選ぶだけ。一覧を眺めてみると Linux でも見慣れたオープンソースのものが大部分を占める。

いよいよ ReactOS を選ぶ理由が減ってきた気がする…。

ハードウェアシステム要件

どちらも軽量をウリにするだけあって、いずれもハードウェア要件は低めになっている。

Q4OS の最小ハードウェア要件は以下(再掲)の通り。

対する ReactOS の最小ハードウェア要件は以下の通り。

もはやボクには確認する術がないが、ReactOS の 60 MHz プロセッサと 64 MB システム RAM は、ほかの OS ではなかなか真似できない。

RAM 使用量の比較

ちなみに、計測方法が違うため一概には言えないが、比較のために双方のアイドル状態での RAM 使用量と Youtube 動画再生時の RAM 使用量を比較してみた。

アイドル状態

Youtube 動画再生時

というように、明らかに ReactOS のほうが低スペックマシンで動作することがわかる。

ここまで軽量な Linux が存在しないわけでもないが、これだけ GUI 環境が整いながらのこのハードウェア要件は特筆すべき点だと思う。

まとめ

Windows に似ている勝負は、現段階で実用性がある Q4OS の勝ち。

Q4OS の良かった点・悪かった点

良い

悪い

Q4OS のおすすめ度(5段階評価)

初心者向け度… ★★★☆☆

Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。

むしろ Linux 経験者のほうが迷っていまうかもしれないくらい Windows に寄せている。Windows と Linux のあいだぐらいで面白いかもしれない。

日本語の環境… ★★★☆☆

日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。

インストールの際に日本語が選択できるので、表示言語は問題なく日本語化できる。しかし日本語入力の設定を改めて行わなければいけないのが残念。

システム要件… ★★★★☆

古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。

TDE は思いのほか軽量。古い Windows マシンを Windows っぽく再生するのにいちばん向いている。

総おすすめ度… ★★★★☆

全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。

ただなんとなく見た目を Windows に似せているだけのエセ OS ではなく、しっかりと作り込まれた印象を受ける Linux ディストリビューション。Windows っぽく見えても、Windows っぽく使えても、中身はしっかりとした Debian ベースの Linux 。

Q4OS に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!

ダウンロードする
https://q4os.org/downloads1.html

モバイルバージョンを終了