今回は Android タブレットのレビューです。
前に Teclast のタブレットをレビューしたのは、2021 年 10 月だったので久しぶりの Teclast です。
中華タブレットではそれなりに名前の通っているブランドではないでしょうか?
なかなか楽しみです。
それでは早速見てみましょう!
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モデル① P40HD (6GB+128GB)
元値: ¥22,900 ⇒ 適用価格: ¥17,900 (21% OFF)
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モデル② P40HD (6GB+6GB仮想メモリ+128GB)
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Teclast とは
中華タブレットでは、そこそこの知名度がある Teclast だと思うのですが、ご存知ない方のために念のため Teclast を紹介しておきます。
Teclast はノート PC やタブレット PC などの製品を開発・販売する中国広州に本社を置くテクノロジー企業、广州商科信息科技有限公司(Guangzhou Shangke Information Technology Co.,LTD)のブランドです。
IT および家電製品の研究開発、生産、販売、サービスを一体化した企業で、 Intel、Microsoft、Mediatek を含む主要なハードウェアおよびソフトウェアメーカーと提携しています。
さらに、Teclast は ISO9001 品質管理システム認証を取得し、品質へのこだわりを証明しています。
※ISO9001 とは、会社や組織が提供する“商品やサービス”の品質向上を目的とした規格であり、一貫した製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させるためのマネジメントシステム規格です。
- 广州商科信息科技有限公司 – https://www.sk1999.com/
- Teclast – https://en.teclast.com/
この Teclast が提供するタブレットには
- マスターシリーズ… T シリーズ
- チャームシリーズ… M シリーズ
- 廉価版シリーズ… P シリーズ
といったラインナップがあり、基本的にはナンバリングは、数字が大きくなるほど新しい製品ですが、ハードウェアの仕様変更が続けられており、同じシリーズの同じナンバーでも、年式によってスペックが異なっています。
ってことで、今回紹介するのは、廉価版 P シリーズの P40HD でございます。
Teclast P40HD
スペックを紹介して参ります。
廉価版のシリーズなのですが、実はなかなかのものです。
メーカー | TECLAST |
商品モデル番号 | P40HD |
OS | Android 12 GMS認証 |
CPU | Unisoc T606 (2×A75@1.6GHz, 6×A55@1.6GHz) |
GPU | Mali-G57@650MHz |
RAM | 6GB LPDDR4X@1600MHz |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 10.1 インチ IPS WUXGA (1920×1200) |
10 点マルチタッチ 224ppi | |
カメラ | 背面: 5MP/前面: 2MP |
ワイヤレスタイプ | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac, 2.4GHz/5GHz, Bluetooth 5.0 |
2G (GSM): B2/B3/B5/B8; 3G (WCDMA): B1/B2/B5/B8; | |
4G (TDD): B34/B38/B39/B40/B41; 4G (FDD): B1/B3/B5/B7/B8/B20 | |
バッテリー | 6000mAh |
重量 | 920 g |
プロセッサは Unisoc T606 。
この T606 というプロセッサは、1.6GHz で動作する高性能のコア Cortex-A75 ×2 コアと、1.6GHz で動作する省電力の Cortex-A55 ×6 コアの 8 コアで構成されているプロセッサです。
Unisoc のプロセッサーも、ここ最近でモデルチェンジが行われているようで、数年前の主力であった T618 よりも小さいナンバーでも、スペックは T618 に匹敵する、もしくはそれ以上の性能を発揮します。
プロセッサの性能を数値で評価する PassMark でチェックしてみたところ、なんとこの T606 のスコアは T618 のスコアを上回っておりました。
価格は低くなり、性能は高くなっているというところです。
PassMark での比較
- PassMark – T606: 2660 – https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=Unisoc+T606&id=4974
- PassMark – T616: 3152 – https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=Unisoc+T616&id=5211
- PassMark – T618: 2506 – https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=Unisoc+T618&id=4033
んで、T606 の GPU は Mali-G57 と、これまたミドルクラスのものではありますがアップグレードされた GPU でございます。
上位製品の Mali-G77 と同様に「Valhall (ヴァルハラ)」アーキテクチャを採用しており、スマートフォン上で家庭用ゲーム機ようなグラフィックを実現するものでございます。
※北欧神話における主神オーディンの宮殿。厨二病を患った方を中心に好まれそうなネーミング。
RAM は 6GB とまずまずの容量。
詳細はわかりませんでしたが、チップセットやベンチスコア的に LPDDR4X なのは間違いないです。
ストレージは 128GB と大容量。
ストレージの種類については変更の可能性があるとのことなのですが、eMMC5.1/UFS2.1/UFS2.2 のいずれかが搭載されています。
いずれも速度的にはとても高速なので使い勝手は良いでしょう。
1TB までの micro SD カードにも対応しています。
ディスプレイは 10.1 インチの FHD というかアスペクト比 8:5 (16:10) の WUXGA (1920×1200) です。
※意外とココを突っ込む方がおられるので…
画素密度 224 ppi と、今では当たり前のようになっていますが、なかなかの密度です。
カメラは背面 5MP、前面が 2MP と数字だけを見ればまぁまぁですが、毎度のこと、タブレットのカメラにはあまり期待しないほうが無難です。
いくつかサンプルを撮影してみました。
特別キレイというわけでもないですが、書類などに使う資料用だったり、スキャナー代わりだったりには十分な性能です。
オンラインミーティングで使う端末としても十分な画質です。
ワイヤレスインターフェースは、Wi-Fi 2.4GHz/5GHz に対応、Bluetooth は 5.0。
んで、バッテリーは 6000mAh とタブレットとしては中堅クラス。
アイドル状態で 500-600mA 、Call of Duty とかのプレイで 1000-1500mA くらいの電力消費だったのを考慮すると、連続使用で 4 時間くらいってところでしょう。
あとは、通話 SIM 対応というところですね。
後ほどもう少し詳しく触れますが、最近の中華タブレットでは当たり前になってますね。
タブレットが電話になるって妙な感じがしてましたが、改めて考えてみると技術的には何ら問題がなく、むしろコレだけリモート会議やらが一般的になった世の中だと、ダブレットを電話機代わりにする理由はあっても、そうしない理由が無いようにも思います。
ちなみに、製品の到着まで Amazon の製品ページを眺めていましたが P40HD 2023 アップグレード版という文字がありました。
製品名を変えずに中身の変更が行われたと言うことですかね。
スペックを見るだけでも必要な性能は持ち合わせていそうです。
ということで、実際に使ってみましょう。
ディスプレイ性能
それではディスプレイの性能を少し詳しく見てみましょう。
まずはマルチタッチ。
10点マルチタッチということですが…、ちゃんと10点全て認識されました。
タッチのレスポンスも、スペック的にはこんなものでしょう。
色味も悪くありませんね。
ちゃんと発色されており、ムラも見られません。
タッチのエリアもチェック。
ちょっと雑ですが隅から隅までちゃんと認識されています。
ディスプレイ性能は申し分ないでしょう。
強いて言えば、明るさの自動調整がないところ。
まぁ、この価格帯では無理もないです。
また、明るさを 100% にして、ギリギリ屋外で認識できるかな?というくらいの明るさなので、基本は屋内での使用を想定した設計になっていると思われます。
Widevine L1
パフォーマンスの高さもさることながら、なんとこの P40HD も、著作権管理の DRM (デジタル著作権管理方法) の一つである「Widevine」のセキュリティレベルが L1 でございます。
ここが、このタブレットのいちばんのウリになるかもしれませんね。
この Widevine とは、著作権管理の DRM (デジタル著作権管理方法) の一つで、インターネット上で配信されるコンテンツの著作権を保護するための技術。
DRM のおかげでアーティストやクリエイターなど、創作活動に関わる人たちが安心してコンテンツを配布することができるわけです。
Widevine には3つのセキュリティレベルがあり、そのレベルによってコンテンツの品質が決まります。
Widevine セキュリティレベル
- L1 … 解像度、HDR 制限なし。最高レベルの保護。
- L2 … 通常 540p までの解像度制限。
- L3 … 通常480p までの解像度制限。
この P40HD のようにセキュリティレベルが L1 だと Prime Video を始めとした動画配信サービスの解像度制限を気にせずに楽しめます。
念のため Prime Video でチェックしましたが、ちゃんとフル HD 1080p でのストリーミングが出来ました。
以前のコダシマは L3 でもそこまで気にしていなかったのですが、ちゃんとフル HD 画質だとやっぱりキレイですね。
なんだかんだで、優先的に選ぶようになりました。
SIM 通話
通話 SIM にも対応しているということで、実際にソフトバンク回線の mineo の SIM で試してみました。
対応するバンドは LTE: B1/B2/B3/B5/B7/B8/B20/B34/B38/B39/B40 ということで、やっぱりプラチナバンド帯は Softbank 回線のみが対応という、海外製品ではあるあるな対応状況だったための SIM のチョイスです。
で、試してみたところ、ちゃんと通話までできました。
でっかい電話です。
最近だと、データ SIM でも使いようによって通話もできるのですが、こういった感じでタブレットを家電代わりにするのも、有りっちゃぁ有りかな?と思いました。
いかがでしょう?
ってか、ひとつ気がついたことがありました。
今までのレビューでも mineo の SIM を使ってみたことがありましたが、通話が上手くいきませんでした。
でもそれって、もしかしたら電話番号を間違えていたかもしれません。
だめだと、思ってたタブレットでも試してみたら、どれも電話ができたので可能性はかなり高いです。
Google キッズスペース
ウチの息子と娘は、すっかり成長してしまったのでコダシマには縁のなくなったサービスですが、最近 Google が力を入れているサービスがこのキッズスペース。
Google キッズスペースは、Android タブレットの機能で、お子様の発見、創造、成長をサポートするコンテンツが含まれています。
利用するお子様は年齢や興味に適したアプリ、書籍、動画にアクセスでき、興味のある項目に応じて質の高いおすすめのコンテンツを提供します。
また、Google キッズスペースは、保護者が設定した制限内でお子様が使用できるようになっています。
保護者は、アプリやコンテンツの制限を設定し、お子様が使用できる時間を制限することができます。
つまりは、マルチユーザー管理とペアレントコントロールを一緒にしたような機能です。
加えてキッズスペースは子ども向けにポップな感じの UI になってます。
Google キッズスペースが利用できるこの P40HD は、比較的性能も高いため、ストレス無くコンテンツを楽しむことができる上、本体も丈夫なので、小さなお子様にも向いている製品といえます。
ベンチスコア
そろそろベンチスコアが気になるところなので、ベンチスコアを計測します。
今回もベンチスコアの計測には Antutu v9 と PerformanceTest、Geekbench6 を使いました。
以前レビューした同社のタブレットに加えて、最近レビューしたタブレットも参考として比較してみました。
では早速結果を見ていきましょう。
Antutu
予め PassMark でチェックした通り T616 のパフォーマンスの高さが目立ちます。
T606 と T618 は概ね同等といったスコアです。
てか、唯一 8GB の T40 Plus のメモリスコアが低いってのが気になります。
それよりも 1 年ちょっと経つと、ここまでコストパフォーマンスが変わるもんなのですね…。
PerformanceTest
概ね T606 と T618 は同等の性能と言えるかもしれません。
T616 って全体的に T618 よりもスコアが良い感じです。
というか、AnTuTu でもそうでしたが、GPU Mali-G52 って案外グラフィックスが強かったんですね。
それより Disk 、P40HD のストレージ性能がずば抜けて良いです。
C 社のもなかなかですが、段違いです。
使ってみてずいぶん快適だったのは、ストレージ性能の高さの恩恵だったのかもしれませんねぇ。
Geekbench
Geekbench の結果は AnTuTu と PerformanceTest のもとではちょっと違ってますね。
また、T40 Plus の OpenCL の計測ができませんでした。※なんでだろう?
それでも、Vulkan では高いスコアを出しております。
Geekbench については Geekbench Browser で直接結果を確認できます。
動画概要欄にリンクを張っていますので、合わせてご覧いただければと存じます。
Teclast P40HD (2023)
- CPU – https://browser.geekbench.com/v6/cpu/1231231
- Compute OpenCL – https://browser.geekbench.com/v6/compute/435870
- Compute Vulkan – https://browser.geekbench.com/v6/compute/438778
Teclast T40 Plus (2021)
- CPU – https://browser.geekbench.com/v6/cpu/1240703
- Compute OpenCL – 計測不可
- Compute Vulkan – https://browser.geekbench.com/v6/compute/438787
C 社 tablet X (2023)
- CPU – https://browser.geekbench.com/v6/cpu/1240918
- Compute OpenCL – https://browser.geekbench.com/v6/compute/438884
- Compute Vulkan – https://browser.geekbench.com/v6/compute/438959
T606 は数年前の主力のプロセッサと同等の性能があることがわかりましたね。
でも、T618 のグラフィックスが思いのほか強かったのが意外です。
気になるお値段
ということで、気になるお値段です。
コダシマが Amazon をチェックしたタイミングで、特選セールが行われており、セールでは、何と 2 万円以下になってました!
あれ?値段違くね?って思いましたよ。
先程もちらっと言いましたが、ほんの 1 年ちょっとでコストパフォーマンスがさらに良くなってます。
この性能で、タイミングさえ合えば 2 万円以下で買えてしまいます。
これくらいなら、キッズスペースもあるし、子供に預けても良さそうですね。
廉価版のモデルとは言え、コスパ良すぎです。
Teclast P40HD のまとめ
今回、久しぶりに Teclast のタブレットをレビューしました。
廉価版のモデルだからと侮っていましたが、少し前の主力ラインナップに匹敵するほどの性能があったのは驚きです。
しかも Widevine も L1 で、動画配信サービスの画質制限なしで、きれいな映像も楽しめます。
今回のレビューではそこまで詳しく触れていませんでしたが、まだイヤホンジャックが残っているので、スピーカーが少し弱くても問題ないと思います。
というか、ゲームによってはイヤホンのほうが断然良いですからね。
それと、本体自体の作りもとても良くなっており、ガジェット系に疎い人に、「これ新しい iPad 」とか言ったら信じてしまうクオリティです。
実物を触ると、余計にコスパの高さを感じるかもしれません。
本当は、強度の確認とかも、映像的に面白いのかもしれませんが、貧乏性のコダシマにはもったいなくて傷つけることすら恐れ多く感じておりますので、そこらへんは期待せずにいていただけるとありがたいです。
ということでコスパの良すぎる Teclast P40HD
買うか買わないかは、あなた次第です!