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火星探査機をリアルに体験する Arduino キット!SunFounder GalaxyRVR【組み立て編】

火星探査機をリアルに体験する Arduino キット!SunFounder GalaxyRVR【組み立て編】

火星探査機をリアルに体験する Arduino キット!SunFounder GalaxyRVR【組み立て編】

皆さま、ご機嫌いかがですか?PC-FREEDOM のコダシマです。縁あって新しい環境で働くことになり、動画編集の時間もうまく確保できてません。生活が馴染むまで、動画の更新もより不定期になりますが、引き続きお付き合いいただければと存じます。

そんな今回、紹介するのは、大人も夢中になれる SunFounder の GalaxyRVR Mars Rover Kit でございます。このキットは、火星探査機を体験できる電子工作キットになっており、Raspberry Pi ではなく、Arduino 互換です。

太陽光発電やリアルタイム  FPV (First Person View) を備えており、オンライン教材を使いながら組み立てて行くことで、より深い理解を促してくれます。

今回は、このキットを組み立ててみましょう。

https://youtu.be/HbRw82ZtUhU

火星探査ローバー

まず、今回のこのキットのモチーフになっている火星探査機について少し語りたいと思います。火星と言えば、小説や映画などで舞台とされることも少なくない、太陽から数えて四番目の惑星ですね。火星はその表面の鉄酸化物によって赤く見えることから、「赤い惑星」と呼ばれています。

人類の火星探査の旅、その第一歩は1973年。旧ソビエト連邦が打ち上げたマルス3号が、火星に着陸した最初の探査機となりました。しかし、その歴史的瞬間は、わずか20秒で終わりを告げ、信号は途絶えました。

本格的な火星探査の幕開けは1976年。アメリカのバイキング1号がその任務に成功し、続いてバイキング2号も火星の地表からの最初の映像を地球に送信しました。

そして1997年、マーズ・パスファインダーが着陸し、小さなローバー「ソジャーナ (Sojourner)」が火星の土を踏みしめました。

これが今回のキットのモチーフでもある火星探査機、いわゆる「マーズ・ローバー」でございます。

マーズ・ローバーは、火星を自動で走行しながら探索し、その環境を研究し、データを地球に送り返すために設計された自走型ロボットです。このローバーの活躍によって、謎の多かった火星の姿が少しずつ解明されていきます。

例えば、火星は地球と同様に地軸の傾斜があるため、季節変化を持っています。ただし、火星の1年は地球の約2倍の長さですけどね。

さらに、火星の北極と南極には氷の極冠があり、これには水の氷と二酸化炭素の氷が含まれています。

つまり、普通の水の氷とドライアイスを合わせたものといったところです。

また、地球との距離も比較的近く、薄いながらも大気が確認されている環境から、テラフォーミング(惑星地球化計画)といった、壮大な計画が物語の中だけでなく、現実的な計画として議論されていることは、皆様もご存知のところでしょう。

http://solarsystem.nasa.gov/multimedia/gallery/Mars__atmosphere.jpg

ですが、現在の研究によると、仮に今すぐテラフォーミングを開始したとしても、地球と同様の大気を形成するには早くて100年以上かかると言われています。

さらに、人が酸素ボンベなしに呼吸ができるほどの酸素が自然に循環するようになるまで10万年以上かかるとも、1000万年以上かかるとも言われています。しかも、有人火星探査もまだ計画段階ですが、人はすでに新天地として火星に目を向けているのは間違いないでしょう。

少しずつ話がそれてきましたが、このマーズ・ローバーは、誰も見たことがない火星の環境で、どんな過酷な条件にも耐えられる耐久性や移動方法、通信、電源供給などの設備や探査能力など、どういったアプローチで設計されていったのでしょうか?

https://docs.sunfounder.com/projects/galaxy-rvr/ja/latest/?ref=dt7xdc4i

このキット「GalaxyRVR」では、そんな火星で活躍している火星探査機について、キットを組み立てながら、Web サイトのドキュメントをもとに、様々な角度から学ぶことができるようになっています。

Arduino とは?

冒頭でもお話した通り、このローバーキットでは Raspberry Pi ではなく Arduino を使います。電子工作に興味を持たれている方であれば Arduino について説明は不要でしょうが、念のために説明しておきます。

Arduino とは、広い意味ではそれらの開発・改良を行う一連のプロジェクトや、その結果生まれた会社、またその多くの開発者らによるコミュニティまでも指すことがありますが、一言でいうと「電子工作で使われるシンプルなマイコンボード」のことです。

Arduino を使うことで、LED を点灯させたり、モーターを動かしたりといった、さまざまな電子工作が可能です。そして、その動作に必要な開発システムを Arduino の Web サイトからダウンロードできるオープンソース・ハードウェアでもあります。

このオープンソースってのがミソです!

https://www.arduino.cc/

「もっとシンプルに、もっと安価に、技術者でない学生でもデジタルなものを作ることができるようにする」ことを目的として、2005 年にこの Arduino プロジェクトが始まりました。8ビットマイクロコントローラである AVR マイコンや入出力ポート、Arduino 言語による統合開発環境が用意されており、すぐに電子工作を始められる手軽さから、世界中で人気を集めています。

Arduino はワンボードマイコンのため、構造が非常にシンプルであり、プログラミングに興味があれば、子供から大人まで誰でも電子工作やプログラミングを楽しむことができます。ちなみに、Raspberry Pi と比較されることが少なくありませんが、その大きな違いは OS を必要とするかしないかです。

ざっくりいうと Arduino は、単一のプログラムを直接デバイスに書き込んで実行します。一方の Raspberry Pi は、OS が必要になりますが、その分より複雑で高機能なことができます。というか、Raspberry Pi は、普通に PC と同じように使うことができます。ここが、一番の違いでしょう。

また Arduino には、上に積み上げて使用する「シールド」と呼ばれる拡張パーツが存在します。例えば、Wi-Fi 接続やセンサーなど、多くの種類のシールドがあり、取り付けることでさらに高度な開発をすることができるようになります。

シンプルな構造の Arduino ですが、様々なシールドを追加することで、複雑な事もできるようになるわけですね。

GalaxyRVR のキット内容 

前置きが長くなりましたが、SunFounder GalaxyRVR Mars Rover Kit の中身を詳しく見ていきましょう。

まずはこの箱から。

最初に目が行くのはこれ、ソーラーパネルですが、この箱の中にはプログラムを転送したりするときの USB ケーブルや、バッテリー、様々なケーブルが入っている箱です。ちなみに USB ケーブルは、最近見かける機会が減った A to B のケーブルです。

組み立てるために必要な工具も付属しています。それらの工具も、わりとちゃんとしたものです。ホームセンターとかで見かける感じのやつです。

ドライバーが3種類と、2種類のレンチが用意されています。このキットだけで組み立てられる様になっており、改めて工具を用意する必要はありません。

組み立てに必要な説明書は、図解されているので、わかりやすいやつです。

この箱は、フレームやモーターです。モーターは6つはいっています。

こちらの箱は、基盤とかセンサーとかのようですね。また後ほどお願いします。6輪すべてがモーターで駆動するようです。

何れにせよ、組み立て始めましょう。

まずは頑丈なアルミニウム合金フレームからです。

ローバーの土台となり、様々な地形を走行するための強固な構造を提供します。ってことで、ひたすら組み立てて行きましょう。

オンライン教材について

https://docs.sunfounder.com/projects/galaxy-rvr/ja/latest/?ref=dt7xdc4i

SunFounder が提供しているオンライン教材では、動画などを含めた詳細な解説が用意されています。なにか分からないことがあれば、確認してみましょう。また、興味の度合いによって「プレイモード」と「コースモード」が用意されています。

組み立てたローバーをすぐに走らせてみたい人は「プレイモード」に進みましょう。

ローバーを制御するために必要なプログラムのインストールや接続などについて学ぶことができ、アプリを使用してローバーを操作することができます。

「コースモード」では、組み立てるだけではなく、13のレッスンが用意されており、レッスンそれぞれに、学習目標や、教材、手順が用意されています。

レッスン内容は、その独特なサスペンションの基本構造についての解説や、モーターの仕組みや制御の仕方、プログラミングなどについて詳しく説明されています。

さらに「ハードウェア」の項目では、使われているボードやシールド、ソーラーパネルやバッテリーについての詳細を説明しています。

これらをしっかり理解すると、より電子工作が楽しくなるのは間違いないでしょう。

何れにせよ、組み立て終わらないことには使ってみることができませんので、とりあえずひたすら組み立てていきます。

Galaxy RVR 組み立て 

それでは組みててて行きましょう。

足回り

まずは足回りからの組み立てです。ここではパーツの向きと、取り付ける際に使うナットとワッシャーの種類に気をつけなければいけません。ナットはセルフロックのかかるタイプのもので、ワッシャーは平たい金属のものです。説明書に詳しく書いてあるのでよくよく確認して取り付けましょう。

コダシマは、とりあえず、パーツの向きを間違えて取り付けてしまいました。ナットは、一度しっかり締めてから、少し緩ませて自由に動くようにさせるのがコツです。これを左右行います。そこまで厳密に調整しなければいけないわけではありませんが、締めすぎても動かなくなり、ゆるくてもブレブレになりそうなので、ちょっとだけ気を配りました。

ちなみに、このサスペンションのシステムのことを、ロッカーボギーシステムと呼ぶようです。

このシステムは、ローバーが荒々しい岩場の地形を越える際にすべての車輪を地面に接地させるように設計されています。

Wの形をしたパーツを取り付ける際に使うワッシャーは、アクリルのものを使います。

アクリルを保護している紙は、けっこう剥がしづらいので、そのまま使ってやろうかと、一瞬は思いましたが、丁寧に剥がすことにしました。

ここでも、先程の手順と同じように締めすぎ注意です。

バッテリーの取り付け

バッテリーの取り付けをは、マジックテープを使って固定するだけです。一応、脱着可能というところです。

ボード の取り付け

次は、R3 ボードを取り付けます。Arduino Uno R3 の互換ボードですね。めっちゃシンプルです。

そしてボードを取り付けたら、その上に GalaxyRVR のシールドを取り付けます。一気に、電子工作っぽくなりましたね。

モーターの取り付け

ここからモーターの取り付けになります。使うナットとワッシャーは、先程使ったものとは別になりますので、こちらもしっかり説明書を読んで取り付けましょう。

同じ作業を6回繰り返します。

コードの取り回しには、センスが必要な気がしてなりません。

モーターをつけ終わったら、タイヤを取り付けていきます。

センサーの取付

次は、赤外線 (IR) センサーの取り付けです。障害物を感知するためのセンサーで、左右に取り付けます。

今度は超音波センサーの取付です。

どちらのセンサーも、電子工作ではよく見かけるものだと思われます。もはやロボットの基本ですね。

RGB ストリップ

カラフルな照明効果を演出する RGB LED ストリップを取り付けます。

説明書の書き方だと、別にテープが貼られているような印象を受けますが、この青い部分がすでに剥離紙になっているので、これをうまいこと剥がして、所定の場所に貼り付けます。

カメラモジュールの取り付け

カメラモジュールの取り付けに入ります。カメラを自由に操作できるようにするため、サーボが使われます。

ちなみに、電源を入れて、初期位置の状態を保ったままで作業することが勧められています。まぁ、位置がずれないようにするためですね。

サーボのアームと金具を取り付ける際のネジが、めちゃくちゃ小さく、意外とこれには手こずりました。

カメラを貼り付けるテープが見当たらなかったのですが、とりあえずはこれでいきます。

そろそろ仕上げ

本体の裏側に、透明のアクリルボードを取り付けるようです。個人的には、無きゃ無くても困らなそうだと思いましたが、一応、悪路を走らせる体のローバーなので、取り付けておきましょう。

そして、最後に、ソーラーパネルを取り付けるか、つけないかです。

ソーラーパネルはバッテリーを充電するために用いられますが、バッテリーは USB ケーブルをボードにつなぐことで充電できます。なので、ソーラーパネルを取り付けないという選択もあります。もし、ソーラーパネルを取り付けない場合には、更に多くのセンサーを搭載することができます。それ用のパネルも用意されています。

しかし今回は、何と言ってもマーズ・ローバーです。ソーラーパネルが無いというのは無粋じゃないですかね?

ってことで、ソーラーパネルを取り付けます。

SunFounder GalaxyRVR のまとめ

やはり、今回も組み立てるだけで、そこそこの尺になったので、とりあえず早く走らせてみたいところもございますが、まず今回はここで一旦締めたいと思います。

組み立ててみた感想ですが、ぱっと見、パーツの数も多く、複雑そうに思いましたが、組み立て始めてみると案外シンプルな作りになっていることがわかります。

また、まぁまぁ大きいので、昔組み立てた RC カーを思い出さずにはいられません。

これが楽しくないわけがないですよね!

ってことで、プログラミング編へと続きます。

※ですが、公開時期は未定です…

参考サイト

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