Debian から Systemd を除いた Devuan をベースに開発された Star は、最新版となる Star Kirk 2.1.0 を、2019年11月4日にリリースした。

Star Linux とはどんな OS ?

Star 2.1.0: USA発Debian系の超軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
https://sourceforge.net/projects/linnix/

Starは、Devuan GNU / Linux に基づくデスクトップ指向の Linux ディストリビューション。

Star にはさまざまなエディションが用意されており、それぞれのエディションは非常に軽量な GUI 環境を備えている。

ライブ環境での使用が想定されていて CD に収まるほどサイズは小さく、Devuan をベースとしているので Systemd ではなく SysV init ソフトウェアを使用している。

より詳しい情報は▶ https://sourceforge.net/projects/linnix/

Star Linux の概要

  • ベース: Devuan (Debian)
  • アーキテクチャ: i686, x86_64
  • デスクトップ環境: Xfce, Fluxbox, Openbox, Jwm, i3, CLI
  • パッケージ管理: dpkg (APT)
  • カーネル: 4.9.0-11

Star Linux をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)

システム要件の記載がなかったため、Debian を参考とする。

  • CPU: i386, amd64
  • RAM: 256 MB (1 GB 以上)
  • DISK: 10 GB 以上の空き領域

https://www.debian.org/releases/jessie/armel/ch03s04.html.ja

主なアプリケーション

  • ブラウザ: Web 3.22.7 (Epiphany)
  • グラフィック: Mirage 0.9.5.2
  • マルチメディア: MPV

個人的な意見ですが、

Star を知ってプロジェクトサイトを探したが、SourceForge にしか情報がなかった。

メチャクチャ小さいプロジェクトなのかな?

プロジェクトサイトもシンプルだけれども、Star はとにかくシンプルに設計されており、余計なものがインストールされていない。

Debian 系で Openbox となると SparkyLinux (MinimalGUI) や SalentOS を思い出す。

Star 2.1.0: USA発Debian系の超軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
SparkyLinux MinimalGUI

(残念ながら SalentOS は2019年10月頃からプロジェクトサイトにアクセスできなくなっている)

いずれも非常に軽量でわりと使いやすいが、これらと違うのは純粋に Debian 系というわけではなく、Debian から派生した Systemd を使わない Devuan をベースにしているところ。

Systemd については様々な議論があるが、一介のデスクトップユーザーにはその意味がピンとこない。

Systemd について詳しくは Wikipedia を参照。

論争についてはコチラの記事も参照するとわかるかも

技術者や開発者とかでもないかぎり、デスクトップ OS として使うぶんには、その違いが一切わからない。

どちらも同じように使える。

でも SparkyLinux (MinimalGUI) と比べるとその違いは大きい。

SparkyLinux の場合はライブ環境から Caramales インストーラーを使ってインストールすることもでき、Openbox ではあるもののさまざまなカスタマイズが施されているのでデスクトップ環境と呼んでも違和感がない。

Star 2.1.0: USA発Debian系の超軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
SparkyLinux は、ライブ環境からインストールできる。

また SparkyLinux の入力設定を含めた日本語化の難易度は低めで、初心者でもチャレンジしやすい。

Star 2.1.0: USA発Debian系の超軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
SparkyLinux はいくつかの手順で日本語化ができる。

Star はそんな SparkyLinux よりも、さらにシンプル。

プリインストールされているソフトウェアが少ないのもそうだけれども、ルックアンドフィールなどなど本当に余計なものがない感じがする。

Star 2.1.0: USA発Debian系の超軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
Star には余計な色味すらないシンプルさ。

だからこそ逆に自分好みにカスタマイズしやすい。

Debian 系なので、もちろん Synaptic パッケージマネージャなどでパッケージの追加もできる。

Star 2.1.0: USA発Debian系の超軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
Deb 系 の定番ツール Synaptic パッケージマネージャ。

また、GDebi パッケージマネージャもあるので、インターネット上で配布されている Deb 形式のパッケージもインストールできる。

毎度のことだが、ためしに Google Chrome をインストールしてみた。

Star 2.1.0: USA発Debian系の超軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
Google Chrome も問題なくインストールできる。

Debian の豊富なソフトウェア群から必要なものを追加できるので、Linux の経験を少し積んで、少し自分好みにしたくなってきたユーザーにはちょうどよいかもしれない。

ちなみに

自動ログインではないため、起動のたびにユーザー ID とパスワードが必要になるのだが、それはライブ環境も同じ。

ライブで起動させたときには以下の内容でログインできる。

  • Live User: starlive
  • Password: live

さらにライブ環境で、管理者権限 (sudo コマンドなど) を使う場合には…

  • sudo passwd: root

以上で操作することができる。

Star Linux の良かった点・悪かった点

良い

  • シンプル・イズ・ベスト!
  • とにかく軽い!速い!
  • 日本語化は思ったよりもラクかな?
  • 思ったより普通に Debian 系として使える。

悪い

  • まったくの初心者だと使い方に戸惑うかな?
  • 思ったより簡単とはいえ日本語化に手がかかる。
  • Xfce 版以外は、ソフトウェアを追加してもメニューは自動更新さない。
  • メニューは自分で編集しなきゃいけない。

Star Linux のおすすめ度(5段階評価)

初心者向け度… ★★★☆☆
 Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。

ちょっと手間がかかるけれども、Linux 経験者であれば問題がない。2番め3番目の Linux として選ぶのが良いかもしれない。

日本語の環境… ★★☆☆☆
 日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。

Debian インストーラーでインストールするため日本語も選択できるが、だからといって日本語フォントもインストールされるわけではない。フォントのインストールから日本語入力環境の設定など、難易度はそれほど高くないものの手間がかかる。

システム要件… ★★★★★
 古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。

「超」がつくほど軽量な Linux 。32bit 版もまだあるので、古いマシンの再生には役立つこと間違いなし。

総おすすめ度… ★★★★☆
 全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。

シンプルで逆に使いやす。最初に必要なものを用意する手間はあるけれども、それが済めばその軽量さが病みつきになる。

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ダウンロードする▶ https://sourceforge.net/projects/linnix/