WoR = Windows on Raspberry の 2.0.1 が正式リリースされていたので、今回はこの WoR のアップデート動画です。

※今回も可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、 誤情報が入り込んだり情報が古くなったりすることも含め、必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではございません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害について、一切責任を負うものではございませんのであらかじめご了承ください。

つまり、自己責任ヨロ。

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WoR とは?

Windows on Raspberry で Raspberry Pi に Windows 10 をインストールしてみた。Ver. 2.0.1
Windows on Raspberry ▶https://www.worproject.ml/

WoR を使えば簡単に Raspberry Pi で ARM 版の Windows 10 を使うことができるようになります。

今回のポイントは大きくわけて3つ。

  1. 準備
  2. WoR と Windows 10 イメージのダウンロード
  3. Windows ARM のインストール

です。

一つずつ説明していきます。

▶以前の WoR についてはコチラ

【今度はホンモノ!】Windows ARM を Raspberry Pi 4 Model B にインストールしてみた:前編
Youtube⇒https://youtu.be/irORFAy6Prs
ブログ⇒https://pc-freedom.net/wor-alpha3-1

【コイツ動くぞ!】Windows ARM を Raspberry Pi 4 Model B にインストールしてみた:後編
Youtube⇒https://youtu.be/p9JYMsLGXpU
ブログ⇒https://pc-freedom.net/wor-alpha3-2

準備

まずは準備として、できないことや、必要なものを説明しておきます。

Windows on Raspberry でできないこと

世界中の有志の方々がドライバ開発を進めていますが、2.0.1 の時点では

  • 音声出力⇒✕(HDMI出力、オーディオジャックどちらも)
  • Wi-Fi⇒✕
  • Bluetooth⇒✕(ワイヤレス接続はできないってこと)

です。

さらに、Windows 内蔵ドライバで動作しないタイプのデバイス、つまり独自ドライバのインストールが必要なデバイスも使えません。

使える USB デバイスは、一般的なマウスやキーボード、USB ストレージです。

LAN アダプタやオーディオデバイスなどは使えるものもありますが、現時点では動作が不安定になるものが多いようです。

RAM についても 2.0.0 から 4GB や 8GB のメモリをフルに使うことができますが、ブルースクリーンが発生するなど、まだまだ不安定な部分があるようです。

現状では使用可能なメモリ容量を 3GB までに制限すると安定性が確保できるようです。

ちなみに BIOS の初期設定では 3GB 制限が有効化されています。

さらに GPU ドライバが不完全なため、GPU に依存する 3D 描画や動画などが使用できません。

用意するもの

できないことを理解した上で、必要なものを用意しましょう。

まずはハードウェア。

Raspberry Pi 4 Model B 4GB+

当然ですが Raspberry Pi 本体です。

WoR は Raspberry Pi 2 から使えるようなのですが、重すぎて使い物にならないと思います。

RAM の制限も削除されたので、よりメモリの多いモデルが良いと思います。

高速な 16GB 以上の micorSD カード

8GB 以上の空き領域がある SD カードまたは USB デバイスが推奨されています。

が、Windows のイメージデータが 5GB 以上あるので、少なくても 16GB 以上のものを用意したほうが良いかと思います。

また USB デバイスからのブートもできるようになりましたが、コチラもまだまだ不安定なようなので microSD を使ったほうが無難かと思います。

さらに言えば「A1」や「A2」という規格に対応した microSD カードが良いでしょう。

ちなみにこの「A1」や「A2」という規格は Application Performance Class という新しい規格でアプリケーションの実行のようなランダムアクセスが必要となる場面でも高速で処理できることを表したものです。

ちなみにこの規格では、1秒間当たりにストレージが処理できる I/O アクセスとして IOPS = Input/outoput Operations Per Second という単位が使われており、A1 規格ではランダムアクセス性能が読み込みで 1,500IOPS 以上、書き込みに 500IOPS 以上、シーケンシャルアクセス(並んだデータを順番に処理する方法ですね)性能が 10MB/s 以上のものになります。

スマートフォンなどの場合だと、内部ストーレジと大差ない速度が実現できる規格として使われているようですね。

冷却ファン

Windows 10 の動作中はプロセッサに負荷がかかるため、かなり熱くなります。

Raspberry Pi 4 は CPU 温度がおよそ 85℃で自動的にサーマルスロットリング= CPU の温度が上昇しすぎた場合にクロック周波数を落として温度を下げる機能が発動し、CPU のクロック数が 1.5GHz から 1GHz、最終的に半分の 750MHz まで落ちるようです。

そうなると、タダでさえ実用向きでない Windows がさらに遅くなってしまいます。

パフォーマンスを保つために冷却ファンは用意していた方が良いです。

おすすめ CPU クーラー

その他の周辺機器

最低限、電源は 5V/3A が安定して出るものを用意しておきましょう。

Raspberry Pi 4 対応と明記してあるものが良いです。

他には出力用の HDMI ディスプレイと、その接続に使う MicroHDMI ケーブル。

操作するために使うキーボードとマウスを用意しておきましょう。

電源や HDMI ケーブルなどは、既に Raspberry Pi 4 を持っているヒトであれば問題ないと思うのですが、Raspberry Pi をこれから用意する人はセットがオススメです。

参考までに Amazon のリンクを張っておきますので、気になる方はチェックしてみてください。

Amazon でチェックしてみる▶https://amzn.to/3j6uNaR

次はソフトウェアです。

WoR

Windows on Raspberry で Raspberry Pi に Windows 10 をインストールしてみた。Ver. 2.0.1
WoRのダウンロードベージ▶https://www.worproject.ml/downloads

今回の Windows ARM のインストールでもっともキモになるソフトウェアです。

Windows 10 を Raspberry Pi 用にインストールするのに必要な設定などをしてくれるソフトウェアです。

プロジェクトサイトのダウンロードページからダウンロードしてください。

ダウンロードはコチラ▶https://www.worproject.ml/downloads

Windows イメージ

Windows on Raspberry で Raspberry Pi に Windows 10 をインストールしてみた。Ver. 2.0.1
UUPDump▶https://uupdump.ml/

これも無いと話になりませんね。

Windows をインストールする為には、当然ですが Windows の ISO ファイルが必要になります。

Windows の ISO ファイルは Microsoft サーバーから直接 UUP = Unified Update Platform (ユニファイドアップデートプラットフォーム) ファイルをダウンロードし、それらから ISO を構築することで用意できます。

UUP ファイルがダウンロードできるサイトは2つあります。

コチラも URL を動画説明欄に貼っておきます。

いずれかで手に入ります。

インストールなどは動画を確認してみてください。

まとめ

ということで今回は WoR = Windows on Raspberry の動画をアップデートしてみました。

アルファ版のときよりも、RAM や USB ドライバの制限が減り、インストールも含めてかなり使いやすくなったと思います。

実用面で考えると高機能になったとはいえ Raspberry Pi で Windows を動作させるメリットは今のところ殆どありません。

まぁ、一部の開発者にとっては ARM デバイスの開発環境などで有効なのかもしれませんが、一般のユーザーには縁遠い話ですね。

しかも、まだまだたくさん改良の余地はあるので、コレはもうロマンとしか言いようのないプロジェクトの気もします。

ですが、物好きの僕たちにとっては WoR への興味はつきません。

これからの動向もとても楽しみですね。

Windows on Raspberry
https://www.worproject.ml/