いまや世界中で開発されている Linux ディストリビューション。

数多ある Linux の中から、自分好みのものを見つけるのも簡単ではない。

Linux に目をつけるくらいのアナタであれば、僕のように「あんまりメジャーどころもなぁ…」とすでにマイナーな世界に入っているにもかかわらず、さらにマイナーを目指す人もいるはず。

今回はそんな人向けに、世界中のディストロの中から、自分好みのものを見つけるための3つのポイントをまとめてみた。

ちなみに探す Linux は初心者向けとして、サーバー用途で使うのではなく、あくまでもデスクトップ OS としてすぐに使えるものに絞っていきたい。

ポイント1:インストールするマシンスペックは?

まず Linux をインストールしたい PC のスペックによって数を絞ることがでできる。

  • CPU が 32 bit なのか 64 bit なのか?
  • システム RAM はどれくらい積んでる?
  • ストレージの空き領域は?

ディストロにより必要なシステム要件が異なるため、これらをまとめておくとグッと探しやすくなる。

【今さら聞けない】その CPU 32 bit ? 64bit ? bitの違い って?

 

ポイント2:デスクトップ環境を知る。

Linux をはじめとする UNIX 系 OS で目にする言葉だが、グラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) で 操作ができる OS には全て存在する。

壁紙やアイコンをはじめとした見た目の部分のほか、使い勝手をよくするためのシステムや、さまざまなアクセサリプログラムなどの環境がまとめられている。

そのため、選ぶデスクトップ環境によって、消費される RAM の量が変わってくる。

Linux 界隈でメジャーなデスクトップ環境が必要とする RAM 目安は以下の通り。

システム RAM: 512 MB 〜 1 GB

システム RAM: 1 GB 〜 2 GB

システム RAM: 2 GB 以上

グラフィカルなエフェクトや見た目などの好みもあるだろうが、ポイント1のスペックを確認したうえで、どのデスクトップ環境が適しているかを見極め、デフォルトのデスクトップ環境を定めておくとディストロが決めやすくなる。

【Linux初心者必見】ディスクトップ環境を比較してみた

 

ポイント3:Linux の系統を知る。

Linux には流派というか系統が存在する。

その系統によって扱うことのできるパッケージの管理システムが変わってくる。

パッケージは必要なプログラムを、その Linux で扱いやすいようにまとめたもので、パッケージの管理システムが違うとそのプログラムは使うことができない。

パッケージには以下のものがある。

  • Debian 系…Debian GNU/Linux をベースとした deb 形式のパッケージを使っているディストロ。またここから派生した Ubuntu からも多くの派生が生まれている。
  • Red Hat 系…Red Hat Linux の後継である Fedora (CentOS) をベースとした rpm形式のパッケージを使っているディストロ
  • Slackware 系…Linux 普及当初有名だった Slackware をベースとした特定のパッケージ管理システムを持たないディストロ。経験豊富なユーザー向け。
  • Arch 系… Arch Linux をベースとし、パッケージ管理システムに Pacman を使っているディストロ。
  • Gentoo 系…Gentoo Linux をベースとし、パッケージ管理システムに Portage を使っているが、基本的にはインストールするソフトウェアは自分でコンパイルする必要があるディストロ。上級者向け。

最近では、Debian 系 (特に Ubuntu 系) のディストロが多い。

種類が多いということは、それだけ関わっている人が多いということを意味するため、そのぶん公開されている情報量も多くなる。

基本的に Linux は何事も自分でやらなければいけないので、初心者のうちは特に情報の多さが重要になる。

また活動が盛んなプロジェクトほど、扱っているデスクトップ環境のバリエーションが多いため、マシンスペックに合ったバージョンを選びやすくなる。

 

まとめ

以下のポイントで、自分に合ったディストロを絞り込んでいく。

  • ポイント1:インストールするマシンスペックで絞り込む
  • ポイント2:マシンスペックに合わせたデスクトップ環境で絞り込む。
  • ポイント3:ディストロの系統で絞り込む。

これできっと、あなたも自分好みのディストロを探し出すことができるに違いない。

 

個人的な意見ですが、

上記で上げたポイントのほかに、開発された国で選ぶのも面白いかもしれない。

Linux はフリーなので、世界各国で開発されている。

米国や欧州で開発されているディストロが目立つが、もちろんアジアや中東、アフリカなどの地域でも開発されている。

同じような構成のディストロでも開発国の特色が見られて面白い。

ちなみに日本でも開発されているディストロはいくつかあり、その中でも特に Vine Linux は Linux 普及初期から開発されている。

マイナーすぎるディストロを選ぶと、日本語環境を整えるのにめちゃくちゃ苦労するが、スキルアップのモチベーションとしてはありだと思う。