「コマンドライン」は、WindowsやMac OSでも存在します。パソコンに詳しいヘビーユーザーであればWindowsやMac OSでもコマンドラインを活用されている方も少なくありません。ですが、一般のユーザーであれば普段ほとんど使うことがありません。

でも、Linuxを使っていくうえで避けては通れないのが「コマンドライン」です。Linuxのコマンドラインインターフェイスのことについて知っていきましょう。

Linux コマンドライン ターミナル
コマンドは「端末(ターミナル)」上のシェルから実行します。画像はLinux Mintで端末を起動したところです。

最近のパソコンはマウスを使って画面上のアイコンをポチポチ操作するのが基本です。この視覚的なインターフェイスを「GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)」と呼びます。

それに対して、キーボードを使いコマンド(コンピュータに与える命令)をカタカタ入力して操作するのが「CLI(コマンドラインインターフェイス)」または「CUI(キャラクタユーザーインターフェイス)」と呼びます。

CLIはGUIに比べると直感的に操作できなかったり、コマンドを覚えたりしなければなりませんがGUIよりも優れたメリットがあります。

コマンドライン4つのメリット

①操作の履歴が残る

実行したコマンドは全て履歴として残るため、自分が過去に何を行ったかが調べられます。間違ったコマンドを実行しても、実行したコマンドが記録されているので修正して実行し直すこともできます。

履歴を検索して実行することもできます。

②ネットワークやハードウェアへの負担が軽い

グラフィック性能を必要とするGUIとは異なり、CLIは最低限のハードウェアで動作します。場合によってはディスプレイやキーボードすら不要なこともあるくらいです。

動作が軽快なため通信回線が遅くても十分実用的な速度で動作します。サーバー管理でコマンドが重宝されるのはそのためです。

③任意のコマンド同士を連携することができる

コマンドラインでは「リダイレクト」や「パイプ」という機能を使い、出力結果をファイルに書き出したり、別のプログラムの入力に渡したりすることができます。

CLIでは様々なコマンドを自由に組み合わせることで、複雑な処理をその場で組み立てられます。

④自動化しやすい

複数のコマンドを組み合わせて、順番通りに実行させる処理の流れをあらかじめプログラムとして作成し、そのプログラムを自動的に実行することができます。

CLIならば実行したいコマンドをテキストファイルとして用意するだけで自動化が実現可能になります。

ちなみに

マウス操作が基本のWindowsやMacでも標準でCLI環境が用意されています。上記の通りのメリットを知っているユーザーであればCLI環境で作業する方が効率的に行うことができます。

Windowsコマンドプロンプト

Windowsの「PowerShell」。独自のスクリプト言語でプログラミングが可能なコマンド実行環境です。

Mac OS ターミナル

Mac OS Xの「ターミナル.app」。シェルとしてUNIXやBSDなどでも採用されている「bash」が起動します。

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