HDDは3年、SSDは5年以上?

「平均的な使い方」で3年だったり5年以上だったりという事ですが、具体的にどれくらい使用して、どれだけ長持ちするかということが曖昧です。そこで、もう少し詳しく調べてみました。

改めて認識しておきたいことは、ストレージはどれも基本的に「時限爆弾を抱えて」います。

問題点は壊れるかどうかではなく「いつ壊れるか」ということで、壊れる日をどれだけ先延ばしにできるかということです。

それではまず、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

HDDの8割以上は、少なくとも4年間は使える

ハードディスクドライブ価格が安く大容量のものが多く販売されています。多くのパソコンにはHDD(ハードディスクドライブ)が搭載されています。

HDDはディスクやヘッドといった物理的な可動部品があるため衝撃などのトラブルに弱く、寿命が比較的短い場合が多くなっています。

HDDの平均寿命はメーカーや容量、インターフェイスなど様々な要素で変わりますが、およそ3〜4年が平均と言われています。

これは、オンライン・バックアップサービスを提供する「Bacblaze(日本語版はこちら)」が自社で使っているHDDを調査したところ80%が4年間持ちこたえたと言います。もちろん、残りの20%が4年以内に壊れ、そのほとんどが3年目で動かなくなりました。

参照:BACKBLAZE How long do disk drives last?

使っている、HDDのメーカーによっても違いがあります。例えば、BackblazeのテストデータではSeagate製のHDDはWestern Digital製や日立製のものに比べ頻繁に壊れています。

参照:BACKLAZE Hard Drive Data Sets

結論

日頃からデータのバックアップを取り、HDDの不具合に注意しておくことが必要です。

またHDDの保証期間にも注意しておきましょう。多くのHDDの保証期間は3年程度に設定されています。保証期間を過ぎても現役で使えるHDDもたくさんありますが、保証期間が切れた後は、当然ながら保証がききませんのでいつ壊れてもおかしくないという覚悟が必要です。

1日40GBのデータ書き込みを、17,500日(およそ50年)続けなければ壊れない

ソリッドステートドライブSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)はHDDに比べ価格は高いですが、そのスピードの速さから人気が高まっています。

SSDはHDDと違い物理的な可動部品がないためHDDのような故障は見られません。そのため、SSDの場合の耐久性はHDDとは異なります。

SSDは世に出始めたばかりの頃は「データの読み書きに回数制限があるので注意が必要」と言われていました。しかし、現在では技術の進歩などにより、ごく普通に使っている限りでは驚くほど長持ちします。

一般消費者向けのSSDでさえ700TBを超えるデータを読み書きしても壊れません。

参照:THE TECH REPORT The SSD Endurance Experiment: They’re all dead

SSDには通常3〜5年の保証期間がついています。メーカーは1日で書き換えられるデータの量を20GB〜40GBと見積もっており、700TBに達するためには1日40GBのデータ書き込みを、17,500日(およそ50年)続けなければならない計算になります。

「たくさん読み書きをすると早く壊れる」というのは、あながち誤りというわけでもありませんが、桁違いの話です。普通に使っていれば、まず壊れることはないでしょう。

ただし、粗末に扱って良いということではないのでご注意ください。

全然使っていない場合は?

普段使っているストレージの耐久性について少しわかりましたが、全く使っていない場合の保存期間についてはどうなのでしょうか?

HDD

温度と湿度が調整された環境でHDDを保管しているのであれば、HDD内のボールベアリングの周りを満たしているオイルが揮発しきらないように注意するだけで良いようです。しかし、そのためには数年に一度、HDDを回転させる必要があります。

例えば、タイムカプセルに埋めて何年も先に掘り起こし電源を入れたとしても、保管環境が整っていなければデータが無事でいる可能性はかなり低いです。

SSD

SSDは比較的新しい技術なので、長期保存にどれだけ耐えられるかといった本格的な調査は多くありません。

SSD技術はいまだ進化中なので、ほんの数年で様々な環境が変わってしまう可能性があります。ただし、構造から考えると理論上は環境が適切に調整されている場合、フラッシュメモリ内データの経年劣化だけの心配で良さそうです。劣化プロセスは何十年もかかると見られています。

問題はインターフェイス

IDEインターフェイスHDDやSSDの機械的な寿命や物理的な耐用年数も大切ですが、それより何より重要なのがインターフェイスです。技術の進歩は非常に早く、ストレージ自体が壊れる前に旧式と呼ばれてしまう恐れがあります。

実際に、HDDの標準インターフェイスだったIDEがいつの間にかSATA、SATA II、SATA IIIと変わっています。外付けですらUSB3.0などが登場する前には、パラレルポート、シリアル接続でした。

今でも旧式のドライブが使えるようコンバーターやアダプタなどが存在しますが、それもだいぶ数が少なくなってきました。

物理的な耐用年数と、それを実際に使える実用年数は別の問題なので、定期的に複数の保存方法でバックアップすることが最善だと思われます。

 

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